最終章邪馬国編シーン18
亀山は鴉天狗の攻撃に沈んでいく。
俺は亀山の元にかけていく。
「亀山ーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
俺は彼を抱き起こす。
亀山は痛みを堪え苦悶の表情をみせる。
すると、目を開け俺を見つめ口を開く亀山。
「クロ……ノちゃん……大丈夫……だよ。」
「亀山…………今助けるから…………。」
「だ、大丈夫!………」
そういい震えながらも立ち上がっていく亀山。
俺は治癒を施そうと手を添えようとすると、 亀山の手がそれを遮る。
「亀山………………。」
「大丈夫だよクロノちゃん……僕はここできっと何かが変わる。」
立ち上がった亀山……俺は彼の後ろ姿を見る。
すると俺の心に亀山との不思議な繋がりを感じる……それは何か分からない不思議な感情……これは一体。
「亀山…………」
すると鴉天狗の下卑た言葉が聞こえてくる。
『クククッ…なあにイチャイチャしてるか知らねえが……その亀はもうボロボロじゃねえか……それでこの俺を倒そうと立ち上がってくるなんてなあ。』
「うるさい……お前はこの僕が倒すんだ。」
『クククッ…お前もそうだが……あそこの天狗もこの俺に敵いはしなかったんだぞ!?どう足掻いてもお前の様な亀にこの俺は倒せねえとおもうのだがなあ。』
鴉天狗の言葉に亀山は深く息を吐く。
「ふぅーーーっ。」
「どうした!?死ぬ前の覚悟でも決めたのか?それともそこの女に告白でもするかあ?俺は優しいからな、待っててやるぞ……まあその後お前は俺に殺されるのだがなあ。」
にやりと笑みを浮かべる鴉天狗。
すると何を思ったのか亀山が口を開く。
「そうだねえ…お前の言う通りクロノちゃんに告白ってのはいつかするさ……」
「亀山。」
すると鴉天狗が口を開く。
『フン……ならそれは今やらねえと二度と言えねえけどな。』
「いや………それはこれからお前を倒すからいつでもできるのさ。」
亀山は手に構えたのは握って防戦していた魔神具である盾だった。
そして叫ぶ。
「さあ……いくぞ玄武…………。」
どおおおーーーーーーーーーっと光出し亀山の背後から現れた巨大な亀。
これこそが四聖獣の一人と呼ばれる大いなる力を持つという神の使いなのか。
◇
まさかその一人が亀山の魔神だったとは。
以前は分からなかったがその正体に俺達は驚きを隠せなかった。
すると忍びである『黒磁』は口を開く。
「あれは……」
「どうしたのじゃ?」
「はい……お嬢様……あの亀山という者の魔神玄武は…やはり、この邪馬国に伝わりし聖獣が一人『玄武』でございます……」
「おお…やはりそうであったか……ワシら天狗族によく聞くのは四聖獣の中でも『朱雀』という存在よな。」
その言葉に頷く黒磁。
すると言葉を続ける。
「聖獣は四聖獣と呼ばれその力は世界をも裏返してしまう力を持っていると聞きます…そしてあの男が携えているのは『玄武』……絶対的防御を誇り大海を統べる者……そう話は聞いています…そんな神の使いである『玄武』を魔神として従えているとは……あの彼も只者ではなさそうですね。」
「そう……なのか……」
彼女もまた四聖獣について知る事もあるのだろう。
俺は気になりはしたが…それより今は亀山だ。
俺は視線を亀山に移していく。
◇
『クククッ……貴様があの四聖獣の一人を本当に従えていたとはな……それと勇者とやらもいる……のか…どおりで我が部下達も倒された事も頷ける………か……ならば。』
鴉天狗は双刀剣を握り構える。
「ここで一気に決めてやろうではないか……くらえ……我が双刀剣……」
奴が構えると同時に魔神である牛鬼もドス黒い煙を吐き出し始める。
すると徐々に迫り来る黒煙。
「これは!?」
「やばい!?毒煙か!?」
牛鬼によって吐き出されていく毒煙。
「クロノちゃん!?皆!?」
亀山の叫び声。
俺の視界も僅かに霞んでくる。
「くっ!?こうなったら。」
その瞬間。
亀山が構える。
すると…振り回し始めた腕……それは亀山がもっていた盾を輝かせていく。
キラリと光った盾は、やがて旋風を発生させていく。
ごーーーーーーーーーーーーっと旋風は次第に巨大化していくと……やがて毒煙を晴らしていったんだ。
「亀山!?サンキュ!!もう大丈夫だ!!」
俺にこたえるようににこりと微笑む亀山。
そして彼は、鴉天狗を眼光に捉える。
『さあ…鴉天狗……ここから僕の本気を見せてやるよ。』
ブンブンっと振り回していく腕。
それは何かを投擲するかのような構え。
『僕は……僕の大切な人を守る為に……戦うんだ。』
そして彼の豪腕は手にしていた『魔神具である盾』を放つ。
円盤の様に放たれたシールドはやがて周囲に刃が飛び出す。
「あれは!?」
「これは僕の魔神具の攻撃方法…武器としては『円月輪』さあ……いくよ。」
『マグネ・シールド・ショット!!!』
ぎゅんっと飛び出す亀山の魔神具。
それは鋭く鴉天狗に向かい飛んでいく。
『くっ!?こんなもの避けてさえすれば…!なにいいいいいーーーーーーーーーーーっ!?』
「甘いよ……僕の魔神は防御に徹する力を持ってる…でもね…その根源になるのは特殊能力の『磁力』を兼ねているんだ…それ故の能力……それをこうして使えば………。」
鴉天狗が避けるつもりで体制を変えようとしたその時。
ぎゅうーーーーーーーーーーんと何かによって魔神具に吸い寄せられる鴉天狗の身体。
次の瞬間。
鴉天狗に亀山の魔神具が迫る!!
『うぎゃああああああーーーーっ!?』
ドガーーーーーーーーーーーンとクリーンヒットする亀山の魔神具は……鴉天狗を斬り裂くと……消滅させたんだ。
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◇
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