最終章邪馬国編シーン59
「「うああああーーーーーーーーーっ!?」」
桃鬼丸の攻撃を受けてしまう亀山と鉄星。
燃え上がる二人は跳ね飛ばされると地面に激しく叩きつけられる!!
「亀山!?」
「鉄星様っ!?」
俺とリオはそれぞれ二人の元へ駆け寄る。
『カラーウルフ!!ブルーシャワー!!』
サキノが二人に癒しの雨を降らし炎を消し去ってくれる。
「サキノ!サンキュ!」
サキノが笑みで返してくれる。
こういう所もサキノは本当に素敵な女性に成長してると感じた俺。
そして俺は亀山の様子を見る。
サキノのおかげで幸い軽傷のようだ。
「つつ……クロノちゃん…僕は大丈夫…サキノちゃんのおかげで燃やされる前に助かったよ。」
「そっか……でもアイツの炎はどうやら本当に凄いものだな……あれが四聖獣朱雀の力なのか。」
俺はそう言いながらも奴に目をむける。
「そう……みたいだね…クロノちゃん……確かに…奴の言うように、あの炎はもしかしたら君の炎よりも上かもしれない……」
「炎が俺の炎をこえてるだと!?」
亀山は静かに頷く。
すると俺達の会話に加わってきたのは魔神雷武だった。
『おいお前ら…それは聞き捨てならねえなあ……奴の炎が竜神とも呼ばれるこの俺様の炎を超えてるだと?』
「ああ……残念ながら……これを見てよ。」
そう言って俺達の前に亀山は魔神具を取り出しみせる。
すると焼け付き僅かにだが溶けた後が見える。
「これは………やっぱり…アイツの炎がそれだけ強力だと言うことなのか?」
「うん……僕も流石にここまでの強力な炎だとは思わなかったんだ。」
すると聞こえてきたのは鉄星を呼ぶリオの声だった。
「鉄星様!?鉄星様ーーーっ!?」
「お父さん!?」
リオと鉄鬼丸は鉄星の様子を見ながら大声を上げている。
すると俺達を見ていた桃鬼丸が笑みを浮かべながら声をかけてくる。
「ははは……どうだい?僕の攻撃は……なんならこのまま鬼ヶ島ごと燃やし尽くしてしまっても構わないんだぜ??」
この爆炎を放った桃鬼丸は余裕の表情でそう語る。
俺は魔神具に戻った雷武を見て手に構える。
「クロノ!?」
「クロノちゃん!?」
すると桃鬼丸が構える。
「さあ…ひとまずここで立ってる奴らごと……終わらせるか………。」
奴がそう言った瞬間。
ゴオオオオオーーーーーーーーーーーーッと激しい炎を纏う朱雀が桃鬼丸の頭上に現れる。
炎の化身朱雀はやがてその身体を女性の姿に変わっていく。
『クククッ……僕と魔神……朱雀は絶対的な主従関係にある……彼女は僕に心から服従している……僕の奴隷であり僕の愛人さ。』
「なにっ!?」
『マジェストにとって魔神との相性は絶対的なもの…元は僕の魔神ではなかったのだがな…ある時僕に負けた者と共にこの朱雀は僕のものになった…そしていつしか僕達は恋人以上の存在となった…永遠の愛を誓った僕達に勝てるマジェストなど……いないんだ。』
そう呟いた桃鬼丸。
桃鬼丸を後ろから抱きしめる朱雀。
そして桃鬼丸の身体に重なっていく朱雀はスーッと消えていく。
次の瞬間。
ドオオオオオーーーーーーーーーーーーーーッと爆炎を纏う桃鬼丸。
やつは構える。
「やばい!!???これは!?」
俺は危機を察し魔神具を構え飛び出す。
「「クロノ!?」」
「クロノちゃん!?」
皆が俺の名を叫ぶ。
すると構えた桃鬼丸はいち早くその攻撃の準備を終える。
『さあ……この地に散るがいい!!皆殺しだ。』
ゴオオオオオーーーーーーーーーーーーッと奴の炎はさらに大きく膨れあがる。
『ファイアーフェニックス。』
辺り一面に奴の炎が舞い散っていく。
「きゃっ!?」
「ヤバイ!!この熱量!?」
「これは……………ヤバイ!?」
『あーーーーーっはっは!!さあ…僕達の愛の前に散るがいいーーーーーーーーー!?』
「皆あああーーーーーーーーーーーっ!?」
『くあああーーーーーーーーっ!転地!!』
一瞬で炎の世界へと変わるこの大地。
◇
◇
◇
鬼ヶ島中に発せられた爆炎は全てを飲み込んだかに見えた……
俺はいつしか炎に巻かれ宙に浮かんでいた。
何も無い空間にただゆらゆら漂う俺の意識。
………あの熱量……確かに……ヤバイ……か。
意識が薄れながら。
すると俺の脳裏に語りかけてくる声。
『ぐぅぅ……くそお…奴め…俺様の熱量を超える…だと?おのれ……少し…待っていろ。』
『雷武……………ああ。』
俺の身体は動くものではなかった……すると次に聞こえてきたのは亀山の声だった。
『クロノ……ちゃん………』
『亀山!?お前は大丈夫なのか?俺は皆を逃がそうと転地を使ったんだけど…どうなってしまったんだ?』
『どうやらあの時…二度も炎をくらった僕のあの肉体を失ってしまったかに思えたんだ…。』
「亀山……そんな…………。」
『でも…僕は肉体が残っていたんだ…それで僕にも君たちと同じ竜の血が流れているとわかったんだ……そしてクロノちゃんももちろんなんとか燃えずにすんでる…僕は身体が燃えた事でなんと脱皮の様な事が起きたんだ、そのことで僕はまた力を発現して魔神となれたみたいなんだ。』
「亀山が魔神に!?」
『ああ……クロノちゃん……さあ僕達は復活するよ……さあ……真……玄武盾…そして魔神玄武…僕と一体化するぞ……そしてクロノちゃん…信じられないかもしれないけど……君は魔神具を二つ扱う事が可能になった……魔神雷武と僕…魔神玄武を扱うんだ!!』
亀山の叫ぶ声。
◇
◇
◇
そして……俺は我に変える……轟々と燃え上がる炎の海の中に立っていた。
『んん?貴様……燃えなかったのか!?』
『ああ……俺は更に力を得たみたいだ………俺は勇者クロノ!!右手には魔神雷武……そして左手には魔神玄武!!』
俺は構える。
「さあ!!桃鬼丸!!ラストバトルだ!!」
◇
◇
◇
二つの魔神具を手にするクロノ。
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