アメリスアード世界編シーン34
ボス救出に向かうクロノ達。
俺達は、アステリオのBOSS救出へと同行する。
これは仲間であるジェイクの為。
そして、このアステリオのBOSSからは組織のBOSSらしからぬ空気を…俺達は感じ取っていたんだ。
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アメリスアードの貧困街を走る俺達。
先頭はBOSSの匂いを辿る熊の獣人ベルーガさん。
その獰猛極まりない風貌と、恐ろしい程の威圧感に道行く人達も道を譲る。
「ガッフガッフ!!オラオラーーーっ!!BOSS救出へいざゆかん!!!」
ベルーガさんが先頭を走る以上…俺達はどうやら無事にBOSSの居場所まで辿り着けそうだ。
「ベルーガさん!BOSS救出手伝ってくれてありがとう!」
「フン!俺にとってのBOSSの存在も大切なものだ!これは当然だ…我が組織はお前が想像しているよりも遥かに大きいのだ…その組織のBOSSの危機だ。この国をあげても犯人である『ペリオッド』を始末するしかないのだ。これがどういう事か分かるか??ジェイク?」
「はい。それほどまでに組織が大きくそしてアメリスアードにとっても重要な組織なのかという事は、今なら痛い程分かります。」
「それならいい…どころで…。」
そう言いながら、ため息をつくベルーガさん。
その原因とは。
「やっふーーーぃ!!早い!はやーい!!」
そう……それはベルーガさんのその姿に感動したサキノが背中に乗り、はしゃいでいるのである。
「おい!サキノ!あんまり暴れるなよ!ベルーガさんがため息ついてんぞ??」
「なぁにぃ??クロノお兄ちゃんも乗りたいのぉ??」
「そーゆー事を言ってるんじゃない!の…乗ってみたい気は……する!!」
「うはぁぁぁ!!お兄ちゃんもノリノリだぁぁぁっ!!」
すると隣からフェリスの変化した絨毯にのるカルマが、声をかけてくる。
「もう!二人ともそんなにはしゃいじゃダメよ!これは大切な任務なのよ!」
「いや!ベルーガさんがあまりにも早くて追いかけるのがこっちは必死なんだよ!!」
「三人ともちょっと黙ってなさい!私が集中出来ないでしょ??」
俺たちの上空から声をかけてきてるのは、プテラに乗り上空から追うシェリルの姿。
「くっ!?どうして俺達は走ってるんだよ??」
「文句を言うなら来なくていいぞ?クロノ?」
そこへアースドラゴンに乗るジェイクの声。
「な!?ジェイク!?俺だけが走ってるじゃねぇか??」
「フン!お前なら奴を使えると俺は思ってるけどな?」
「は??くっそ!!おい!雷武!!??おい!」
すると寝てるかのように沈黙している…雷武。
「雷武!!!!!!」
俺の叫びに反応したのは。
「ふわぁぁぁーーーーーっ!!」
「なっ!?ラブラか??雷武はどうした??」
「えっ??雷武ちゃん??あの子は今…」
「うん!どうした?」
「今……深い眠りに落ちちゃってるの!!」
「は?」
「だからぁ!眠りにね??」
「これから戦わなきゃいけないっつーのにどうすりゃいいんだ??」
俺はラブラに問いかける。
「うん…そうねぇ…。よし!じゃあこの勇者ラブラちゃんがアンタにとっておきの力をあげるわ!!」
「ん?なんだそれ??」
「いーから!いーからーっ!?」
俺たちがそんな話をしている側では。
「ガッフ!コイツらが新しいお前の仲間達なんだな?ジェイク?」
「ああ!皆、いいヤツら…なんだぜ??」
「ふふ…違いない!さぁ!BOSSの所まではそんなに遠くないぞ!!続け!!」
「ああ!!」
こうして俺達は、アステリオのBOSS救出への道をひたすら走ったんだ。
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ところ変わり。
ここは、とある建物内。
「ククク……まさか、あのアステリオのBOSSの正体がこんなガキだったとはな……。」
「くっ!?貴様……どこでこの私の正体を知ったのだ??」
「フン!俺の生業を知ってるだろ??俺は仕事の為ならどんな手だって使ってやる。例えそれがお前の大切な仲間を口を割らせる為に…殺した…としてもな。」
「なにっ!!??」
「ふぅーん…そう怖い顔をするな!せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」
男はニヤリと笑い続ける。
「さぁ…BOSS…いや…名前は『リオ』だったな…アステリオのBOSSがこんなガキだったとはな!?お前はあのアステリオをどうしようと?そして目的な一体何者なんだ??」
リオはじっと耐える。
「ほう…:では聞く…元BOSSが死んでいた事をなぜ世に広めていない…そしてお前は何故その跡を…継いだ??」
男はBOSSにそう問いかける。
「き、貴様にそれを答える必要は……ない。」
「ほぉ??この俺に反抗するとはその気位は買ってやるとしよう…だが…いつまでもそんな態度なら。」
男の懐からは小型の爆弾が取り出される。
そして…どこからともなく出てきたのは一匹の鼠。
ネズミは『ペリオッド』の腕にするすると昇っていく。そして『彼』の爆弾を咥えると。
リオに向かい飛び上がる。
「えっ!!??」
ボンッ!!!!!
リオが顔をしかめると…軽い爆発をおこしネズミは消え去ったのだ。
「ま…魔神!!??」
男はニヤリと微笑んだ。
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BOSSであるリオを拘束し脅す爆弾魔ペリオッド。
果たして皆は間に合うのか!?
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