ブラズール世界編シーン68
ラファエルの能力によりエルフィーナの魔神シルフィードの暴風の能力に巻き込まれる俺達。
しかも、その能力に更にシャルロットの魔神『ホビット』の力まで加わり襲いかかってくる。
◇
『はあああーーーーーーーーーーっ!?』
ラファエルが叫ぶとシャルロットの魔神具から魔神が本体の姿を引き出されていく。
「くっ!?私の……魔神が!!???」
『魔神支配』
そしてシャルロットの魔神はその力を解放させる。
『グギギッ……土竜風』
辺りに彼女の魔神の能力が放たれる!!
周囲の土を巻き込んだ激しい風がひろがり俺達の視界を奪っていく。
「くっ!?こんな有り得ない能力を持っているなんて。」
「エルフィーナ様!?すみません!魔神が勝手に操られて……くっ!?ああっ!」
そう話したシャルロットは力を奪われ跪き倒れていく。
するとラファエルは薄気味悪い表情を浮かべ言葉を続ける。
『ククク……俺様の魔神『ベルゼブブ』の能力は魔神を支配するという特殊な能力を持つのだ……この力により俺様はあの最強の魔王にも匹敵する能力を持っているのだ……お前達には、もはや絶望という言葉しか残らぬのだ……せいぜいこの場で苦しまぬように殺してくれる……このブラズールの王に逆らう事の意味を悔やみながらあの世へ逝くがいい。』
ラファエルは、そう言うと、その手に何かを握っていた。
『ククク……魔神ベルゼブブ……そして魔神具『蝿王』今こそその力を示すが良い。』
奴の魔神具は『戦斧』の形状の武器だった。
そしてラファエルは続ける。
『さあ…そこの者共よ……今こそ我が力に屈しそして絶望を感じるがいい。』
俺は奴の前に出る。
「おい……てめえがここのブラズール王って奴か。」
『ああん?なんだ貴様は!?』
「俺はクロノ……ここのエルフィーナ含め、これからこの俺がお前を倒してブラズールを守るんだ。」
俺の言葉にラファエルは笑い出す。
『ククク……お前は愉快な冗談が好きと見える…身の程知らずとはお前のような奴の事を言うのだぞ……貴様も見たであろう?俺様の能力で貴様はじめ皆々がもうボロボロであろうぞ。』
確かにあの能力に皆が驚き、そして、かなりの大ダメージを負ってしまっていた。
「ククク……よく見るがいい……貴様の仲間達は俺様の力の前に為す術なく地に伏せているのだぞ……そして貴様も…仲間を守ってるだけでは何も出来まい。」
ゴゴゴと地より音を立て這い出してくる奴の魔神ベルゼブブ。
蝿の王とは確かにその力も魔力も絶大だった。
するとベルゼブブはその身体を変化させていく。
「あ、あれは………」
「ええ……ラファエルは魔神ベルゼブブと同化しようとしています……そうなったら先程以上の魔力を有し手がつけられなくなってしまいます……それだけは何とか避けないと……。」
エルフィーナはそう呟く。
『さあ……ここからは魔王……そして魔族の繁栄の第一歩だ……大人しく全員………………』
奴が魔神具『蝿王』を振り上げていく。
皆を守る為にしか動けない状況。
俺が起死回生を狙い考えるも…このままでは。
そして。
『死ねーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
奴の怒号混じりの声。
すると。
『フェリスお願い。』
『フェロームいくぞ。』
この聞き覚えのある声は!!??
魔神ベルゼブブの攻撃を止める二人の魔神。
「カルマ!!!???」
「エンポリオ!!!???」
そう、そして俺様の頼れる仲間カルマとエンポリオの姿があったんだ。
◇
「クロノ……。」
「はは……カルマ……おかえり。」
「うん!ありがとう。」
カルマは笑顔と共に帰ってきたんだ。
そしてエンポリオが口を開く。
「クロノ君……皆の事は僕達に任せて……君は。」
エンポリオの指の先には……そう……この場を全てを支配しようとしているラファエルの姿があったんだ。
俺は改めて奴の目の前に立ち尽くす。
「よう……ようやくお前と俺の一騎打ちになったな。」
『なに………貴様。』
ドーーーーーーーーーーーンと激しい爆風を立てる。
「俺もいくぞ。」
ドウっと激しい闘気を立てる俺の身体。
これまでの俺の力に加わったドワーフ王の思いを乗せた俺の新しい魔神具。
「ここからは一切の遠慮なんて無しだ。」
スーーーーーーーーーッと刀を構え……そして切っ先を奴に向ける。
『生意気な奴だ……聞いていた話では前回貴様は力を失ったハズ……だが、新たな力を得たようだがな…そんなものを手にしたとして……我が力は魔王ゼルドリスに匹敵するもの……小賢しい人間にどうにかできるものではないわーーーーーーーーっ!?』
奴の魔神が大いなる力を見せる。
ベルゼブブの力で操った魔神を合体させていく。
『どうだ…先程までとは違う俺様の魔神の力…貴様は俺様の足元にも及ばん!!』
『死ね……!!!!!!』
あまりにも激しい力で俺達のいる空間まで歪み始める。
『俺もお前にトドメを指すぜ。』
『そうはさせるかーーーーーーーーー!?』
◇
◇
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