最終章邪馬国編シーン4
俺は助けた亀……いや亀山から告白される。
誰もが亀山の告白に驚き固まってしまったんだ。
すると、亀山にカルマが声をかけてくれる。
「あの……この子に結婚とか……どういう事ですか?」
「えっ!?えええーーーーーーーーーっ!?」
亀山の驚きの声。
それは、この海岸中……全てに響き渡る程の大声だった。
「ど……どうしたの?」
カルマが問いかけながら近づく。
すると…真っ赤な顔をして慌てふためく亀山。
「あわわ…お、音………ちゃん!?」
「えっ!?」
カルマの白く透き通った長い髪が海風にふわりと靡く。
そして…俺達はカルマを見てそう呟いた亀山に俺達は話を聞く事にしたんだ。
◇
◇
◇
「ふぅ……なんとか落ち着いてきました……皆さんすみません、取り乱してしまいました。」
「あはは、いいぜ、大丈夫だ!気にすんな…それより、さっきあいつを見て言ってた名前の『音ちゃん』って誰の事なんだ?」
俺達は興奮し取り乱していた亀山を落ち着かせ今こうして亀山の話を聞こうとしていた。
亀山は空に目を向け口を聞く。
「音ちゃんはね…この地の街の町長の娘で村のアイドルの様な存在なんです。」
こうして…亀山は話し…はじめたんだ。
◇
この街は漁師の街で漁業が盛んなのです。
昔から街の者は漁師。
僕も漁師の一人なんです…ここいらの海もそうだけどこの世界の海も数年前までは荒れるとはいえ…漁もそこそこ腕があればなんとかできてはいたんですが…あの魔王が復活以降…海には巨大な怪物が溢れ出し世界の海は漁ができなくなってしまいました。
僕はショックのあまり荒れてしまい、いつしか仕事もせず……酒に溺れていったんです。
ある時…僕はいつものように酒を飲みフラフラと飲み歩いていました。
その時…僕が歩いて発見したのは、この街の最奥に煌びやかな場所……「飲み処」という立派な建物が出来ていたんです。
僕は店の前で立ち尽くし呆気にとられ見ていると店の看板には『竜宮城』と書かれていました。
僕が、ぼーっとしばらく店の入り口を眺めていると店から人が出てきました。
それは店の女の子だろうか…女性が二人出てきたんです。
一人が可愛い系の女の子。
もう一人は……………。
僕は一気に胸が熱くなってしまったんです。
白く透き通った長い髪。
肌が美しく本当の意味で綺麗な女性だった。
僕はその子のあまりの美しさに固まってしまったんです。
こんな綺麗な子が僕の住んでる街にいただとおおおおおおおおおーーーーーーーーーーっ!?
僕は固まってると…いつしか持っていた道具袋を落としていたんだ。
するとその子は僕の目の前まで歩いてくると道具袋に手を伸ばし拾ってくれたんだ。
そして僕に道具袋を差し出す彼女。
にっこり微笑む彼女は口を開く。
「はい!これ……落とされましたよ?」
「あ……あ……ありがとう。」
天使のような笑顔で僕に優しく接してくれた彼女に僕は恋をしてしまったんです。
◇
僕は彼女にハマって行きました。
呑み処『竜宮城』そこは彼女の働く店だったんだ。
こんな店がいつの間に街に出来ていたのか?
僕にはそんな疑問が湧いてきたが彼女に手を引かれ着いて行った店に案内された僕は店に入るとそこは煌びやかな店内。
中は五十人程の人間が入れるであろう広さ。
キラキラしたネオンが店内を飾っていたんだ。
僕は案内され席に通され席に着くと……見るだけで美しいお酒、そして美味しそうな料理の数々……ここは夢のような空間だった。
すると僕の隣に座り笑顔をくれた彼女。
「いらっしゃいませ!私は『音姫』です!来てくれてありがとうございます。」
「あはは、僕は亀山……さっきは道具袋を拾ってくれてありがとう。」
僕たちは、お互い楽しい時間を過ごした。
それから僕はいつしか彼女の店に毎日通うようになっていたんだ。
僕達はお互いの事を知りどんどん仲が良くなった。
僕は彼女にハマっていった。
そして彼女も僕に満更でもなかった気がした。
ところがある時。
ドンっと僕は突き飛ばされる。
いつもの様に楽しく店で飲んでいた僕は突然店内で絡まれたんだ。
「おい…てめえ……毎日『音』に寄ってきてるがなんなんだ!?」
「えっ!?でも僕は店に彼女と話すのが楽しみに来てるだけですが!?」
僕はそう言い返す。
すると…奴は突き飛ばされた僕を心配して隣にいてくれた彼女の身体を抱き寄せる大男。
「この女は俺様『浦ヶ島』の女だ…てめえは近づくんじゃねえよ?」
「!!!????」
僕は大男の声に激しいショックを受けていた。
でも…彼女はぷるぷると震えていた。
僕は彼女のあの悲しげな表情に何か裏があるかも?と思ってしまいました。
◇
「っと……こんな事があって僕は彼女と出会ったのですがさっきの大男が僕が彼女接触する事を避けてくるんです……あ、でも貴女…貴女がその『音』ちゃんにそっくりなのですけれどね?」
そう言い笑う亀山。
そんな話を聞いた俺達。
「その子の事をアンタは気になるって事か?」
「うん、そうなんです。」
するとカルマが口を開く。
「クロノ!ちょっと彼を助けてあげようよ?」
「な!?なにを!?」
俺は全否定しそうになり固まってしまったんだが…俺は深く…ため息をつく。
「ふぅー確かにカルマはこんな奴だったっけな」
「そうだねクロノ」
サキノも不思議と納得する。
確かに冒険の始まりは、こんな旅してたっけな。
俺達は亀山の件を片付ける事にしたんだ。
◇
◇
◇
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