最終章邪馬国編シーン3
俺は竜村が気になっていた。
俺のルーツに纏わるかも知れない場所にどうしても興味が湧いてしまう。
皆の場所に戻った俺は今見た話を聞かせる。
すると口を開くカルマ。
「竜村ね……そこにクロノの事が分かる何かがあるのかな?」
「そうかもな……上空から見たけど何か感じるんだよな…でも結構遠くてな……。」
「そうなんだね?すぐにいく?」
「いや…まだ…まあ、これからこの地を見ていけば……」
俺達は森の中を移動中…そんな会話をしていた。
すると……目の前の木々が開けてくる。
そして…そこには。
「お!?」
「「おおっ!!???」」
俺達の視線の先にはなんと。
どこまでも広い砂浜が広がる海が見えたんだ。
皆が感動の声をあげる。
キラキラした砂浜そして青く広がる海……俺達は一斉に声をあげてしまった。
「凄いねクロノ?」
「本当、本当、海綺麗ですう。」
サキノもテンテンも目を輝かせている。
「ここが海かあ?」
辿り着くと、ひょこっと飛び出してきたのはヘキサだった。
「ヘキサは海初めてか!?」
「うんうん!すっごく大きな湖だああ〜〜〜!」
ヘキサが感動していると一際喜びの声を上げたのはイシメールとフェリシモの声だった。
「海かあ……僕初めてなんだよ〜。」
「すっごく綺麗ですねえ〜!イシメールさんとこれて私幸せです〜!」
「僕もめちゃくちゃ嬉しいよ。」
二人はイチャイチャと跳ね回っていた。
「ふぅ~~やれやれ。」
俺はため息を着いていると。
「エンポリオくんっ!!」
「カルマさんもすっごく綺麗ですよ〜!?」
例の二人もはしゃぎ水遊びをしていたんだ。
すると俺の両腕に腕がするりと回される。
「ん!?なっ!?」
右腕にはテンテン、左腕にはサキノが構え俺と腕を組んでいた。
「さ!?クロノさん!わ、た、し、と行きましょ?」
「いやいやいや……クロノは、わ、た、し、と行くのよね?」
二人ともあれからずっとこの調子で俺から離れようとしないのだった。
そんな俺達が砂浜を歩いていると……先の方から突然ドンッという激しい音が聞こえる。
◇
「おい!!またお前か?一体いつになったら分かるんだ?」
そう叫んだのは大柄な大男だった。
先程の音は対峙しているガリガリに痩せた貧相な姿の男だった。
男は大男の前に倒されたのだろう…両手を砂浜につけ…焦り顔で大男を見て震えていたんだ。
それは大男が本当に怖かったんだろう顔は恐怖に引きつっていたんだ。
すると大男が更に口を開く。
「お前は本当に何度言ったら分かるんだ?音にはこの俺が似合うんだよ?お前みたいな鈍くて弱っちい奴はおよびじゃねえんだ……分かったらさっさと………。」
そう言った大男はムクムクとその身体の様子が変化していく。
元から巨体ではあった大男は更なる変化を見せる。
『獣人……変化………………『プリオサウルス』!!』
細い男はその光景に目を瞑る。
巨大な男は大きな口、それに見合った巨大な身体に変化、二足歩行の巨大な恐竜といった恐ろしい姿へと変化していたんだ。
そしてそいつは手に持つ巨大な長い大斧を振り上げる。
その時。
「たああああああーーーーーーーーーっ!!」
ダッとその場に飛び出した俺の身体。
そして大男の凶刃を止める。
ガキイイイイイーーーーーーーンっと俺の刀が奴の凶刃を食い止めガチャガチャと音を立てる。
奴のあまりのパワーに周囲に爆風が巻き起こる。
ギリギリと音を立て力比べとなる俺達。
すると奴が口を開く。
『くっ!?貴様……何者だ!?』
「俺はクロノ………力なき者を助ける者だ。」
バッと大男の凶刃は俺の刃を弾くと再び武器を構え直す。
俺はしゅるりと体制を変え着地し奴を見据える。
◇
ジリジリと対峙する俺達。
その時。
「「クロノーーーーーーーーーーーっ!?」」
「「クロノさーーーーーーーーーーん!?」」
俺を呼ぶ仲間たちの声が聞こえてくる。
すると大男は魔神具なのであろうか巨大な武器を背の柄に仕舞う。
「ちっ…邪魔が入ったか……わかったな……亀山…………もうお前は『音』には近づくんじゃねえぞ。」
大男はそう一言呟くと何処かに立ち去っていったんだ。
俺は奴の背後を見ながら収刀する。
「き……君は………誰…………なんだい?」
ぼーっと俺を見ながら声をかけてくる助けた男。
すると……どういった訳か俺を見る男の顔が赤くなっている。
「どうした?お前めちゃくちゃ顔赤いじゃねえか?」
「あ……いや…僕…こんな綺麗な女子と話したのは『音』さん以外あまりいなくて……き……緊張する……っていうか…………あの……僕と…………。」
その時、俺の背後から聞こえてきたのはサキノ達の声だった。
「クロノーーーーーーーーー!?あ!ここにいたんだ。」
「もう……勝手にフラフラと……クロノは本当にこま……………」
サキノに続きカルマがそう言い切ろうとしたその時。
亀山は叫ぶ。
「僕と!!結婚を前提に付き合ってください!!???」
「は!?」
「「はあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!?????」」
俺達は亀山という男の声に固まってしまったんだ。
◇
◇
◇
亀山の突然の告白に固まる俺達。
果たして!?
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