最終章邪馬国編シーン50
リオ視点
私達三人は桃鬼丸という敵の元へと向かっていたの。
私は鉄星様の後をまだ小さいながらもちょこちょこと黙々歩く鉄鬼丸君に声をかけてみる。
「鉄鬼丸君大丈夫!?」
「うん…大丈夫だよ!」
鉄星様の後を追いながら先を急ぐ。
すると開けた場所からこの辺りでは一際大きな山が見えてくる。
「おお!!凄いです!!」
「はは!母さん!あれはこの邪馬国一って呼ばれる竜の富士と呼ばれる山だよ?」
「竜の富士かあ……邪馬国一っていうのも頷けるかも。」
その時…私達の声に反応してきた鉄星様。
「二人とも…俺の国にも話では伝わっていたこの山には竜人族がすんでいたらしいぞ。」
「えっ!?鉄星様もこの国の事も知ってるのですか?」
「ああ…若き日に聞いた事があった…特にこの山の話はよく聞かされたからな…初めて見れた事が実に感慨深い。」
「そうなんですね…あはは」
「ん!?何を笑っているのだ?何かおかしかったか!?」
「いえ……鉄星様もそんな笑顔するんですね?」
「リオ…からかうのではない……まあいい……だがリオ……ここに来て何か感じはしないか?」
「えっと……えっ!?」
次の瞬間。
私の頭の上に乗ってたスクエルがキキッと鳴くと辺りをキョロキョロ見回し始める。
「スクエル!?どうしたの!?」
「あ!スクエルが向こうに走っていくみたい!?」
鉄鬼丸君がそう叫ぶ。
突然のスクエルの行動に私は驚くも後を追いかける。
スクエルは時折こちらを振り返りながらも私達の行動を確認しながら走っていく。
まるで着いてこいと言わんばかりのスクエルの奇行。
見えているあの竜の富士の裾野を移動しながらどこかに誘導しているみたいだった。
「スクエル!?まてええーーーーーーっ!?」
鉄鬼丸君はスクエルを追いかける…私達もその後を追ったの。
すると森の中を進んでいた私達の目にはやがて光が見え始める…それはこの鬱蒼とした森を抜けようとしているのだと感じる。
「鉄星様!?草原に出ようとしています!!っていうか!?アレは!……兵隊!?」
「ああ……かなりの兵の数ではありそうだが……ん!?」
「どうしました!?まさか……敵……ですか!?」
私の言葉にふっと微笑む鉄星様。
「えっ!?………………あっ!?」
スクエルはいち早く森を抜けると止まる事なく走っていく。
すると、そこにいたのは。
オレンジ髪の美しい女子!?
いや………あれは!!???
「クロノ様ーーーーーーーーーーー!?」
私は大声で彼の名前を呼んでいたの。
オレンジ髪色の女子は私の声に気がつくと微笑む。
「おおおーーーーーーーーーーーーっ!?リオ!?スクエル!?」
私達はクロノ様はじめカルマちゃん、サキノちゃんもいるあのメンバーの元へと走ったの。
これがスクエルの行動の答えだったんだ。
◇
◇
◇
「皆さん、お久しぶりです!」
私の声に皆が笑顔で迎えてくれたの。
「ああ!久しぶりだなリオ!そして鉄星と……あの子は!?」
「ええ……この子は鉄鬼丸君って言って私達の目指していた桃鬼丸という敵をこの子も追っていたので一緒に行動する事になったんです。」
「そうなのか……」
鉄鬼丸君を紹介した私。
でも皆笑顔を向けてくれていた。
「鉄鬼丸君!?サキノだよ!よろしくね!」
「そして私はテンテン!仲良くしてね!?」
鉄星様の後ろに隠れながらも照れてる様子の鉄鬼丸君。
そこへカルマちゃんが彼に何かを差し出す。
「はい!どうぞ!今ね…皆で休憩しながらご飯を食べたところだったの…良かったら食べて。」
鉄鬼丸君という彼は満面の笑みを浮かべる。
「ありがとう。」
照れてる鉄鬼丸君。
私も、そして鉄星様も安心していたの。
そして。
◇
◇
◇
私達はこれまでの話をお互い認識しあったの。
これからの行動は私達同様クロノ様達もあの桃鬼丸という敵の元を目指していたの。
ここからは合流し決戦に向かう事になったの。
と、私にはめちゃくちゃ興味があった事を口にする。
「ていうか……クロノ様!?いつの間に女の子になったんですかーーーーーーーーーーー!?」
「今更かよリオ……まあ色々あってな…あ!でも一応性別不明になっただけだからな!?」
「えっ!?クロノちゃんはもう女の子でいいってば!?」
クロノ様の女体化を力説する亀山さん。
「そう言ってるのはお前だけだろ?」
「ええ?私はクロノさんがどっちでも好きです!」
「テンテンちゃん!私もそうだけど男の子クロノも私は好き……。」
サキノちゃんもテンテンちゃんもやっぱりクロノ様が好きみたい。
するとポンっと肩を叩いてくるカルマちゃん。
「リオちゃん……おかえり!」
「うん!ただいまカルマちゃん。」
多くを語らないカルマちゃん。
でも…クロノ様を見ている目に私は察したの。
離れていたけどクロノ様はいつも誰かの為に戦ってきたのだと。
◇
◇
◇
こうして再会を果たした私達。
これから一体どうなるのか!?




