アメリスアード世界編シーン38
リオのピンチに駆けつける一行。
どうなる!?
リオとペリオットの戦い。
そして、父レギオンの最後の話を聞かされるリオ。
「くっ!?それが本当なら。」
「なら、なんだ??」
「私は貴方を!!絶対に許さない!!??」
リオはカードを再び取り出し構える。
「ククッ!いいねぇ…怒りに満ちたその表情…可愛らしさと怒るその表情の変化…どれをとっても今まで出会った女にはなかったとても美しく可愛い表情だ…僕は君に恋をしそうだよ?」
「何を言ってる!?化け物め!!」
「そうそう…そしてその表情が苦痛に歪む顔も……見てみたい……。」
すると。
リオの足元から一匹の爆弾を咥えたネズミが、這い上がってくる。
「えっ!?いつの間に!!??」
「ククッ…さぁいくよ。」
ボンッとリオの足元で爆発する一匹のネズミ。
「キャッ!!!??ああっ!!??」
爆発によりリオの太ももの肉は、軽く吹き飛ぶ。
足を抑え、その場に沈むリオ。
「はっ!!ああっ!!??」
その苦痛の表情を見たペリオットは、ニヤリと笑みを浮かべる。
「どうだい??痛いかい??そうだろうなぁ…でもそれくらいならちゃあんと生きていられるから安心してなぁ。」
ヘラヘラと笑いながら言い放つペリオット。
受けたキズが痛み、ぷるぷるとしか立つことの出来ないリオは、やっとの思いで立ち上がる。
「へぇ…そういう強さはさすが父譲りってやつかァ…」
「くっ!?うるさい!貴方には関係ないわ!」
「ほほう…お!いい案を思いついたのだが…聞くか??」
ニタニタと笑いながらそんな事を突然言い出すペリオット。
「なによ??貴方は一体何がしたいの??」
「ああ…じゃあ僕の提案を話すとしよう。」
「…………………………。」
「僕を君の夫として迎えそしてその全権をこの僕にくれよ?」
「は??何を言って……」
「どうだい??悪い提案ではないだろう??僕もそろそろこの殺し屋家業ってのも疲れてきたからこの街の全権をしきり僕がこの街の帝王となろうじゃないか??そしてお前はこの俺の……妻だ。」
ニヤリと笑ったペリオット。
その狂気じみた笑みに、リオは更に恐怖を感じたのだ。
◇
◇
◇
「さぁ?どうだい??この提案悪くはないだろう??リオ??」
「勝手に私の名前を気安く呼ばないで!!」
「ククッ!そう言うなよ?これから僕の妻として僕を愛していけばいいだけさ!」
ペリオットはそういうと…いつの間にかリオの傍まで来ていたのだ。
「!!??」
リオは驚き固まるも…ふぅっと深く息を吐く。
「ふぅーーーっ…そうね…ペリオット…確かに貴方の提案悪くないかも。」
微笑むリオ。
更に髪を撫でていくペリオットは、リオの唇を奪おうと抱き寄せる。
すると突然ペリオットは動けなくなる。
「!!??なにっ!!??一体これは!?一体何をした?」
「どう??かかったわね!ペリオット!!貴方はもう私のスクエルのテリトリー内に入ったわ!」
すると、さささーっとペリオットの身体を這い上がるスクエル。
「ぬ??僕の身体によじ登ってきたが…またトランプ遊びでもするつもりか??」
「クスクス…そんなやわなものではないわ。さぁ…スクエル…シャッフルっ!!」
パラパラとスクエルの頭上でカードは軽やかにきられていく。
そして。
「カードは……JACK!!!」
するとスクエルは騎士の姿へとその姿を変えていく。
「なんだと!?それがカードの力なのか!?」
「そう…そして…騎士は貴方を…斬る。」
ズシャッ!!!
騎士の剣はペリオットの頭上より振り下ろされる。
そしてペリオットを斬ったかに見えた!!
リオも勝利を感じたかに見えたのだが。
その時。
ボンッ!!!!!っと鋭い音を立て爆発する騎士の剣。
そして空を斬る騎士の剣。
カランカランっと音を立て折れた刃は地に転がる。
「えっ!!??」
リオはその現実に驚きの表情へと変わる。
驚きに震え出すその身体。
そして痛み出す足の傷。
「くっ!!??」
「ククク……並の奴なら確かにお前の攻撃もきくだろうな…ただ…相手がやはり悪かった…この僕が何者かは知ってるよな?」
リオを見るペリオットのその目は弱者を哀れむ目。
そしてリオは自分の力が届かなかった事に。
絶望を感じたのだ。
「さぁ…そろそろ覚悟を決めな…お前は俺には勝てない。」
リオに近づいていくペリオット。
リオは只々…震えるしかなかったのだ。
その時。
ガッフガッフと遠くから何かの声がする。
(これ…は!?)
リオは零れていた涙を拭きもせず、そちらをゆっくりと振り向く。
「リオーーーーーーーーーーっ!!!!!」
その猛然とこちらに向かってくるその姿は。
「ベルーガ!!!!!?????」
◇
◇
◇
リオのピンチに現れたのは。
ベルーガ!そして我らがクロノ達だった。
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