最終章邪馬国編シーン63
俺は月への道をいく。
目指すは魔王ゼルドリスだ。
かぐやが導くこの道……俺は光の道を行く。
すると後ろから俺に声をかけてきた人物がいた。
「クロノ……クロノ………。」
俺が振り返ると、そこにいたのはカルマだった。
「カルマ………………」
「クロノ……本当にここまで色々な事があったね……でもここまで私を連れてきてくれて…本当にありがとう。」
「ああ…約束したしな…それに俺もここまで来れたから本当の自分ってのも知れたんだぜ?気にしなくていいぜ?」
すると、カルマはふぅっと息を吐き出すと告げる。
「クロノ……怖い……よね?」
「ん?こわかねえよ?これは武者震いって奴だ。」
そう言った俺の身体はあの魔王に近づこうとしているからだろうか…身体に多少の震えを感じていたんだ。
「いいの……クロノ……私は少しは分かっているつもり……もぉ〜〜〜!私は一応ずっとライバークロノのリスナーだったんだよ?」
「ああ……そういやそうだったな……」
「クロノのライブ配信は皆が中々やらなそうな事をして…今では異世界からライブ配信してるもんね…きっと元の世界に戻ったとしてもリスナーさんが沢山増えて…楽しそうだよね?」
「ん?カルマ……どうした?」
「ううん……きっと……無事に終わりますように!」
「ああ……カルマの母親も……そして父親も……必ず助けような?」
俺達は誓う……これから最後の戦いがはじまるんだ。
真実を知るために。
すると……そこにこの道に導いた、かぐやの声が聞こえてくる。
『勇者………そして……カルマ………』
「かぐやか?」
「かぐや様!?」
俺達は再度かぐやの声を耳にする。
『二人とも……よく…ここまできましたね……。』
かぐやは俺達に続ける。
『これからあなたたちに、とっても辛い真実を二人に私が話す事にしましょう……魔王ゼルドリスは……この世界に君臨した邪悪な魔王です……そんな魔王は、かの勇者に一度倒されました………しかし…巨大な魔力を持つ魔族達はいつか復活してくるであろうと…勇者は魔族達を特殊な『武具』に封じる事を行いました……それがあなたたちの力の源でもある『魔神具』化させる事です…魔王ゼルドリスもまた勇者により魔神具へと封じられました……そしてそれは勇者の声がけにより世界中で守られてきました……そんな時…時空を超え…カルマ……貴女の父親初め…貴女の父親の会社は…偶然にもとある『ゲーム』というものを開発したしたのです……。』
「とある………」
「ゲーム!?」
『はい……それは本当に偶然なのか……あなたたちがいるこの世界そのものでした………それに伴い……あなたたちが暮らす世界に干渉し…この世界から『異世界召喚』という力が生まれていました……だけど…これこそがあの恐るべき魔王の『意思』が働きかけた何かの力だったのでしょう……そう……その身は封じられましたが…なんとその意思を何らかの力に変えた魔王はこの世界とあなたたちが暮らしていた元世界を開発された『ゲーム』という空間を利用し繋げてしまいました……。』
「なんだって!?」
「それで父は……………?」
カルマの問いにかぐやはこたえる。
『そうなのです……まず……魔王ゼルドリスはこのゲームの世界に干渉し……自身の魔力を込めていきました…この時世界に何かしらの動きはあったのかも知れません……すると魔王ゼルドリスはゲームの世界へと自らの意思を込めました……とある世界から世界へ…そんな事を行った魔王はいつしか封印の力を徐々に歪ませていき……そして…部下であった……『颯』そう…韋駄天魔神を使い……『復活』…そして…悲劇が起こります。』
俺達はじっと続きを待ったんだ。
『ゲームの世界を作っていたカルマさんの父はゲーム内にもちろん完成度を上げる為の補正など開発を完成まで励んでいました……そんな彼はとある事に気づいてしまいます……この世界とそしてゲームプレイヤーのプログラミングの最中にとんでもない『バグ』を見つけてしまいました……それはラスボスである『魔王』の能力のチートでした……いずれは倒さなければゲームは終わらない…だけど何度修正してもチートに戻ってしまう……おかしいと思った彼に……魔王ゼルドリスは声をかけた……。』
「なっ!?バグの修正が……これはおかしい。」
すると…次第に彼の脳内に入っていく魔王ゼルドリス。
『我が名は魔王ゼルドリス……この魔王ゼルドリスはどの生物にも負ける事は許されない…最強の力なのだ……そして……ほう……貴様はどうやら我が力を持つ能力を体現できる存在であったか……道理でこの世界を創れただけの事はある……さあ……我がマジェストとなり……この世界を支配する力となるのだ。』
そして凶悪な魔王ゼルドリスは……カルマさん……貴女の父親を支配したのです。
俺達は真実を知ったんだ。
そして、これはライブ配信されている。
つまり皆がこの事実を知った瞬間だった。
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