最終章邪馬国編シーン75
ここは魔王ゼルドリスが完全に消滅した世界。
◇
私はサキノ……世界が救われた事で私達はとある場所に集合して…これから皆で祝賀会パーティーをする事に!
そして今その準備をしてるってわけ。
「あ!?サキノちゃん?不思議なんだけど怪物達の相手してるより、こういう催しものの準備の方が忙しいわね?」
「そうですか?私は楽しいけど?」
「あはは…私よりサキノちゃんの方がやっぱり素直で可愛いわね」
そう言ったシェリルお姉ちゃんはそれでも笑顔だったの。
すると…そこに来たのはあのジェイクとレイドさんの二人。
「よう!サキノ!俺たちも手伝うぜ!?」
「あはは…ありがとう!でも向こうでもほら!?ヨーロディアのマリアさんもアンナさんも手伝ってくれてますよ?こっちは大丈夫なのであっちを。」
そこにはヨーロディアの皆の姿。
そしてエンポリオさんはあのレオン君とソフィアちゃんと一緒に準備をしていたの。
そこには麒麟ちゃんもいて。
楽しそうに準備をしていたの。
「パパ!これどうすればいいの?」
「レオン?君はもう少し丁寧にしないと……」
「ねえねえパパーーー!ソフィアのも見てみて~!」
「あはは!ちょっと待ってえ!」
エンポリオさんが困惑する中、アンナさんが口を開く。
「ほらほら!ソフィアちゃんは私がみるわ!」
「あ、ありがとうアンナさん。」
「アンナあー!僕も僕もーーー!」
麒麟ちゃんも加わって盛り上がっている。
「全く……落ち着かない事。」
そうため息をつくマリアさんも笑顔だった。
するとそれを見ていたレイドさんが呟く。
「ああ…可愛い……ここは美女の楽園だなあ……さあどの子も可愛くて選べないんだけど。」
「あ……またかコイツ……おーい!シェリル?」
そう言ってシェリルお姉ちゃんを呼ぶジェイク。
ゴゴゴと怒りのシェリルお姉ちゃん。
次の瞬間………レイドさんは。
苦笑いする私が目を向けたのはチェンウォンのメンバーがいたの、ジオウさんもリーファさん達もいた。
するとそんなジオウ王子へ声をかけていたのはアキニー様達だったの。
もちろんエルザックさんの姿も。
国同士の国交をしていこうと話していたけど私にはまだ難しい。
でも三人は笑顔だった。
きっとこの国の建て直しも上手くいくと私は思ったの。
するとそこへリオちゃんと鉄星さんもいた。
エルザックさんはリオちゃんに色々言われていたけど彼も今はたじたじみたいだ。
鉄星さんとリオちゃんはいい関係なのかそこには笑顔の鉄鬼丸君もいて…私には幸せそうに見えたの。
そこへエルフ達も加わって賑やかに。
イシメールさんが踊りを見せ、キャーキャー騒ぐフェリシモちゃん、この二人も幸せそうだった。
すると。
そこへ現れたのはヤシュアおじいちゃん、朝明さん、ロンレイ様、ヨーロディアのユーロ様、なんとリオちゃんのパパ……レギオンさんも復活を果たしていたの。
皆……皆が幸せそうな笑顔の時間を過ごしている。
私は笑顔で準備をはじめ手を動かす。
するとヤシュアおじいちゃんがやってきたの。
「サキノ……酒はもう準備出来てるかの?」
「おじいちゃん!もお…飲みすぎないでよ?」
私はついつい口にだす。
「ほほほ……分かっとる…じゃが……サキノ……お前も、本当に成長したのお……いいお嫁さんになりそうじゃの?」
「もう?おじいちゃんってば!」
私の顔は火照り熱くなる。
すると。
「サキノーーーーーーーーーーーーっ!?」
「えっ!?テンテンちゃん!?」
扉を開いて入ってきたのはジオウさんとテンテンちゃんだった。
「お兄様!?もう……本当に遅いわ!?」
「はは……お嬢様、そう言ってやらないでください…ジオウ様はお忙しい身の上……」
そう言った従者に私は見覚えがあったの……。
「あれっ!?朝明さん?」
「おお…サキノ殿……お久しゅうございます。」
微笑み、そう声にしたのはあの朝明さん。
今は生き返りを果たした彼はあれからテンテンちゃんの従者になったみたい。
私は微笑む。
するとテンテンちゃんがやってくる。
「サキノ?私ね…今度マースと一緒に修行に出ようかって思ってるの」
「そうなんだ?あ、でもマースといい感じなんじゃないのお?」
「むう…まあ、クロノ様程ではないけどさ…私達も新しい恋しなきゃね?私も頑張るからサキノもだよ?私達はいつまでも親友だからね!」
「うん!そうだね。」
笑顔でそう返す私。
ふと…私は我に返り、視線をどこかに向けてしまう。
そこにはエルフィーナ様達とさっきまで話していた彼の姿がなかったの。
するとエルフの女王エルフィーナ様が皆の前で口を開く。
「皆さん…本日はこの世界が救われた事で開かれた祝賀会に私達エルフにもお声がけいただきありがとうございます……そしてこれまでの戦い…本当にお疲れ様でした……魔王ゼルドリスは勇者クロノ初め…皆さんのお力で消滅しました…。
そして再びこの地には平穏が訪れました……それに伴い……ここにいるヤシュア様初め……天命を終えた者達の復活という奇跡がこの地にもたらされました………これは推測ですが……クロノ様…そう…神のドラゴン……時竜の力で起こった事だと考えられます…皆様……彼は本当に勇者としてこの世界を救ってくれたのです……勇者クロノに感謝を。」
その声に私達は皆…。
皆の復活にはあの時竜となったクロノがこの奇跡を起こしたと告げる。
この世界で死した全ての者の復活。
これには誰もが涙を流した。
そう……本当は私も含め地上に存在していた全員が一度魔王ゼルドリスによって消えてしまっていたみたいなの。
時を操り最後の力を全世界へ放った時竜はもういない。
そして……全員がこの世界から消えたクロノとカルマを思い出す。
そして実感する。
二人は元の世界に帰ったのだと。
皆の心にはクロノが……クロノがいたの。
この時……皆それぞれ彼に対して何かを思っていたはず。
私の目には涙が……………。
すると……私の肩にそっと手が添えられる。
私の目に映るその姿。
帰ってきてくれたパパとママの優しい手が私に触れてくれてる。
そして、その隣には……私を支えてくれるあの人の優しい笑顔が。
私は…………………………………。
その胸で泣いたの。
でも…次第にそれは嬉し涙へと変わる。
クロノ……カルマお姉ちゃん……私…一人じゃないよ……もう大丈夫だよ。
◇
◇
◇
「さ、配信つけるか?」
俺の配信にはリスナー達からコメントの嵐。
『クロノおかえり!』
『お前マジすげえライブ配信だったぜ!?』
『ホントホント!!クロノの配信めっちゃバズってるぜ!?』
「へえ……そんなにか?」
俺は照れながらもそう返す。
ワイワイ俺にコメントをくれるリスナー達。
するとそこへ。
カルマからのコメントが届く。
『勇者クロノは……いつもは冴えないけど…ライブ配信がとても上手で……実際、傍で見ていると……本当にカッコよくて……私……今パパとママと幸せな生活できてるよ。クロノ本当にありがとう。』
「んな事ねえよ?良かったなカルマ。」
『ううん!!これからもドキドキする配信、期待してるよ?』
「ああ。」
「「うおおおおーーーーーーーーっ。」」
◇
俺はリスナー達の声に楽しい配信を終えた。
◇
◇
◇
あれから俺はカルマに誘われ会う事になった。
久しぶりの現代での女子とのデート……なのか?
俺は緊張に緊張を重ねていたんだ。
俺が指定された公園のベンチに座り待つ。
空は晴れ渡り青空が広がる。
「ふうぅぅぅ……すんげえ…いい天気だ。」
俺はじっと空を見ていた。
青い空に白い雲…アメリスアードでもあんな空見てねえな…シェリル達三人とリオ達に会って…喧嘩しながら戦ったっけな……ヨーロディアには空から移動して…そういや、麒麟は元気にしてっかな?…マリアとアンナ…エンポリオはあの子達の面倒も見てるんだろうな……ケニージアにはエンポリオの飛空艇…墜落したよな…あの時のイシメールの焦った顔……でも墜落なんてもう経験したくねえけど…そしてヘキサにも会って…サキノは目覚めてくれたよな…あの時は必死だったよな……そこからチェンウォンに行ってリーファとハオユー、ジオウとテンテン…激しい戦いがあったよな………ブラズールにはエルフもドワーフもいて…めっちゃファンタジーだったな……そして邪馬国か……色んな所旅したな……。
気がつくと俺は思い出を振り返っていた。
すると…空を眺めていた俺は。
「クロノ……クロノ!?」
「ん?……んん………………」
俺はいつしか空を見上げたまま……ベンチに横になり眠っていたんだ。
「あれ?」
「もぉーーーっ………」
ぷくっと頬を膨らまし俺の顔を覗き込んでい見ていたのは……黒髪ロングの美少女だったんだ。
「ん……んんっ!?か……カルマなのか!?」
すると彼女はニコリと微笑む。
「うーーーん……半分正解、半分ハズレ!」
「あ!?ああ!あかり……だったよな?」
「それも……半分ハズレ、半分正解!」
そう言った彼女。
その笑顔は何故か悪魔的に可愛いという。
「カルマって小悪魔だよな?」
「もう!クロノってば本当に女の子の気持ち分かってないよね?」
「うっせえなあ…そういうとこ可愛くないぜ?」
すると。
ふぅっとため息をつくカルマ。
「クロノ……本当にありがとう。」
「ん!?改まってどうした?」
「もう…茶化さないで……私……クロノにいっぱい助けて貰ったの…今はパパとママと幸せに暮らせてるの……」
「そっか……」
俺はそういうとカルマはモジモジしていたんだ。
「どうした?」
「クロノ…いつの間にか男の子に戻ってたんだね?」
「ん?」
俺はそう言われ気がつくと…この世界で目覚めた時…俺は元の姿戻っていたらしい。
きっとラブラはその役目を終えて消えていったのだろう。
するとカルマは俺の目をじっと見つめてくる。
「クロノ……私ね……あなたが……すき。」
俺は不覚にも彼女の言葉にドキドキしていた。
俺もその言葉に返そうと言葉を繋ぐ。
「俺も…カルマ……いや……あかり………俺もお前が……す…」
するとその時。
『クロノーーーーーーーーーっ!?』
俺達は上空を見上げる。
でも俺の目には何も見えない。
その時また声が聞こえる。
『クロノ!?お前……ライブ配信で告白するのか?』
それは俺のリスナーのコメントが耳に聞こえたんだ。
「えっ!?ええっ!?何が起きてる!?」
『クロノ!?お前のライブ配信、まだ終わってないぞ!?』
「「えええーーーーーーーーーーーっ!?」」
俺達は顔を見合わせる……さっきのお互いの言葉に恥ずかしさは二倍だ。
俺達はライブ配信したまま告白をしようとしていたのだ。
するとカルマは笑い俺の手を握る。
「カルマ!?」
「リスナーの皆!今日のクロノのライブ配信はテーマは告白……です!果たしてクロノの告白は成功するのか?最後まで楽しんでね?」
小悪魔的な表情でそう言葉にするあかり。
『『おおおーーーーーーーっ!これは面白い!!』』
『ホントホントーーー!!きゃーーー!クロノ!!あかりちゃんに素敵な告白するのよーーー!!』
俺は…ライブ配信者だ……リスナー達に楽しんでもらう為には………俺は覚悟を決める……。
『あかり!!俺と………………………………』
あかりは微笑み俺を見つめる。
俺はそんなあかりを…………。
するとその時……目の前の空間が歪む。
「なんだ!?」
「えっ!?クロノ?これってまさか!?」
「「異世界転移のゲート!!???」」
『『おおっ!?また異世界ライブ配信か!?』』
リスナー達の期待の声。
俺たちは顔を見合わせる。
俺は彼女の手を取り……そして。
俺のライブ配信はまだまだ続く……のかもしれない。
◇
◇
◇
fin
これまで沢山のご拝読、そして応援をありがとうございました。
皆様のおかげで全500話…100万文字越えという長編を終える事が出来ました。
しかし毎日更新は続けていきます。
明日朝投稿新作を是非お楽しみくださいませ。




