最終章邪馬国編シーン62
俺達はカルマの涙が収まるのをまった。
ここにいる全員がこの状況に何かを感じていたからだ。
◇
「クロノ……ありがとう。」
「ああ……カルマ…あのさ……俺がこの世界に来ちまってお前の本当の気持ちを知った時…俺…お前を助けてやるって約束したよな?あの事なんだけどな……」
俺の言葉にカルマは真剣な表情で俺を見つめている。
「何一つ変わってねえよ!だから何も気にするな。」
「クロノ…………………………」
するとそこへ来たのはサキノだった。
サキノはカルマに抱きつく。
「カルマお姉ちゃん……サキノだって同じ気持ちだよ…今まで旅してきてずっとクロノはお兄ちゃんだしカルマお姉ちゃんは私のお姉ちゃんだし…お姉ちゃんのパパとママを助けるもん!」
「サキノちゃん。」
カルマはまた泣きそうな表情を浮かべている。
そこへ皆が声かけやってくる。
「もちろん!!僕達だって!!」
「皆………ありがとう。」
そう言ったカルマは……声をあげ…泣いたんだ。
◇
そして、かぐやはゆっくりと口を開く。
『さあ…皆さん…魔王ゼルドリスの元へは行く覚悟はありますか?』
「ああ……もちろんだ。」
「はい!!もちろん行きます!!」
俺もカルマもそう答える。
するとかぐやは続ける。
『まずは…見てください。』
かぐやは両手を広げる。
すると宙にスクリーンの様な何かが現れる。
そこに映し出されたのは何処かで目にした事のある風景。
「あれは!?」
「アメリスアード!?」
俺の声に続いたのはカルマの声。
すると、そこにはなんと…俺達の仲間であるシェリル…ジェイク…レイドが魔物と戦っている様子だった。
「なにっ!?なんだ一体……アメリスアードに魔物の侵略なのか?」
俺がそう問いかけると次に映し出されたのは…マリアとアンナの姿。
『なんなのこの魔物の数は!?アンナ!気をつけて!!』
「なにこれは!?ヨーロディアまで!?」
「えっ!?みてよ…次はチェンウォンも!?」
驚くサキノとテンテン。
そこにはリーファ、ハオユーそして共に戦うジオウがいた。
「皆!?兄さん!?」
震えるテンテン…すると次はアフリエイトの地が!?
そこに映ったのは『アキニー』さんだった。
『くっ!?この闇夜から現れたのは……月からの魔物なの!?』
『ぐっ!?アキニー様……ここはなんとか切り抜けなければ……お嬢様も、あのクロノもきっと魔王を止める為に尽力してるはず…貴女は今や世界のマジェストを導く存在なのです。』
そう告げたのはジェイクのライバルであり親友のエルザック。
彼の言葉にグッと気持ちを昂らせるアキニー。
ケニージアの女王アキニーは…そうなのだ…今やマジェストの中心人物なんだ。
するとアキニーはすぅーっと深く深呼吸をする。
『そうね…エルザックさんの言う通り……私は今こそここで皆の光にならなければ………。』
すると俺達マジェストに向けての声をあげる。
◇
『世界のマジェストの皆さん……今やこの世界そのものに……魔王ゼルドリスからの総攻撃とでも言うべき『月の魔物』が放たれたようです…ですが…私のところにも、とある情報が入っています……それは………えっ!?』
アキニーは驚きの表情を浮かべる。
するとそこに現れたのはなんと大人しくしていたあの俺達の仲間であるヘキサの姿だった。
ストとヘキサは言葉を綴る。
『やっほー!!お兄さん♡見てるかなあ?』
「ヘキサ……アイツ。」
俺は思わず笑みが零れる。
『世界のマジェスト達よ…僕は世界の聖獣ヘキサなるぞ…これより世界にたった一人の僕の旦那様……っとこれはまだ早かったw……世界にたった一人の勇者『クロノ』はあの魔王の元へいこうとしている……世界に魔物をばら撒きそして破壊しようとしている魔王……魔王をクロノが倒すその時まで…皆の者……魔物から自分の国を護りながら待っておるのじゃ。』
「「おおおおおーーーーーーーーっ!?聖獣様!?」」
どこからともなくそんな声が聞こえてくる。
そしてアキニーもまた口を開く。
『この様に聖獣様も仰ってくださいました…皆さん……ここからは世界中のマジェストは1つになり魔王からの攻撃を食い止めるのです……強大な的魔王ゼルドリス……勇者クロノさんは必ず……皆の涙を止めてくれるハズです。』
「「うおおおーーーーーーーーーっ!!」」
きっとこれで世界中の人々の士気も上がった事だろう。
すると続けるようにこの通信に入ってきたのは精霊からだった。
『クロノ様……お久しぶりでございます。』
「エルフィーナ!?」
『人間の皆さん…我が夫候補のクロノ様に多大な応援ありがとうございます。』
「「なにいいいーーーーーーーーーっ!?」」
世界中の人がこの一言で驚きの声を上げた事だろう…俺はぷるぷると震えていると。
かぐやは皆に聞こえるであろう声を上げる。
「さあ……勇者クロノ……そして月へ行く者達よ……この月の道を示します…ここから先は今や魔物の巣窟となってしまった月の世界…そして魔王ゼルドリスが居ます……ゆく者は私に着いてきなさい。」
かぐやの声と共に月への道を示す。
光の道を俺は……一歩踏み出し……振り向く。
「皆………終わらせてくる。」
俺の声にヘッドホンに仲間達の励ましの声。
今まで出会い共に時間を共有し共に笑い涙を流した仲間達。
世界中にいる仲間達の俺にかけてくれる声が力をくれる。
俺はラストバトル…魔王ゼルドリスの元に向かうんだ。
これから何が起こるか分からない……でも……俺は皆の笑顔を守るんだ。
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