最終章邪馬国編シーン8
亀山達の上から落ちてくる巨大な瓦礫。
「うわあああーーーーーーーーーーーっ!?」
「亀山ーーーーーーーーーーーーっ!?」
俺は叫ぶ。
その時。
ゴゴゴと地鳴りがしてくる。
次の瞬間。
『獣人化……うおおおーーーっ!!魔神具『玄武』』
亀山の背後に…魔神なのであろうか…巨大な甲羅が出現する。
いつしか亀山は亀のモンスターと化していた。
『ぐああああーーーーーーーーーっ!?』
「なんだアレは!?」
俺がそう叫ぶ。
そして亀山は巨大な亀の魔神と化している。
『こんなもの……『亀裂爆岩』!!!!!』
次の瞬間。
ドガガガーーーーーーーーーーンっと亀山達の頭上の瓦礫は粉々に砕かれた。
パラパラと粉々の瓦礫の破片が地面に落ちていく。
亀山は深い息を吐くとスーッと獣人化を解いていく。
「ふぅ…………タイちゃん………大丈夫?」
「は……はい…ありがとう、亀山さん。」
俺達が安堵する。
「なんとかなったか。」
「えっ!?」
俺達を見た亀山の顔は驚きの表情で固まっていたんだ。
「これは……君たちは本当に……。」
◇
◇
◇
「そうなんだね……君たちは魔王を追ってるって事なんだね?だからその力が。」
「ああ……そしてやはり当たっていたな……あいつは魔王軍と言っていた…きっとあいつから魔王に近づくなにかの情報が得られそうな気がするぜ。」
「あの………」
すると…俺と亀山の話に割って声をかけてきたのは音姫の友人であろう二人の女性だった。
「タイちゃん…ヒーラちゃん。」
「亀山さん……私達の為にありがとうございます、というか亀山さんって本当は強かったんですね。」
「えっ!?ああ……あはは……これは……ねえ。」
「それなら!!!」
そう叫んだのはヒーラと呼ばれる女性だった。
「私達の大親友の音姫ちゃんを助けてください!!」
目に涙を貯めうるうるとした眼差しで俺達…そして亀山を見ていた彼女達。
亀山は震え声を上げる。
「も……もちろんだよ……それで音ちゃんは何処に連れていかれたのか分かるかい?」
「亀山さん!!はい……実は浦牙島が話していた事を聞いたんですけど…この街の漁港から数キロ離れた海上にアイツらの島があるらしいんです…きっとこの街でアイツらに逆らった者もそこに連れていかれていたのでしょう…その名は『シーズアイランド』と言っていました。」
「そうか…きっと音ちゃんもそこに連れていかれたのかも知れないな。」
亀山は海の先に目を向ける。
「亀山……そこまでどうやって行く!?」
「クロノ君……それは僕に任せてよ…僕は亀の獣人…僕が力を貸してくれる方達を背に乗せていくからさ。」
すると。
「獣人化……魔神『玄武』」
むくむくと亀山の身体は一回り、二回りも巨大化していく。
そして。
二足歩行の巨大な亀が立ち尽くしていたんだ。
「さあ……乗ってくれ!!!!!」
◇
◇
◇
街にまだ敵の猛威がくるかも知れない。
俺達はそう考える。
街にはエンポリオ、イシメールとフェリシモが残る。
サキノ、テンテン、カルマそして亀山と俺で敵の居城となる『シーズアイランド』へと向かう事になったんだ。
巨大な亀の背に乗る俺達。
ここまでくるとこんなモンスタークラスのマジェスト達もいるのだろう…この時亀山が俺達の仲間のような形になっている事を幸運に感じたんだ。
「うわあああーーーーーーーーっ!?」
「はやーーーーーーーーーーーぃ!?」
俺の妹のような二人テンテンとサキノはこんな時も楽しそうだ。
するとカルマは叫ぶ。
「亀山くんごめんねーーーー!!皆で貴方の背中に乗せてもらっちゃってーーーーーっ!?」
そう本当にモンスター化した亀山の背の広さは凄かった。
人なら十人くらいは座れそうなちょっとした小船くらいの大きさだった。
「えええーーーーーーーーーっ!?なんですかーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
亀山の巨大な声が俺達の耳に響いてくる。
「うええええーーーーーーーっ!?さすがに身体にあったくらいでかい声だぞ!?」
「うん!!着くまで声かけないでおこうよ!」
カルマも同じように感じたらしい。
すると。
突然……亀山の雰囲気が変わる。
「皆!!もうすぐ奴らの気配のする何かに接触しそうだ!!??」
「亀山!?島はどうだ!?」
「島は…………………………………」
突然亀山の巨大な身体が起き上がっていく。
「うわっ!?し……島は!!!???………………こ……この下だああああああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!???」
突如現れた島の出現によって俺達を乗せた亀山の身体が下から突き上げられる。
『ククク…………あーーーーっハッハッハ!!貴様らが僕らを追ってくる事など分かりきっていたぞ!!???海から無事に我が島に這い上がる事が出来たなら僕が相手をしてやる!!まあ無理だろうがな!!あーーーっはっはっはーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
広大な海には浦牙島の声が響き渡ったんだ。
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お読みくださりありがとうございました。




