アメリスアード世界編シーン27
エルザックの脅威を感じる一行。
強い奴を倒す術はあるのか!?
ジェイク視点
「ジェイクーーー!!??」
辺りにシェリルの俺を呼ぶ声が、響き渡る。
次第に、シェリル以外の仲間達の声も聞こえてくる。
「ジェイク!!??」
「ジェイクーーーっ!!??」
あれは??
サキノか…良かったぜ。
助け出してくれたんだな…皆。
「ん?ほぅ……あの娘は…って事は、奴らは全滅でもしたか。」
「ん?ああ!お前の仲間たちは、もう皆寝てるぜ!?サキノを虐めたお前は覚悟しろよ!?」
俺の声に、鼻を鳴らすエルザック。
「フン!アイツはジェイクを誘き寄せるためだけの手段だ…こうしてジェイクが来ただけで用済みだ。」
「おい!エルザック!てめぇは俺の仲間をこうして傷つけてる事忘れるんじゃねぇよ!?」
「フン!何が仲間だ?ジェイクをこんなに弱くしてしまった奴らを仲間だと!?」
エルザックのその赤い瞳は鋭く輝く。
「エルザック…。」
「ジェイクはかつての僕の相棒…組織のナンバーワンを争い…だが…時には大切な友として切磋琢磨してきたのだ…だがあのクソ野郎に僕達は負けて…。」
「エル…………。」
俺の口から出た奴の名を呼ぶ愛称に反応するエルザック。
「ジェイク!!??そうだ!僕は君の相棒のエルさ!!!」
「エル…確かに俺はお前を背中に戦いを続けていた……だが奴に負けて…なんかな。」
この時…俺の心はスッキリ変わったように思えたんだ。
「俺さ!それまではずっと…自分の生い立ちを呪って自分の強さだけを信じて…全てを壊す事が俺の生きる術だった…だけどコイツらに出会って俺は…心から笑えるようになったんだぜ??」
俺はこの時、心からの笑顔を向けた気がした。
きっとこんな俺の笑顔は…奴は見た事がなかったと思う。
だがこの時…。
クロノ視点
俺達は、ジェイクの笑顔を見たと思う。
そう…きっと奴…エルザックもその笑顔を見たであろう。
するとエルザックの表情は変わる。
「ふふ…ふふふ……あーっハッハッハ!!!」
「エル………。」
「何?何??何なんだ??そのお友達ごっこは!!??おかしいんじゃないのか???」
「エルザック!!??」
するとエルザックの表情は一変し…身体に土色の闘気が立ち昇る。
そして。
「さぁ…出てこいよ魔神…『バラコンダ』!!」
ガチャリとエルザックはライフルを取り出す。
ドシューーーーーッ!!っと言う音と共にエルザックの背後に巨大な蛇アナコンダが姿を現す。
…コイツが魔神『バラコンダ』なのか。
「ふふふ…ジェイク?ここからは強行突破だよ?」
「なにっ!!??」
「バラコンダ……君の力でジェイクを自分達の仲間に誘惑してる奴らを始末するぞ!!??」
すると…バラコンダはぐぉぉぉーーーっと口を大きく開く。
その口の端から滴る毒液。
毒液はポタリと落ちると煙をたて地は溶ける。
「なんだ!?アイツの唾液?毒液は…『酸』なのか??」
俺の言葉にエルザックは笑い出す。
「ふふふ…よーく分かったね?僕のバラコンダの毒は猛毒…でもあり『強酸』でもある。よって貴様らはバラコンダの毒に触れた瞬間…死ぬのだ。」
バラコンダは暴れ出すと…エルザックはライフルを構える。
「さぁ!初めはやつだ!!いけ!」
バラコンダが俺に襲いかかってくる!!
ぐえええええーーーーーーーっ!!??っと咆哮を上げバラコンダは襲いかかってくる。
「お兄ちゃんーー!?」
「クロノ!!!??」
俺は、よく考えるとまだ魔神である雷武はちいせぇままだ!!??
ズサッっと俺は蹴りだし…エルザックに向かう。
「ふん!無駄だって…僕の攻撃は蛇…熱を感知してどこまでも君を追う。」
「くっ!!?こいつしつけーな!!??」
俺の左右からバラコンダが攻撃を仕掛けてくる。
なんとか体勢を整えながら必死にかわしていく。
すると突然目の前の地面が揺れる。
「ん?なにっ!!??」
ドサアアアーーーーーーーッ!!と地面の底から俺の目の前にその巨大な姿を現す、バラコンダの姿。
「バラコンダ!!??」
「ふふ!逃げれないって言ったよな??」
するとバラコンダの毒液は、ボタリと俺の左腕にかかる。
「ぐっ!!??」
シューッという音と共に腕に灼ける様な熱さと痛みを感じる。
「クロノ!!??」
カルマの声と俺に向かってくるその姿。
「カルマ!!くるな!!!」
「クロノ!!??」
「大丈夫だ!これくらい!!」
すると笑い出すエルザック。
「ふふ…やっぱり君達は本当に面白いね!?」
「エルザック?なんだと!?」
俺のその声にエルザックは、首を振りながら口を開く。
「本当にお友達ごっこが好きなようだね?ダメ!全然ダメだよ?」
「…………………」
「いいかい?今みたいな時は君を囮にして他の奴らで僕を攻撃するんだよ??分かるかい?」
「エル………。」
「任務の為、目的の為なら多少の犠牲は仕方ないんだ??そうして僕はここまで強くなったんだ!!それが分からない君達は僕には。」
バラコンダは頭を垂れ俺達を凝視する。
「勝てない……さぁ、、、全員に死を。」
◇
◇
◇
エルザックのその赤い眼は鋭く輝く。
はたしてどうなる!?
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