アメリスアード世界編シーン46
エレナは全てを話す。
果たして!!
エレナの前で魔神に捉えられたアイドルのマイケル。
そして女の言葉を待つエレナ。
◇
◇
◇
「その条件とはなんですか??」
エレナは女に問いかける。
すると女はニヤリと微笑み言葉を続ける。
「それはね…この先にホテル街があるのは知ってるわよね??」
「えっ??」
エレナは、その言葉に反応してしまう。
「なぁに、とても簡単な事よ。」
「それは??どういう事ですか??」
「ホテル街を二人で歩いて私に写真を撮らせて欲しいのよ…。」
「どうしてそんな事……?」
「私はある方の依頼で貴女達の事務所…大手芸能事務所『NEWmagicsecond』が邪魔…だという話…だから『テイルズ』を潰して欲しいという事なのよ?」
「そんな……。」
私がそう呟く。
「それでどうするの?」
女は問いかけてくる。するとすかさず答えるマイケル。
「や…やる…よ。それだけでいいんだろ?」
「そう…でもね……これは世間に出す為の写真にするの…そして、それを私は公表する…でもね…貴方達にはそれを言わないようにしてもらわないとね…。」
「つまり…??」
「貴方達の熱愛を報じられても黙っていて!って事よ……。」
「えっ??それってどういう…」
「もういいわ!これ以上は話さないわ!どう?やるの?やらないの??」
女郎蜘蛛はその大きさからマイケルを糸で締め上げていく。
「ぐぁぁぁっ!!??」
「マイケル!!!???」
「さぁ!!!!!答えて!!!」
「わかり…ました。」
女はニヤリと微笑む。
そして。
「スパイダーポイズン!!!」
女郎蜘蛛はその一本の足をマイケルの額へと突き立てる。
そして。
ズブリとマイケルの眉間に鋭い足を差し込んでいく!!!
「ぐっ!!??あああーーーーーっ!!??」
マイケルはその痛みに苦痛の声を漏らす。
「マイケル!!??」
「ふふ…大丈夫!マイケルは殺す訳ではないわ…私は今マイケルに『毒』を流し込んだわ。そしてその解毒剤は…私しか持ってはいない…いいわね!?貴方達が余計な事をしなければマイケルの解毒は保証するわ。」
女はそういうと手を上げる。
するとマイケルは糸から解放される。
「マイケル!!??」
私はマイケルの元へ駆けつける。
「大丈夫??」
「ああ…巻き込んでしまって悪かったエレナ!?」
「うん!大丈夫!」
すると女は声を上げる。
「さぁ…もう行ってもいいわ。」
「え??このまま逃がしてくれるの??」
「もちろん!では…またね…マイケル。」
彼女はマイケルに微笑むと巨大な女郎蜘蛛と共に消えていったの。
◇
◇
◇
そして私達は事務所へ帰り暫く時が過ぎた頃。
それはやってきた。
「二人とも!!これはどういう事だ!!??」
社長である父の怒声。
そう…あの事件が起きて…そして事務所を閉鎖してしまったの。
◇
◇
◇
「エレナ…そんな事があった事…あの時は誰にも言えなかった理由も分かったよ…でも…どうして今頃??」
レイドの言葉にエレナは顔を上げる。
「実はあれから…私の父も母も私達の事で世の中から酷いバッシングを受けて…そして自ら命を絶ったの。」
エレナはぷるぷると震え出す。
そして目からは、涙が零れ出す。
「…たし……私があの時父さん達に話していれば…こうはならなかった!!!………私達が何をしたって言うの!!??」
涙を流し訴えるエレナ。
「私…あの時の女と依頼した依頼者を絶対許さない!!!」
「エレナ……。」
「そして…最近になって元私達の事務所に在籍してた昔からのアイドルグループの人間達も突然拐われるっていう事件が次々と起こり始め…そして…マイケルも消えたという話を聞いてしまって。」
エレナは焦りの表情をみせる。
「エレナ…僕は。」
レイドはエレナに声をかけると踵を返し出口に向かう。
そして声をかけるヤシュア。
「どこへいく?レイド??」
「まて…敵の姿が分からずに行っても何にも辿り着けぬ…リオ???」
ヤシュアは、ふとリオに声をかける。
「は…はい…ヤシュア様。お久しぶりです。」
俺達は顔を見合わせる。
「ヤシュア??お前ってリオも知っていたのか??」
俺の声にヤシュアはニコりと笑みを浮かべる。
「はっはっは!クロノ!どうじゃ?ワシはこう見えてマジェストの間では結構有名なんじゃぞ??」
「ほぇぇぇ……。」
俺が唖然と口を開けていると声を発するレイド。
「クロノ君!ヤシュア様はこの世界の道標だ!君も崇め崇拝するといいよ!」
ヤシュアを崇拝しているレイド。
「よし!じゃあエレナ!敵は魔神を使うマジェストだ…君の話は分かった!だけどここからは僕達マジェスト協会の仕事だ!」
そしてレイドはいつもにも増し凛々しく見えた。
「レイド………ありがと。」
エレナは瞳をうるわせ目を閉じる。
「だけど…マジェストでもないエレナとマイケルにも魔神が見えるってのはどういう事なんだ??」
「もちろん…並の魔神ならその姿は見えるものでは無い…その魔神がそれだけの力を持ってるということじゃ…。」
「なるほど。」
するとヤシュアが口を開く。
「この事件はリオにはもう話してある…アルテリオの力を借り今エレナさんの追う何者かの調べを出している。エレナさん!ちょっとだけ待っていてくれ!」
「はいっ!!!」
そう言った彼女が流した涙は…この時…悲しみの涙から…嬉し涙に変わったんだ。
◇
◇
◇
レイドの元へやってきたエレナを救う事が出来るのか!?
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