アメリスアード世界編シーン36
アステリオの現BOSSリオに近づくペリオット。
そしてBOSS救出へ向かうクロノ達。
アステリオのBOSS『リオ』はこの男。
裏社会のヒットマンで名高い『ペリオッド』に狂気を感じる。
「ククク………。」
「くっ…ペリオッド………貴方……。」
そして。
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ガッフガッフ!!
走るベルーガさんは、気がついたかの様に口を開く。
「BOSSの正体を組の誰もが知らない事はジェイク…お前達も知らない事だ…そしてBOSSを知る物は組織でもこの側近の俺だけだ…その事は知っているな?」
「はい……それはどう言う事ですか?」
「ああ…こうなってしまったからにはお前達を信頼して話す。だが口外はしないでくれ。」
「分かりました!ベルーガさん。」
ジェイクがそう言うと、ベルーガさんは走りながらも口を開くのだった。
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「実は……我が元BOSS『レギオン』は、もう……この世にはいないのだ。」
「「なにっ!!!???」」
俺達は口を空け、ベルーガさんの言葉を待つ。
「ジェイク……お前がアルテリオを離れて、もう三年か……あの時。」
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「えっ!!??どういう事なんだ!!??アステリオのダブルガン……エルザックとジェイクがやられただと!!??」
「ああ……エルザックは何とかボロボロになりながらも帰っきて今集中治療室で生死の境を彷徨っている…だが……ジェイクは……。」
「なにっ!!??消息不明か。くっ!!??」
俺は、お前ら二人がやられてしまった事に動揺してしまった。
元々…我がBOSSと面識があるのは組織でも…この俺だけだった。
だが、その時はBOSSは確実にまだ生きていたのだ。
BOSSは元々武闘派では、なかった。
この国アメリスアードは、自由国家でもある。
その為に、どうしても犯罪の後が絶たない国でもあるのだ。
そこで元々魔神の力を持つBOSSはその力を使いアステリオを立ち上げ、そして犯罪の無くならないこの国を裏社会から治安維持をしようとしていたのだ。
今ではそのBOSSの意志を知り動いているのはその意志を継いだ現BOSSと、この俺だけになってしまった。
ところがアステリオを良く思わない組織も確実に存在するのだ。
麻薬から武器、そして魔神薬などを高額でばら撒き資金源にしている組織が大半だ。
それを我がアステリオは、食い止める為に動いてるのだ。
闇の組織からすれば狙われても当然と言えば当然なのだ。
そして起こったのがアステリオに面を向かって対抗していた組織『エクステリア』なのだ。
エクステリアに「爆弾魔ペリオッド」は雇われBOSSを狙いそしてお前、ジェイクとエルザックがその犠牲となってしまったという訳だ。
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「……………………………。」
「続けるぞ?」
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そして、お前達が負けた後。
エクステリアはアステリオに総攻撃をかけてきた。
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今のBOSSの名は『リオ』前BOSSの忘れ形見だ。
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「BOSS…いや『リオ』よ…どうする!?もはや俺達のよりすぐりの仲間たちもペリオッドの餌食と消えてしまった。」
『リオ』は目を閉じ俺の話を聞いていた。
そして目を開けその口を開いたのだ。
「ベルーガ…お前は最後までこの私の親友であってくれた…礼を言う。」
「『レギオン』…やめろ!お前らしくもないぞ!」
「いや…私はこの命…アステリオを立ち上げた時からいつでも覚悟は決めて戦ってきた…今更の話ではあるのだ…だが。」
「ん?なんだ?だが…とは!?」
『レギオン』はニコりと微笑み続けたのだ。
「だが…この私にも一人娘がいる。」
「ああ…『リオ』の事か?」
「ああ……そうだ………アステリオとは全く関係のない世界で暮らしているあの子に…一度だけ会いたいものだな。」
「なんだ?お前らしくもない…生きて会いに…いけばいいじゃないか?」
「ふぅ…ここまでなった以上…私があの子に会うって事は…その行動であの子を危険な世界に巻き込むという事…それは無理な話だ。」
「でもお前は。」
『レギオン』はきりりとその表情を変える。
「そうだな、私に何かおきたら…その時は…あの子を支えてやって欲しい!!!頼む。」
「レギオン………。」
そして…この後……BOSSは我々……そして娘の『リオ』を残し……。
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◇
◇
……男はレギオンと俺の話に割って入るように姿を現したのだ。
「…………………!?ペリオッド。」
「クク……いいね!その表情…僕の登場に直ぐに反応してくれるとは。」
「ベルーガ……逃げろ!!」
ドンッと俺の身体はいつの間にか…建物内から窓を割り外へと飛ばされていた!!
そして俺の耳に聞こえたのは。
「『リオ』を頼む。」
BOSSの最後の言葉はその言葉だった。
そして俺は急ぎ戻ったが…そこには誰の姿も無かったのだ。
◇
それから俺は『レギオン』の言葉通り『リオ』を探しだし全てを伝えたのだ。
すると『リオ』から『レギオン』の意志を継ぎたい…との言葉。
それから我々は『リオ』を主体としアルテリオを守る決意…そして俺は『リオ』を守ると決めたのだ。
◇
「BOSS……そんな事が俺の知らないうちに起きていたのか。」
「ああ…そして全ては娘の『リオ』に託されたのだ。」
俺達は話を聞き、誰も口をひらかなかった。
それは皆きっと何かしらの思いを心に秘めたのだろう。
◇
◇
◇
リオ?とペルーガの過去。
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