最終章邪馬国編シーン47
クロノが竜の富士にいる時。
下界の私達は……………………………。
◇
カルマ視点
「うぁーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
一人の兵士が倒れる。
地上に恐ろしい程の巨大な大穴を開けたのは四聖獣の一人『白虎』を従えたオオダヌキの獣人である『鉞狸』……恐るべき強敵が再び私達の目の前に立っていたの。
すると孤氷次さんは私達の前衛に立ち尽くす。
「鉞狸…貴様……一度は倒された身でありながらまたこうしてノコノコ現れるとは……恥を知るがいい。」
『うる……せえよ……そこの女共はなあ……一度は俺様のものになったんだ…それにこの俺様に与えた左目の傷は消えねえ傷になっちまったんだ……ん?だがなんだ?この俺様に傷を負わせたあのオレンジ髪の女がいねえじゃねえか?』
そう…ここで鉞狸が言ったオレンジ髪の女というのはクロノの事ね。
それを知った私達。
すると孤氷次さんが口を開く。
「なんだ?貴様は本当に情けない奴だな……女に負けたという悔しさからこうしてみっともなく復活してきたと言う事か。」
『うるせええええーーーーーーーーーー!!』
鉞狸の怒号が響き渡る。
『俺はこれまで金龍様に認められてこの地位を築いてきたんだ……金龍様の部下になる前の俺様はな………』
そう言った鉞狸は、語り出したの……。
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一人の狸の獣人だった俺は……。
それまでは普通に生きてきたんだ……。
なんの取り柄もなかった俺様はある時…暇つぶし中に倒れていた一人の老人を見つけたんだ。
俺はどうせ放置しとけばそのうち勝手にくたばるだろうとその場を通り過ぎようとしたんだ。
だがその時…ジジイの握っていた袋になにか光るものを見たのだ。
金か?
そう思い俺はその袋を取り上げ中のものを確認したのだ。
するとそこには一つの『鎖鉄球』が入っていたのだ。
その時。
俺様の行動に気がついたジジイは俺の足元にしがみついてきやがった。
「ああっ!?それは!?それはいけません!!お返しください!!???」
『ああん!?ジジイ!?今更何を言ってるんだ!?』
俺様はジジイの首元を締め上げ怒号を浴びせる。
「それは古の神を封じた魔神具でございます!!大変危険なもの……この国をも滅ぼしてしまう力を秘めているのですぞ!?」
「ほお!?貴様はこの魔神具をどこへ持っていくつもりなのだ!?」
「ワシは……ワシの村で太古から守ってきた、この危険極まりない魔神具をこの国の神である『天草様』に封じていただこうと思い運んでいる所じゃ…これは世に出してはいけない宝具の一つなのじゃ。」
俺様はその言葉に思わずニヤけてしまった。
『ほお!?そう聞いたらこの魔神具と言われる武具は俺様の為にあるものなのではないのか?』
ジジイは必死にしがみついてくる。
「やめてくだされえええーーーー!?本当に、本当に、この国、世界が滅んでしまいます!!」
『うるせええええーーーーーーーーーーーーーっ!!』
バキバキっと俺様の拳はジジイの身体中の骨という骨を折り軋ませる。
「うぐっ………うううぅぅ。」
『クククッ……そうかそうか……よし……魔神具に入ってる魔神………出てきて俺様の力になるがいい。』
ごおおおおーーーーーーーーーーーっと魔神具から発した力は俺様の身体中に広がる。
身体から湧き上がる力。
俺様は溢れる力を感じていた。
『これは………俺様は…この力があれば…金龍様の配下として力をふるえるであろうな……そう思った………しかも我が力は金龍様…いや……いつしか金龍をも超え我が力がこの国に君臨する日がくるであろうと思っていたのでな……ここまで運んでくれてご苦労だったな…じじい。』
俺様はジジイの息の根を止めてやった。
◇
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とことんゲスなこの獣人。
私は魔神具を握りしめる。
『クククッ…そして俺様の復活前に金龍は死んだようだな……ぐふッ…やっとだ……やっとこの鉞狸様の時代がきたのだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
大声を上げ自分の嬉しさに歓喜してる。
「おい……貴様……鉞狸といったな……貴様はあの金龍の足元に及ばない…奴は確かに強かった…だが…我々と力の限り戦ったのだ……貴様のような奴に愚弄されるような戦いは少なくともしてないハズだ。」
そう声を上げる孤氷次さん。
『フン……大口を叩くのならば…試してやろう!!うおおおおおーーーーーーーーーーーっ………。』
鉞狸はジャラリと音を立て振り回し始めたのはなんと巨大な鎖鎌だったの。
「なんだ!?それは!?」
『クククッ…魔王ゼルドリス様より与えられた新たな魔神『白虎』の武器媒体である鎖鎌……そして食らうがいいーーーっ!!!??』
振り回しグングンそのスピードが増していく。
そして奴の目が怪しくきらめく。
『食らうがいい………ゆけ………新魔神具…鎖鎌………………………文々《ブンブン》……………………『茶鎌』ーーーーーーーーーーーっ!?』
復活した鉞狸から放たれた大技!!これは!?
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