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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
最終章邪馬国編

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最終章邪馬国編シーン53

小太刀を構える孤氷次こひょうじ

相打つのは凶暴な門番『邪鮫じゃっこう』。

孤氷次さんは口を開く。


「貴殿がこの転移装置を守る、邪鮫か?」

『フン…そういうお前は誰なのだ?』

「俺は………邪馬国殿下である『天草』様の近衛兵…『孤氷次』…その装置は我々が利用する…貴様にはここから去っていただこう………いざ……尋常に勝負!!」


ゴウっと狐火をその身に纏う孤氷次さん。

俺達の目の前で開戦されようとしているその戦い。

だがあの話を聞いてからの孤氷次さんは以前とその様子は違っていたんだ。

燃え上がる炎…だが別に以前とは違うなにかの力が見えていたんだ。


「あれは……」

「炎と氷二つの力を半身ずつに………凄い。」


すると身構える孤氷次さん。


「ふぅ……これはあの金龍に負けた時……偶然発現しかけた力……今ここで自分のものにしてやろうぞ。」


そう言い放った孤氷次さんの目の前には孤氷次さんよりも遥かに巨大な鰐鮫魔族の姿。


『ぐふぅ……お前達はこの小屋の貴重さが分かっていないようだが……これはあの桃鬼丸様のいる鬼ヶ島へ渡る為の装置ぞ……貴様ら風情が簡単に通っていい場所じゃねえんだ……通りたければこの俺様を倒してゆくが良い……まあ…無理だろうがな。』


にたりと微笑み巨大な矛を振り上げていく邪鮫。


『俺は魔神などは持ってはいない……だがこの力だけなら桃鬼丸様をもこえるのだ……これがこの転送機を守る俺様の………………。』

『力だあああーーーーーーーーーーーっ!!』


振り下ろした巨大な『三叉のみつまたのほこ』を振り下ろす!!

ドガガガーーーーーーーーーーーンと巨大な轟音を響かせ大地を震わせる。

皆が飛び退き衝撃から身を守る。


「くっ!?この力は…確かにいうだけの事はある。」

「確かに……クロノちゃん僕が盾を張ってみるよ!?」

「亀山……さんきゅ…だけど奴の攻撃が広範囲なのがこれで証明されたな。」

「確かにね……でもアレ……孤氷次さんは何かの策があるのかもしれないね。」

「ああ……」


俺達は着地すると彼らの戦いに再び目を向ける。

「貴様……その腰に下げてる武具はもしや………………」

「ククク………これか!?」


孤氷次さんは奴の下げていた武具が気になったのであろう邪鮫に問いかける。


『これはなあ……以前ここに迷い込んできた剣士から奪い取った戦利品だなあ。』

「何っ!?それは……『猪狩いがり』の生命とも言うべき武具……猪狩を行方不明としたのは、まさか……貴様………なのか?」


すると奴はニヤリと笑う。


「ああ……そういやそんな弱っちい生き物もここに来たかもしれんなあ」

「なんだと!?貴様ァっ!?」


孤氷次さんは怒りに震え…魔神具である小太刀を握りしめる。


『ふん…この世は弱肉強食だ……そいつが弱くて俺様に敗れた後はあの鰐鮫の餌になるだけ……それは俺の責任じゃあねえ…弱っちい癖に俺様に反抗してきた末路だ……ああ……そういや奴は何か言っていたなあ……そして悔しがっていたその姿に俺は大笑いしてやったがな………。』


邪鮫がその剣を腰からスーッと抜いていく。


『そんな奴のこの武器……これがお前の大事な友の形見とでも言うならば………』

「………………………………………。」

『友の形見でお前の生命を消してやる!!?』


ドンッと走り出す邪鮫。

形見である剣を手に孤氷次さんに迫っていく。


『うおおおおーーーーーーーーーーーーっ。』


孤氷次さんに身体の何倍もある邪鮫がその剣を振り上げ襲いかかる。

このままでは斬られる。

それを見ていた誰もがそう思った。

しかし……次の瞬間。

孤氷次さんは背後に闇を纏っていく。


朧月夜おぼろつきよ…………………』


その闇は孤氷次さん…そしてあの化け物…… 邪鮫を飲み込んでいく。


『これは……なんだ………』

「フン……これは拙者が独自に編み出した技……この中の空間には貴様と拙者しか入れない……そしてこの空間内では拙者の力がその効力を百の力を発揮する………」

「貴様………こんなもの……破壊してくれるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」


そう叫び巨大な武具を振り回し叫ぶ邪鮫。


「もう……拙者の『技』内にお前は囚われた……そしてここからが拙者の真骨頂だ。」


半身炎、半身氷の姿を更に発現させる孤氷次さん。


『なんだそれは!?貴様あああーーーっ!?』

「拙者はここへ来てこの力の凄さに気づいたようだ……小太刀『朧月夜おぼろづきよ』今こそ……その力を示せ。」


ぱーーーーーっと小太刀から姿を現した九尾の狐。

三つの尾には炎が…更に反対の尾三つには氷が纏い……残る中心の三尾にその力が集まっていく。


「狐氷火…………『狐火灯篭きつねびとうとう』!!!」


ズガガガーーーーーーーーーーーーーンと氷は邪鮫の身体をたちどころに凍りつかせる。


そして。


『うが……………が……………』

狐火雹狐きつねびひょうこ


突然……狐の火炎に、ごおおおおおーーーーーーーーっと焼かれる邪鮫の身体。

対極の力に奴程の強固な身体も耐えきれず激しく藻掻く。


『うぎゃああああーーーーーーーーーっ!?』


そして……邪鮫は激しい叫び声をあげ消え去っていったんだ。

お読みくださりありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
猪さんはなにを言っていたのでしょうかね。謎を抱えたまま邪鮫さんはあっさり消えてしまいました。あえて誇り高く、肉体派として勝負したせいですね。ハメ技には弱いという定番ですね。今回もとても面白かったです。
邪鮫撃破!一時はどうなるかと思いましたが、良かったです!
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