最終章邪馬国編シーン57
桃鬼丸の手下の二人目…猿鬼も鉄星の力で倒した。
そして…次なる敵は空から舞い降りてきたんだ。
『あーーーーーーーっはっはっはーーー!!私は雉子島不甲斐ない犬、猿に代わり貴方達を葬る者よ。』
「おやおや?お前はもしかして音姫の店に通ってきていた亀じゃなーい!?」
「お前は?………………あ!?音姫ちゃんの店で働いていた子か?」
「あらあら?どうやら覚えていてくれたようねえ……」
空中にふわふわ浮きながらそんな会話をする雉子島。
『ん?そういえば貴方…そうか、どこかで見た事あるとは思ったけれどもあの店でみたのだったわ…貴方確か音姫を気に入って通っていたのよねえ…でもその思い叶わなくていつも泥酔して店の女の子達に嫌な客って嫌われていたのよねえ。』
「うるさい!!それで…どうしてお前がこんな所にいるんだ!?」
「あーら…久しぶりの再会なのにもう少し喜んでくれたらどお…まあいいわ……貴方のいた街…そしてあの店は元々我が主『桃鬼丸』様が建てたものなのよ?そこで私が働いてたとしてもおかしくなくないかしら?」
「くっ…何が言いたい?あの街も店だってもう開放されたんだ!!」
亀山の声にニヤリと笑みを浮かべる雉子島。
『いい?……あの店は私達の息がかかっていたのよ?それがどういう事なのか……分かるかしら?』
そう言い放った雉子島はどこからともなく取り出したなにか……それは大きな鏡だった。
『さあ……この鏡を見るといいわ。』
雉子島がそういうと鏡には次第になにかの映像が映し出されていく。
すると。
「音ちゃん!?」
突然…叫ぶ亀山。
亀山……そして俺たちの目にも見える鏡に映った何か…それはあの音姫達の危機的状況だったんだ。
数匹の魔物に襲われかけている音姫達。
「それは……どういう事だ!!???」
『クククッ……どういう事かしらね……』
ニヤニヤしながら楽しんでる様子の雉子島。
すると彼女は口を開く。
『さあ、私のあの鏡は魔神具……『魔禍鏡』映し出された場所に私の手がかけられるという…不可思議なアイテムなの……だからこうして…』
雉子島が魔神具の中に手を入れていく。
すると鏡に映った音姫の頭上から雉子島の手が現れ彼女の頬に近づいていく……すると、バチンっという音を立て音姫ちゃんの頬を殴る。
『ひっ!?』と叫び痛みに頬に手を添え恐怖に怯える音姫。
「お前えええーーーーーーーーーーーっ!?」
叫ぶ亀山……それを見て笑みを浮かべる雉子島。
『ふふふ……どう!?これで分かった!?私の魔神具はこの場から離れた場所にいても繋がり攻撃ができるという素晴らしい物なのよ…さあ……これで貴方は終わりよ。』
「なにっ!?」
『大人しくしてないと…鏡の中のこの子の生命はないと思いなさい。』
「亀山っ!?」
「亀山さんっ!?」
すると……雉子島は突然亀山の頭上に鏡を出現させる!!
『フフ……くらいなさい……『魔禍鏡』』
魔禍鏡からドゴオオオーーーーーーーーーンっという波動が発し亀山をとらえる!!
「うがあああーーーーーーーーーーーっ!?」
シールドで防ぐも大砲の様なエネルギー砲に吹き飛ばされる亀山。
亀山は激しいエネルギーを身体にまともに浴び吹き飛ばされる。
そしてドンッと大地に叩きつけられる亀山。
「亀山!?」
「亀山くんっ??」
俺とカルマの声に亀山はこちらを見る。
震える亀山と目と目があったその時。
亀山からの言葉が流れてくる。
(クロノ……ちゃん…僕はなんとか大丈夫だよ…でも、クロノちゃんに頼みがあるんだ……)
(亀山……ああ………きくよ)
(ありがとう……)
俺は亀山の頼みをきく…そして。
「ああ…もちろんだ…亀山。」
俺は答え…そして構える。
「クロノ!?」
カルマの声……そして雉子島は不敵な問いかけをしてくる。
『フフ…何をしようていうの?この鏡の中があなたには分かっているの?飛ぼうが走ろうがすぐに辿りつける訳がないじゃない……まあいいわ…そんな茶番というのならば……まずはこの子を殺してみせるわ!!!!!』
「それは……どうかな?」
立ち上がり言い放つ亀山。
『生意気よ……ならば……本当に殺してやるわ……まずは鏡の中の女を…………なにいいいーーーっ!?いつの……まに??』
慌てふためく雉子島。
奴の鏡の中には……………。
「クロノちゃん!!」
「クロノ!?どうしてそこに!?」
亀山とカルマの声。
「はは……転地だよ……こっちはもう大丈夫だ!!亀山……そいつを…」
「ありがとうクロノちゃん!!」
亀山は雉子島を見据える。
『なっ……何を言ってるの!?貴方達っ!?こんな屈辱は初めてよ!!』
「何言ってるんだよ?アンタに言われたくはないさ……。」
スーッとシールドを構える亀山。
『もういいわ……貴方達は永遠に鏡の世界へ閉じこめ……破壊してあげるわ!!!』
雉子島の魔神『魔境霊』が背後から飛び出す!
『さあ!!鏡の世界へ!ミラーワールド!!』
魔神は構えると亀山に攻撃を仕掛けていく。
魔境からの力で亀山の目の空間が歪む。
そして空間からドス黒い霧が発生し亀山を飲み込もうと絡まっていく。
『さあ亀さん……魔境波に囚われるのよ……。』
「きたな……いくぞ……四聖獣『玄武』」
目の前に巨大な盾を張り霧を防いでいく亀山。
「なにっ!?私の魔境波を防ぐだって!?」
「へへっ……僕は取り立てて爆発的な攻撃力はない……でもその代わり……防御は……トップレベルなんだ。」
『何ぃぃぃぃーーーーーーーーーーーっ!?』
「さあ……僕の怒りも限界だよ……玄武盾…そして…。」
亀山の盾は黒い霧を弾くと……盾は光を発する。
その光は形を変え亀山の手には光輝く『円月輪』となる。
「玄武………『空月乱舞』」
亀山は回転を加え円月輪を放つ!!
『こんなもの……魔境の中に……えっ!?』
その瞬間…亀山の円月輪によってパリンっと割れてしまう雉子島の魔境。
そして亀山の円月輪は雉子島をも切り裂いたんだ。
きゃあああーーーーーーーーーーーっと叫び声を上げた雉子島は……サラサラとこの世界から消滅していったんだ。
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