アメリスアード世界編シーン42
遂に敵は倒された。
遂にペリオットは倒される。
そして。
◇
◇
◇
俺達は倒れたペリオットを見ているが反応は無いようだ。
すると。
ボコっ!!ボコボコッ!!!
突然地中が盛り上がってくる。
「な……なにっ!!??」
ドシャーーーーーッと音を立て出てし者は。
バラコンダの頭上に乗り現れたエルザックの姿だったのだ。
「この僕…エルザック参上したぞ!BOSS!!さぁ!ペリオットはどこだ!?」
「えっ!?」
「はっ???」
「「はぁーーーーーーーーーっ!???」」
リオ、ジェイク、に引き続き俺達も思わず驚きの声を上げてしまう。
◇
◇
◇
「いやぁ…この僕ともあろう者が遅れてしまってすまない……。」
エルザックはそれはそれは必死にリオに謝罪をしている。
「ふぅ~~~そういう所は本当に昔から変わってないなエル。」
「はぁ???ジェイク!なんだと!?もういっぺん言ってみろ!!??」
「くっ!!??何度でも言ってやる!エル!お前本当に以前の戦いの時も遅れてきたろ??そのお陰で俺は何度一人で依頼をこなしてきたと思ってんだ??」
「いいか??ジェイク?男には美学というものとも必要なのだ!カッコイイ服、カッコイイ身だしなみそしてカッコイイ登場の仕方などetc…とにかくだな!!」
「ほぉ?それに関しては僕も同意見だね!エルザック君!?」
「うるせー!お前は黙ってろレイド!?」
◇
「はぁ…なんなのよ!この緊張感のない男どもは。」
シェリルが深いため息をつく。
そして俺に声をかけてくるシェリル。
「クロノ君?大丈夫??」
「あ…ああ…何とかな…でも今回は雷武も寝てたしやばかったな…あれ?羽根が…消えてるし…そうか…俺いつの間にか戻ってたんだな。」
するとシェリルは腕を組み考える。
「クロノ君とラブラちゃんの同種の血…そしてクロノ君に宿る力…魔神雷武の力…これはまだまだクロノ君を研究する必要がありそうね。ブツブツ。」
シェリルはそのまま一人何か考え始めていた。
すると。
「あの………。」
俺に声をかけてきたのはアルテリオのBOSSリオだった。
「怪我は大丈夫ですか??」
「ん?ああ!大丈夫だぜ!それより…お前が助かって良かったな!」
その時。
キュンっ!!っとどこからともなく聞こえてくるなにかの音。
「あ…ああっ!!」
ふらふらと身体をふらつかせるリオ。
俺はふとリオを抱きとめる。
「えっ??」
「ん?どうした??大丈夫か?」
「い…いえ…。」
顔を赤らめさせるリオ。
「おっにいちゃーーーーんっ!!」
「クロノーーーーーっ!!??」
ドカッと俺の後方から衝撃が走る!!
「うがっ!!??」
俺は衝撃に押し倒される。
すると背中に乗っていたのはカラーウルフとフェリスだった。
「お…お前ら……」
「お兄ちゃん!サキノも褒めてぇ!!」
「クロノ!リオちゃんに何してるの??」
「えっ!?いや俺はなにも…」
俺を言葉責めにする二人。
すると。
「リオ…お嬢様………。」
俺とリオの後ろから突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ん?」
「えっ??」
リオが振り返るとそこに立っていたのは。
「ベルーガ!!??」
「お!おっさん!」
そこには俺達がこの世から去ったと思っていた人間…ベルーガさんがたっていたんだ。
「お…お嬢様……ご無事で良かった。」
「ベルーガ!!」
二人は抱きしめ合う。
本当に良かった。
ベルーガさんが生きていたのだ。
俺はちょっと涙ぐんでると。
ジェイクと喧嘩をしていたエルザックがやってくる。
「あーっはっはっは!どうですか?お嬢様!僕はいい仕事をしたでしょう??」
「えっ?どういう事??」
「ええ…地中より中々出て来れなかった僕達はこの地中から様子を伺っていたのです…するとベルーガさんのピンチを感じ。僕達はベルーガさんをいち早く爆発と共に地中へと引きずり込んだのです。」
「そ…そう?よくやってくれたわ!エルザック!」
「でしょう?お嬢様!もっと褒めていいんですよ?」
あ!コイツって実はこんなヤツだったのか。
俺はそう思いながらもついにやけてしまう。
「クロノ!?聞いてるの??」
「お兄ちゃん!ほらほら!サキノも褒めてってば!!」
「エルザック!てめーはおせーんだ!!」
「ははっ!そんな事なあるまい!ねぇ?お嬢様!??」
「やめんか!?二人とも!!!??」
「「ひぃーーーーっ!!?ベルーガさん!すんません!!」」
「あはは!」
「お?そんな笑顔もするんだな?リオ?」
「えっ??クロノさん…本当にありがとう!」
リオは俺の方を振り向くと。
とびきりの笑顔を見せる。
「クロノさん!私だって!楽しい時は笑いますよ!」
その笑顔はこの夕日をより美しくするのだった。
◇
◇
◇
だがこの時…新たな何者かが近づいている事は俺達はまだ知る由もなかった。
お読みくださりありがとうございました。