最終章邪馬国編シーン6
俺達の前に現れた『浦牙島』の部下達。
下卑た奴らの行動は俺達の逆鱗に触れ…そして消えていったんだ。
俺達の戦いを見た亀山。
「お……おお……クロノさん……貴女達は……マジェスト……なんですね?」
亀山は驚きの表情で言葉にしていた。
「ふぅ……そうだけど、アンタがそれを知ってるって事は……」
「はい………実は僕も…………」
その時。
ザザっと何者かの足音が聞こえる。
そこに現れる数人の影。
「うわっ!?なんだこれ!?」
「おい!?こっちの奴らも!?」
さっきの魚獣人の仲間達だろうか。
ワラワラと集まりだす魚族達。
どれも見た目は厄介そうな奴らだった。
「皆さん!?奴らはかなりの数がいます!厄介なのでここは退きましょう!?僕に着いてきてください!?」
「お、おう。」
こうして俺達は亀山の後を追っていったんだ。
◇
◇
◇
「はあはあはあ。」
息を切らし着いた先は海が見える小高い丘の上だった。
ふぅーーーーっと深い息を吐いた亀山。
「はあ……やばかった……。」
「どうして逃げたんだ?」
俺の言葉に驚きの表情を見せる亀山。
「何故って?アイツらはこの街を仕切ってる『浦牙島』の息のかかった魚獣人の集団なんだ…アイツらを恐れてこの街の連中は従う者達ばかりなんだ…しかもアイツらを纏めているのがあの『浦牙島』なんだんだよ……この街の治安維持という名目で存在してるけど…その裏では権力と暴力を見せつけこの街で好き放題…我が者顔で存在している、とんでもない奴らなんだぞ!?いくら君達が強くても奴らには、かないわしないんだ……。」
「だから何だ!?」
「君だってそうだ…今僕が説明した通り奴らは恐ろしいんだ…君は女の子なのにどうしてそんな奴らが怖くないんだ!?」
俺は亀山の問いかけに奴をじっと見据える。
「怖くねえよ?」
そんな俺をじっと見ている亀山。
辺りは夕暮れ…俺達を夕日が照らす中…亀山はじっと俺を見ていたんだ。
俺は口を開く。
「なあ亀山……?人の一生はあっという間なんだぜ?そんなあっという間の時を嫌いな誰かに怯えたり馬鹿にされて生きて……つまんねえだろ?」
「えっ?」
俺の言葉にボーゼンと立ち尽くす亀山。
「お前だって音ちゃんって子に惚れたんだろ?そんな自分の大切な人の為に…奴らに一矢報いるのもありなんじゃねえのか?」
「クロノちゃん。」
すると後ろから黄色い声が飛んでくる。
「いやあああーーーっ!?クロノさんほんっとにカッコよすぎーーーっ!?」
「やっぱりクロノは私の王子様だねっ!」
二人がいつものようにわちゃわちゃと俺にすがってくる。
すると亀山に近づいたのはエンポリオとカルマだった。
「亀山くん……実は僕らのパーティーでも僕はまだまだ新参者でマジェストとしても実力もなくて自信もないんだけどさ…それでも僕は自分のできる事を命懸けでやってきたつもりさ…だから君だって大丈夫さ、僕も協力するし音ちゃんを守らなきゃだね。」
するとカルマはニコりと微笑む。
「うん…エンポリオ君ってやっぱりカッコイイ!」
「ありがとうカルマさん!?」
照れるエンポリオをじっと見ている亀山はぷるぷると震える。
「おおっ!?あんな見た目はカッコよくなくてもあんな可愛い子とイチャイチャしてるーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
亀山は何故か興奮しはじめる。
エンポリオには悪いがカルマとエンポリオの関係がどうやらこの亀山の心に火をつけたのかも知れない。
「うおおおおおおーーーーーーーーーーっ!?なんか燃えてきた!!僕だってあの音ちゃんを
助けて彼女にしてやるーーーーーーーー!?」
「は?」
「はあ?」
俺達は急にやる気を出した亀山に開いた口が塞がらなかった。
すると遠くから急にサイレンの様な音が聞こえてくる。
辺りには騒ぎ出す街の人達の姿があちらこちらに見える。
「あれ!?どうしたんだろ?」
「遠くから聞こえるね?」
「あの方向は……『竜宮城』!?」
「きゃあああーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
俺達は突然の叫び声にそちらの方に走り出す。
見えてくるのは街中に立ち上る炎。
そして逃げ惑う街の人達。
すると目の前に飛び出してくる逃げ惑う街の人。
追って来ていたのは先程の魚獣人達。
「はあああーーーーーーーーーーーーっ!?」
「テンテン!?」
「クロノさん!?先に行って!?ここは私達が!?」
「獣人化…ゴルンガ…いくぞ!?」
テンテン、イシメール、そしてフェリシモも構え戦ってくれていた。
「さあ!!ここは私達が!?ローズウィップ!!魔神『フェリーヌ』!!」
皆が俺達を先に送り出してくれる。
「こっちに匂いがするよ!?」
サキノは匂いで俺達の道を示す。
「亀山さん!?いこう!?」
「うん!!」
カルマ、サキノ、俺、そして亀山は呑み処『竜宮城』へと先を急いだんだ。
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