最終章邪馬国編シーン2
ぎゅーーーーんっと急下降していくイヴレーア号。
「「おお!!おおおーーーーーーーっ!?」」
俺達は一同に、この状況に叫んでしまう。
「皆!!邪馬国は島国…しかも魔王のいるだろう国……派手な着陸はできないから着陸場所を捉えて急降下していかなきゃいけないんだ…少し揺れるけど…掴まっていてね!!」
「「うわっ!?わわっ!!わあーーーーー!!激しすぎるぅぅーーーーーーーーー!!!」」
ギュンッと急旋回していくイヴレーア号、そのまま邪馬国の大地であろう場所に降りていく。
ぐんぐん降りていく機体。
そして…それはどこかの森であろう場所に。
「フェローム!!!頼むーーーーーーー!!」
『オーケーエンポリオ!!!』
フェロームの身体がキラキラ光り輝きその光はイヴレーア号を包み込み……そして。
次の瞬間。
イヴレーアの機体は、ぐにゃりと柔らかさを見せ……着地する。
ポヨンポヨンっと機体は大地に跳ねていく、数回の着地を繰り返し……そして。
俺達を乗せたイヴレーア号は深い森の中に着陸したんだ。
この状態に俺もサキノは慣れてしまっていたのは言うまでもない。
「ふぅ……サキノ大丈夫か!?」
「うん!あはは!でも流石に二度目は慣れたね?」
「ああ!」
俺達二人がそう笑いあっていると。
「もぉ~~!これはなんなんですか~~??」
「あはは!テンテンちゃんごめんごめん!あ!カルマさん大丈夫!?」
「私も慣れたからね?」
そういいながら機体から出てきた三人。
エンポリオもカルマそしてテンテンも無事なようだ。
すると俺達の目の前にふよふよ浮いていたのは妖精フェリーヌだったんだ。
フェリーヌは俺に気づくと口を開く。
「あーーーーーーーーーーーっ!?あの時のお兄さん!?」
「よお!!いつの間にかフェリシモの魔神になっていたんだな?とりあえず無事で何よりだ。」
「まあねえ~~~!あたしにも色々あったけどこうして魔神になって今はフェリシモと楽しく過ごしているってわけよ。」
「そうかそうか!お前も苦労したんだな?」
「そうそう……それでね…」
突然フェリーヌは何かに気が付き耳をぴくりと動かし話を止める。
すると……フェリーヌの背後にぷるぷる震えたっていたのはフェリシモの姿だった。
「フェリーヌ?あなた私達を放っておいたままそこの男と楽しそうに話しているってのはどういう事なのよ!?」
「あはは!ごめんごめん!私の可愛らしさに免じて許して!」
「ふぅ…まったく……あ!イシメールさんっ!?大丈夫!?」
「あはは、大丈夫だよフェリシモちゃん、ありがとう!!」
二人も無事なようだ。
俺は改めて辿り着いた辺りを見渡す。
深い森の中にはいるようだが。
改めて俺は上空から見渡してみたくなる。
すると。
『飛行も可能だよ。』
そう脳内に聞こえたのはラブラの声だった。
「ラブラか!?」
『ええ…私は貴方と一つ……聞きたい情報は答えれるし私が本来持ってた脳内も引き継いであるわ。』
「そうなのか!?」
『ええ!さ、飛行……試してみて?』
「ああ。」
俺はそういうと。
俺の身体にはドラゴンの羽根が生えてくる。
「お?マジで出た!!」
「「な!?クロノ?突然どうしたの!?」」
皆が俺の身体に驚いていたんだ。
「俺が上空からこの辺りの様子…見てくるよ。」
「う、うん。」
そう返してきたのはサキノだった。
俺は皆に目配せをすると上空に目を向ける。
すると。
すーーーーーーっと浮き上がる俺の身体。
「おおっ!?本当に飛べたぜ!?」
次の瞬間…バサリと羽根を羽ばたかせてみる。
風圧で俺の身体は宙に飛行していく。
数度試すと俺は瞬時に自由に飛べるようになっていた。
「よし!!これなら上空からもこの大地の様子が見れるぜ。」
俺は更に上空へと羽ばたき舞い上がっていく。
そして辺りが見渡せる場所まで辿り着く。
すると。
見渡すと遙か彼方には海が見える。
それはこの国が海に囲まれた島国だという事を知れる。
「うーん……日本の様な大地……やっぱりここは邪馬国なんだろうな。」
すると俺の背後に飛んで現れたのは魔神雷武。
『クロノ……あそこに見える場所分かるか!?』
雷武が指さした場所には見渡すと邪馬台国では一番の様な大きな山があり山間に小さな村が見える。
山は静かに佇んでいた。
まるで遙か昔からそこにじっとそびえ立っていた様に。
「何か懐かしい感じがするな。」
俺は雷武にそう返す。
するとニヤリと笑う雷武。
『そりゃそうだろうな……あれが俺やお前のルーツが眠っている場所……富士の竜村と呼ばれる場所だからな。』
そう告げた雷武。
俺達はじっとその山を見据えていた……そこにはまるで竜の何かを感じながら佇んでしまっていたんだ。
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