アメリスアード世界編シーン25
サキノはなんとか無事救い出された。
そして。
俺達は、サキノを救えた。
怒るカラーウルフが放った炎は、敵を一瞬で倒してしまったのだ。
だが。
「お兄ちゃん!?」
「おう!しかしサキノは、すっげぇな!」
「えっ??お兄ちゃん?」
「よしよし!よく頑張ったな!?」
「ふぇ……お兄ちゃんっ!?」
俺に飛びついてくるサキノをなだめる。
するとそこへ登場するカルマ。
「ふん!まあいいわ!今回はサキノちゃんが頑張ったから許してあげるわ!」
◇
◇
◇
そんな俺達は、サキノを加えジェイクの元へと急ぐ。
きっとジェイクはあの敵と一人戦っているはずだ。
そして…ジェイクの元へ向かう中。
シェリルはジェイクの事を話してくれたんだ。
「ジェイクの事なんだけどね。」
「ああ……。」
「あれは…三年前……私はレイドと二人、あのマジェスト協会をはじめたばかりだったの。」
◇
◇
◇
あの時は、ここのマジェスト協会はヤシュア様がいらしていて設立をしようとしていた時の事。
「さぁ…もうすぐじゃの…シェリル。」
「ええ!ヤシュア様がここまで手を貸してくださったお陰で、もうすぐ堂々とこのマジェスト協会も世の中に公表していけそうですね?」
「はっはっは!レイドも頑張ってくれとるしシェリルも今はマジェストとしても立派にやれとる。ワシも、もう安心じゃよ?いずれは。」
私とヤシュア様がそんな話をしていると。
「ヤシュア様!?シェリル!!??」
突然レイドが焦り声で私たちをよぶ。
「どうしたの??レイド?」
「表に傷だらけの…この男が倒れていたんだ!!」
レイドが担いできた傷だらけのその男。
例えるなら巨大な魔物にでも襲われたかの様な深い傷をおっているようだ。
「急いで医務室へ!!」
私の声に頷くレイドは医務室へと男を運んだの。
◇
◇
◇
その傷だらけの男は余りにも酷い有様で…実はどうなるかその時は生死もどうなるか、分からなかった。
絶対安静のジェイクが目を覚ましたのは、それから一週間程たった頃だった。
「はっ!!??」
ジェイクは目を大きく見開くとガバッと上半身を起こす。
「うぐっ!!??」
「えっ!!??」
目を覚ましたジェイクと目を合わせた私は、彼に取り付けていた装置を見ていた時だった。
「ちょっと!貴方バカなの??」
「は??なんだ貴様は!?」
「はぁ??助けた私にそんな口を聞く気なの??ほんっとにバカなの??」
「助けた……この俺をか??」
「そうよ……まあ正確にはうちのお節介が玄関先で倒れてたアンタを運んできたんだけどね?」
「俺を……すまない……ここはどこだ??」
私はふぅっと溜息をつき椅子に座る。
「いい?ここは世界の誇れるマジェストの為のマジェスト協会よ?って言っても魔神が見えなければ言っても分からないけどね?」
私はこの男にマジェストの力があるとは思えなかったの。
すると。
男はポケットに手を入れると何かを取り出す。
「えっ!?それって??」
「ああ…こいつは正真正銘『魔神具』だ。どういった訳で俺がここに倒れてたかは分かってないが…どうやらコイツにここにくるよう導かれたのかもな。」
「貴方は…?」
「俺はジェイク…とある組織に飼われていた殺し屋だ。」
「組織?」
「ああ…俺は組織の特別な仕事を任されてた…だが…あの時確かに俺は負けちまったんだ。そして殺されたハズだったんだが。」
ジェイクは私を見つめる。
「どうやらお前に救われたらしいな。」
「わ、私はシェリル!このマジェスト協会のブレーンよ。そしてここには。」
ガタンっと、いう音を部屋の奥から聞こえる。
「いってて…あ!ああ!君はジェイクだね?僕はレイド!よろしく!」
「はぁ…やっぱり聞いていたのねレイド。」
「い、いや、僕もやっぱりここへ運んだ責任ってモノもあるじゃないか??」
レイドはポリポリと顔を赤らめ顔をかいている。
「あ!ねぇ!貴方!マジェストだもんね!」
「あ…ああ…確かにマジェストだが。」
「うんうん!そうよね!あのね!私達ここでマジェスト協会っていうのを始めたのよ!私達の魔神の力を使ってこの世界を守ろう!っていうものなんだけどね?」
「ああ。」
「私達の仲間としてここで働かない??」
「んん…は???」
「うそっ!?やったわ!!凄いわよ!レイド!!!仲間が三人に増えたわよ!!」
「お、おい!俺は、まだやるなんて言ってねーぞ??」
「おおっ!?やったな!シェリル!?これは始まって早々嬉しい事だね!?」
「でしょでしょ??ありがと!ジェイク!?」
二人は俺の前でめちゃくちゃはしゃいでいる。
「お、おい!お前ら!話を聞け!!!」
するとシェリルは指を一本立て俺の目の前に差し出す。
「おい!君!ジェイク君!」
「ん?なんだ??」
「君はさっき私の言葉に『んん』って答えたわよね??」
「は??何故そうなる??」
「ほらほらコレ見て〜〜〜!」
私はジェイクにレコーダーをチラつかせる。
ガチャッという音はシェリルが先程の俺の言葉を再生したようだ。
「私達の仲間として働かない??」
「んん。○×▷」
私は微笑みジェイクの顔を凝視する。
「ほら!ね??」
「はぁぁぁ…わあったよ。」
◇
◇
◇
こうして私達三人はマジェスト協会として一緒に過ごす事になったの。
◇
◇
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