アメリスアード世界編シーン47
いよいよ敵を知るための行動に出る。
今ではリオが取り仕切る組織…アステリオ。
その組織力はこのアメリスアードの大陸全てへと影響は及ぶ。
そしてそれは情報を把握する事にも長け、早かったんだ。
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「リオ様!!??」
その声と共に客間に入ってきたのはベルーガさん。
息を切らし走ってきたベルーガさんは一枚の写真を持ってきたのだ。
「お嬢様…これを。」
「ベルーガ…これね?ヤシュア様…こちらを。」
リオはヤシュアに写真を手渡すとヤシュアはエレナに声をかける。
「エレナ…これを見るのじゃ…そしてこの者…お主が見覚えあるかどうか。」
エレナはヤシュアから受け取った写真をまじまじと見ている。
するとエレナの顔は徐々に青ざめていき声を上げる。
「この女性は……確かにあの時の。」
「そうか…やはり。」
「ヤシュア様…この女性の事知ってるんですか?」
ヤシュアは触れていた顎髭から手を離すと口を開く。
「この女は…我がマジェスト協会でも最近追っている女で名を……『レイラ』という。」
「レイラ??」
俺のその問いにヤシュアは頷く。
「ああ…今はこの女…このアメリスアードの地を根城とし…そしてその特殊な能力で影で暗躍しているこの国の最重要犯罪者の一人として国内で狙われている女なのだ。」
「そんな女が…今回の事件に関係してたとはな。」
「ああ…そして…その姿を見たもので生き残っているのもレアだと言われている。」
皆がエレナに注目する。
「そ…そんなに有名な犯罪者だったんですね?」
「うむ…あの女の能力で厄介なものは神出鬼没な上に魔神が異質を放っていると言われる。そしてその上…。」
「いや!大丈夫ですよ!ヤシュア様!?」
すると話に入ってくるレイド。
「ん?レイド…お主。」
「いやぁ!僕がいればどんな敵も屈しますって!その上、その敵は女性!!この…いつでもジェントルマンの僕の前ではそのレイラとかいう女性も僕の虜になりますから!!どうか!泥船…じゃなかった、大船に乗った気持ちで任せてください!!」
自信満々に叫ぶレイド。
それは鼻息荒く崇拝してるらしいヤシュアと女性達に眼差しの目で見られたい!!!
そんなレイドの気持ちが丸見えだった。
すると突然リスナーからのコメントが流れてくる。
『そうそう!私達のレイド様は王子様なんだから!』
『そうですよ!レイド王子様ぁ!かっこいいですぅ!』
などという女性リスナーからの黄色いコメントが聞こえてくる。
「ったくうるせーな。」
『何よ?クロノ!あなた!レイド王子をちゃんと守るのよ??』
「は??お前らなんだよ。」
俺がリスナーとそんな会話をしてると入ってくるレイド。
「おお!皆!僕はこれから仕事へと行ってくるからね!また帰ってきたら報告がてら配信するからね!」
『きゃーーーーーーっ!!??レイド様ぁ♡』
『やっぱりそちらの異世界ではアイドルだったなんて!素敵過ぎます〜〜〜!!』
「いやいや!それほどでも〜〜!」
そして、このやり取りは…数十分続いたのだ。
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「それで??クロノ様ぁ!それが異世界…つまりクロノがいた世界へとこの何かで繋がっていてそちらに住む人々とこうして話せる…という事なんですね?」
「おお!リオ…そうだぞ?ってかクロノ様って……。」
すると一緒になって聞いていたベルーガさん。
「これは実に凄いものですね…お嬢様?」
「ベルーガ…本当に凄いわね?そしてこれが配信というもの……」
リオとベルーガさんはヘッドホンをつけ不思議そうな顔をしている。
リスナーはリオをも気に入ったらしくキラコメをしていたのだ。
『リオちゃん!かわいいです!』
『僕もリオちゃんのファンになる!!』
「えっ!?これって??こうして会話出来てるって事?」
『そうだよ!リオちゃん!』
『クロノが見てる映像が僕達にも見えてるって事だよ?』
「へぇ!!これは凄いわ!面白いです!クロノ様!」
「そ…そうか??」
「はい!こんなに色んな方と話せるなんて!」
どうやら二人は配信に興味があるらしい。
するとコンコンッ!!と部屋の扉をノックする音がきこえる。
扉を開け部屋へ入ってきたのは。
「リオ様!レイラの足取りが掴めました!」
俺達の前に現れたのはエルザックだった。
「エル…とうとう見つけたのね。」
「はい…足取りだけは今も僕の『バラコンダ』で追跡中です。」
「そう…でも気をつけて…彼女は。」
「うむ!エルザックよ…万が一の時はバラコンダを戻すのだ。」
リオの言葉に続き会話に加わってきたヤシュア。
「ヤシュア様…でもこれであのレイラの足取りを追えます。」
「ふむ…リオ協力感謝する……では…レイラの今を報告頼む。」
「エル…。」
「はっ!リオ様…では。『バラコンダビジョン』。」
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レイラの足取りを追っていたのはエルザック。
そして俺達はバラコンダによる映像を見る事になる。
お読み下さりありがとうございました。