アメリスアード世界編シーン19
クロノはピルを巣食ってた敵を倒す。
そんな時、仲間であるレイドの元では。
俺は勇者ラブラに彼女との血の繋がりについて聞いていたのだ。
勿体ぶる勇者ラブラ。
俺だけではなく、皆…その話を真剣に聞いている。
「私とクロノちゃんはね…。」
「「うん。」」
「なんと!!」
「「うんうん!」」
「忘れちゃった〜!!」
思わず皆、力が抜ける。
「マジかよ!なんなんだよ!?」
「ごめんね〜!ってのは冗談でどこで誰が聞いてるか分からないし…こう言ったらなんだけど例えば…私の血を引いた新たな勇者現る!!なんて事が世界に知れたら君が…色んな意味で狙われるわよ。」
俺にビッと指さすラブラ。
「お、おう……確かにな。」
「そうでしょ?」
「まあな。」
「そう…私との関係がバレたら、魔王達が君を徹底的に潰しに来るって言うことよ?」
「お!おう…なるほど!そういう事か?」
「そうそう!だからそうなる前にクロノちゃんには、まだまだ…強くなってもらう必要があるのよ!」
するとシェリルも会話に参加してくる。
「コホン!確かにラブラ様の言う通り!そんな事が魔王達にバレでもしたら集団で君を襲ってくるでしょうね?」
「確かに…それはまずいな。」
「でしょ?もっともっと強くなってからじゃないと、とても魔王達相手に戦えないわ。」
確かに二人の意見は当然だった。
するとシェリルの無線にどこからともなく、声が入ってくる。
「ガガ…ピーッピーッ!!……こえる……か?」
「えっ!?この声は…。」
「ぼ!僕だ!!きこえるか?」
「えっ?レイド??」
「今!北区の○✕刑務所!応援にこれるなら…たの!!!」
そして無線は非情にも切れる。
ツーツー……。
俺達は、その無線の声に考えを膨らませる。
「クロノ君!皆もこれからレイド達の応援行くけど来てくれる??」
「おう!まかせろ!?」
「私達もいくわ!!ね?大丈夫?サキノちゃん!?」
「うん!!サキノもいくよ!」
こうして俺達はレイド達の応援へとこの街の北区という場所へと向かったのだった。
その頃。北区では。
◇
◇
◇
レイド視点
そこに立つ僕と目の前の敵。
「はぁっ!はぁっ!」
「ククク…お前…マジェスト協会本部の奴だろ?」
「そんな事は、どうでもいいだろ?それよりその子をさっさと離すんだ!」
「そうはいかねぇな!」
目の前の男は片手を上げると、男の仲間は少女をロープで吊るしあげて、さらに彼女の身体を上昇させる。
「くっ!?お前!卑怯だぞ!!」
「それがどうしたって言うんだ!?」
さらに仲間は彼女の服を引きちぎろうとしている。
「きゃーーーーーーつ!!??」
思わず少女は大声をあげる。
「止めろ!!その手を離すんだ!!??」
僕がそう声を上げると、男はピタリと服を引きちぎるのを止める。
「ほう?じゃぁ…お前はそこで大人しく……」
「してろ!!!」
男はバキッっと音を立て、僕の頬を思い切り殴りつける。
顔に気絶しそうな程の痛みを感じ、思わずクラっと目眩をおこす。
「くっ!?」
「はは!ははは!ハーッハッハッハ!どうだ?いてーだろ?」
すると…僕は思わず笑いが込み上げてくる。
「ぷっ!あはは!あははははは!」
「ん?なんだ?お前!急に笑いやがって!どうにもならなくて気でも狂ったか??」
「いやぁ…これから君を……。」
「レイドーーーーーっ!!??」
そこへ来たのは、先程連絡をしたシェリル達の姿。
そして後に続いて…クロノ、カルマ、サキノ、そしてシェリル。
何と、四人は僕の危機に来てくれたんだ。
「なんだ?お前達は??こいつの仲間か??」
男はそう言うとニヤリと笑う。
「お前の仲間…三人ともいい女じゃねぇか?俺のペットとして飼ってやるかな?」
「何言ってるの?」
「アイツ凄く気持ち悪いわ!!」
「サキノあの人きらーい!お兄ちゃん!」
「はっ!?んわっ!?」
クロノ君にしがみつくサキノちゃん。…するとサキノちゃんを、引き剥がそうとしているカルマさん。
「ははっ!僕の仲間達を君なんかに手は出させないよ?」
「ほう?言うようになったじゃねぇか?そんなにボロボロになってるのにな!!だが動くなよ!?動いたら…。」
男が少女を見た瞬間!!
奴は目を見開き、口をぽっかり開けてしまう。
「はは!残念だったな、卑怯ものが!!」
俺の元には、男が何かを叫んでるすきに助け出した少女がいる。
「残念だったわね!さぁ!これで遠慮は要らないわ!片付けていいわよ!レイド!?」
シェリルが僕に声をかけてくれる。
「ふふ。仲間っていいな…。」
僕は槍を構える。
「ウォータースピア!!!いでよ!『ウォーターメガロ』。」
すると次の瞬間…レイドの槍先から大量の水が噴き出していく…超水圧のかかった水の放出!!!
それはある一点に向けて放出していたんだ。
すると…徐々に水が何かの形を現していく。
「あれは!?」
「そう。あれがレイドの魔神『ウォーターメガロ』太古のサメ『メガロドン』ね。」
ウォーターメガロはその凶悪そうな目で、敵を見据えている。
「あ!あああ…………。」
敵はガタガタ震え出す。
「や、や…………」
男達はその空を泳ぎながら自分達を狙う空中のサメに恐怖を感じたのだろう…慌てて逃げ出し始める。
すると、レイドは笑みを浮かべる。
「僕はね…基本的には滅多に怒る事はないんだ…冷静でいる事が僕の美学なんでね…但し…汚い相手には…容赦しない。」
レイドは槍を構える。
槍から発した水より現れしメガロドンは宙に浮く大量の水の中で敵を狙う。
「GOメガロ。」
「ぐぎぁーーーーーーーーーーーっ!!!」
僕が合図を送ると敵は断末魔と共にメガロドンに喰われ姿を消したのだった。
◇
◇
◇
遂にレイドの魔神『ウォーターメガロ』登場!!
そして。
お読み下さりありがとうございました!