最終章邪馬国編シーン15
俺達の辿り着いた先は風の吹き付ける山の上だた。
「お……おお。」
「おお……この方法で本当に『転地』ができるとは思わなかったぜ」
「おお…本当に……お主は。」
天は…キラキラとした目で俺を見ていた。
「ん!?どうしたんだ?」
「い……いや……ん!?」
その時天が何かに気づきそちらに目を向ける。
するとバサッバサッと黒き翼を広げ上空に飛び出した影。
『若様ーーーーーーーーーーーーっ!?今すぐそヤツらからお離れくだされ!?』
「なにっ!?」
飛び出したのは数名の忍者であろうか。
『天狗の里の『黒翼忍』我らには貴様らのその魔神が見えているのだーーー!?若様から離れよ!!』
その言葉に俺達の魔神達が飛び出しかける。
『フン……奴らは忍か……だがこの俺様を知っての行為なのか?ならば見せつけてくれる……我が力を。』
ゴゴゴと俺の身体にも隣にいた雷武の力が流れ込み……そして。
『なにっ!?竜だと!?なぜ……滅んだハズのそれがここにいるんだ!?』
一人の忍びがそういい焦る。
その時。
「やめーーーーーーーーーーーーーーい!?」
天の大声がその場を治める。
ピタリとその手を止める忍び達。
『若………様……………くっ……。』
すると天の元に座り頭を下げる奴ら。
『若様……勝手な行動申し訳ございません。』
「ふぅ……お主達の我が里を守ろうとする事は有り難いがもう少し冷静でいてくれる事を願う。」
『分かり……ました。』
◇
◇
◇
俺達は天の後に続き天狗の里へと立ち入っていく。
周囲に見えるのは真っ青な空と白い雲が周囲に存在してるのだ。
そこはまさに天空の里と言っていいほどの場所だった。
天に着いていく俺達。
「うわあああーーーーーーーーーーっ!?すごぉぉぉぉーーーい!?」
「本当に!!いつも下から見ていた空にある雲が間近にあるよーーー!?」
「これは感動するわね!?」
サキノ、テンテンに引き続きカルマまでもこの光景に目をキラキラさせていたんだ。
確かに空にこんな世界が広がってるなんて誰も知らないもんな。
俺達の目の前に広がる雲海。
すると目の前に広がる真っ青な空と白い雲の向こうに建物が数箇所見受けられ最奥には大きな城が視界に入る。
「あそこじゃ……あそこが我が天空の城じゃ…着いてくるがよいぞ。」
「お……おう。」
俺達は天の後を追ったんだ。
◇
天の後を着いていくと俺達の前には巨大な鳥居が建っている。
「この鳥居は………」
俺達の前には数えるのも大変な程の数。
「これは千程の数があると言われる鳥居じゃ……この道を通ると邪をその身から払ってくれると言われているのじゃ…しかも、この道を通らぬと我が天空の城には辿り着けぬのじゃ……」
俺は、天の言葉に鳥居を見据える。
目の前には長く空へと続く道……その最果てに見える城。
「あそこにはワシの一族が棲んでおる……じゃがあの城に辿り着くにはこの鳥居を全て通り抜ける必要があるのじゃ……逆に通り抜ける事が出来なければ…我が一族との面会は難しいという事じゃ…どうじゃ……行くか?」
ここに来たのは亀山…サキノ、カルマ、テンテンに俺だ。
俺は今いるメンバー……そして俺の仲間達ならこの道を通り抜け……天狗の一族にも会えると思う。
『ああ…もちろんだ。』
『よし!ならば着いてくるがいい。』
天の後を追う俺達だった。
◇
◇
◇
「うわあああーーーーっ!?すっごーい!」
「うんうん!めちゃくちゃ長い道だしでも雲の上を歩くのってぷよぷよしてて楽しいねえ!?」
「二人とも落ち着きなさいってば……うわっ!」
二人にそういうカルマもこの雲の道のふわふわ感を実は楽しんでいるみたいだ。
すると亀山が何か震えている。
「ん?どうしたんだ?亀山?」
「い……いや……何か分からないんだけど……身体が……………………」
突然震え出す亀山。
すると亀山は苦しみだす。
「亀山!?」
亀山の様子を見ていると彼の身体が小刻みに震える。
そして…次の瞬間…。
どうっと亀山の身体から何かが抜け出していく。
それは黒い煙だった。
煙は徐々にその姿を変えていく。
俺が亀山を背に煙に目を向けていると。
煙が身体を作り出していくとそれは巨大な『天狗』へと変わる。
『くそっ!?ここまで来てこの場所で姿を現す事になるとは!?』
それはなんと何処かで見た事ある黒いモヤに包まれた黒き翼を持つ『妖怪鴉天狗』だった。
「鴉天狗!?こんな所に!?」
「くっ!?この僕についていたなんて…。」
『ククク……貴様らについて行く為に我が『沼』に立ち寄ってくれたのでな……このまま僕はあの天狗達を襲い魔王ゼルドリス様の為に一矢報いてやるうううーーーーーーーーー!!!』
『そう………はさせない。』
すると、そこに立ちはだかったのは……天狗の忍び達『黒翼忍』だったんだ。
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