アメリスアード世界編シーン40
リオの窮地に間に合ったクロノ達。
だがペルーガは奇しくもペリオットの力に。
「ベルーガーーーーーーーっ!!??いやーーーーーーーーーっ!!!!!」
リオの叫び声が辺りに響き渡り…そして。
辺りは静寂へと変わっていく。
リオを逃がし…そして……ベルーガさんは。
すると。
ペリオットは笑い出す。
「ふぅ~~~やれやれ…あのバカせっかくリオを拘束したってのに、また捕えないといかないじゃないか…僕の花嫁を……」
「…るさない………私は貴方を………えっ??」
リオの肩に手を触れたのは。
「クロノ!!???」
「お兄ちゃん!!???」
カルマとサキノも俺の名を呼ぶ。
俺にはリオって子とリオを守って散ったベルーガさんの関係ってのは深くまでは分からない…でも…でも……これは許されない事だ!!!
「なんだお前は??」
「……俺が誰だっていいだろ??」
「なんだと??」
俺とペリオットの会話。
そしてリオは俺に声をかけてくる。
「貴方は??」
「俺はクロノ…この男が気にいらない…一人の男だよ。」
俺はペリオットに向かい歩き出す。
ペリオットは俺の事を鼻で笑って声をかけてくる。
「お前はジェイク達とは違う…殺し屋って訳では無さそうだな…頭が悪くてこの場に来てしまったその辺にいる一般人ってとこだな。」
「確かに俺は…今までバトルだってそんなにした事ないこの世界の人達から見たら弱い存在かもしれねー…でもな……………。」
「でも……なんだ?」
ペリオットのボムズラットがワラワラと足元に群がってくる。
「許せねーものは許せねーんだよ!!!!!」
俺は刀の柄を握る。
「ん?なんだそりゃ…刀身がねぇ武器か??そんなんじゃ俺をやれねーだろ??」
そしてリオも。
「ねぇ!貴方!!私の事はいいから逃げて!!」
「いいから!任せておけよ!」
「何がまかけておけだ…さぁ!ボムズラット!さっさと奴を破壊しろ!!??」
キィーーーッと鳴くと俺の足から登り始めるボムズラット。
「クロノ!!??」
「お兄ちゃん!!??」
二人も心配そうな顔をしている。
そして俺の身体に何かが入り込んでくる。
「う……うぉぉぉーーーーーーっ!!!!!」
俺の闘気が身体中に周ってくる。
身体から手足の指一本一本までその力が周ってくるのが分かる。
俺の闘気が内部まで落ち着いていく。
すると焦ったようなペリオットの表情は止む。
「焦らせやがって…何だったんだあのバカでかい闘気は…まあいい!そんなのは僕の爆弾には関係ないのだから!!!喰らえ!!!」
ペリオットはその闘気をボムズラットに加えそしてボムズラットは発光していく。
「クラッシャーボム!!!!!」
ドガドガドガーーーーーーーーンっと恐ろしい程の爆発!!!
そして辺りには爆風が吹き荒れる!!!
俺は立ち尽くす。
俺の中に流れ込んできた何か。
それは…この時もちろん…誰にも分からなかった。
◇
◇
◇
『クロノ…僕だよ?ラブラだよ?』
(ああ…聞こえてるぜ??)
『アンタ…キレるとこっちの世界…精神の世界の声が聞こえるのね?』
(そうみたいだ…わりぃラブラ…雷武はまだ起きねぇのか??)
『うーん…それが私にもまだ分からなくてさ…』
(そうか?俺な…久しぶりにここまでキレちまった…だけど雷武が寝てるって言われた俺は今は力がない…でもな。)
『ん??』
(どうしてもアイツは許せねぇ!!!!!)
『お……おお……アンタのその闘気は…分かった。』
(ん??力貸してくれるのか??)
『うん!そうよ!アンタがそれ程の闘気を持ってるなら……寝てる雷武ちゃんをも使えるかもね?』
(ん?それってどういう事だ??)
『アンタの敵になるあの男はかなりの魔神具の使い手よ…今の雷武ちゃんとアンタが戦った所で勝てなかったかも知れないわ…それくらいの相手なのよ。』
(ああ…そうかも知れねー…でも……アイツは!!アイツだけは……許せねぇ。)
俺の中から更なる力が溢れてくる。
そして。
ラブラは俺の額に指をあててくる。
(ん?えっ??)
「アンタは私の血をひいてるんだからね!だから。」
ラブラは俺の中にすぅっと消えていく。
その時…俺の心の中には更なる力が湧いてくる気がしたんだ。
◇
◇
◇
そして時は巻き戻る。
「くくく……どんな奴が来ようがこの僕の敵では無い!!!??さぁ…奴の肉片でも見てやるか。」
ペリオットはこちらへ近づいてくる。
「んん??どうだ??誰も…綺麗に肉片もなくなったか??」
「くっ!!??ペリオット!!彼まで。」
「泣くな泣くな!リオ!さっさとここ全部片づけるから…な?なぁ?????は???」
俺の手はペリオットの頭を掴む。
ペリオットの目に映ったのは。
ドラゴンと同化した。
竜人の俺の姿だったんだ。
◇
◇
◇
遂にクロノは雷武との融合を果たす。
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