ブラズール世界編シーン６６
俺を包み込むクラーケンの閉鎖
その力は以前…俺の魔神具を破壊した。
だが俺の為にドワフロスがその生命をかけて新たに作ってくれた魔神具。
俺の手には今その新たな魔神具『真打刀…武神』が握られている。
「クロノ！？」
「クロノさん！？」
皆の声が聞こえ俺を心配し思ってくれている。
俺の為にこんなに皆は。
すると。
ゴウっと爆音を立て燃え上がり俺の背後に姿を現したのは。
『魔神…………雷武………………』
そして爆炎はドラゴンの身体を形どる。
『がはあああーーーーーーーーーっ！？ククク……クク………はあああーーーっはっは…俺様……ふっかーーーーーーーーーーーーつ！！！あの時の事は兆倍にして返してやるぞ！！覚悟しろクラーケン！！？？？』
姿を再び現した俺の魔神具に宿る相棒…魔神雷武。
その姿は更なる力を得たのが分かるくらいの変貌ぶりだった。
「雷武……お前……強くなったじゃねえか……。」
『ククク……そうだなあ…今の俺様なら以前のてめえなら瞬殺してただろうぜ。』
「てめぇのその相変わらずの口…前のお前なら
今の俺なら速攻斬り裂いてやれただろうな。」
俺達はまたバチバチと闘気を顕にしたんだ。
すると。
「クロノさんっ！？」
気絶していたテンテンが目を覚ましたらしい。
「テンテンちゃん！？」
「サキノちゃん……私達の大好きなクロノさん…すっごいかっこいいね」
「うん……うん………！」
そんな二人を見ると相変わらずだ。
そして。
「クロノくん……ごめん……僕がいながら…。」
「大丈夫だイシメール……ありがとうな…待たせちまったよ。」
「はは……やっぱり最後は君に任せるよ。」
フラフラとイシメールはそういい気絶していったんだ。
「イシメールさんっ！？」
そう叫び駆け寄ってくるフェリシモと呼ばれるエルフ。
俺はイシメールを彼女に預ける。
するとエルフィーナが口を開く。
「貴方は…その魔神具…。」
「ああ……これはドワフロスが俺の為に作ってくれた魔神具……俺はもう……負けない。」
「そうね……私も貴方にかけたいわ。」
「ああ……任せろ。」
エルフィーナはドワフロスの気配を俺の魔神具から感じたのかもしれない。
そして。
『ぐあああああーーーーーーーーーーっ！？』
突然叫ぶラムド。
どす黒い瘴気を吐き出し辺りを闇に変えていくクラーケン。
そしてラムドは魔神具を取り出し構える。
「もう…ここからは貴様に余裕など与えん……さあオーク共…魔界の強者どもよーーーー！！僕……そしてラファエル様の為にこいつらを破壊しつくすのだーーーーーーーーーーーっ！？」
次の瞬間。
魔物達に力が蘇る。
ぐおおおおおおおーーーーーーーーーーっと叫ぶと各々に武器をとり、あるものは魔法をまたある者は武器を振り回し俺に一斉に襲いかかってくる。
「「クロノさん！？」」
「クロノ…………………！？」
皆が俺の身を案じてくれる。
次の瞬間。
俺の周囲の時が止まった気がした。
すると雷武の声が聞こえる。
「随分とデカい力を手にしたな。」
『ああ……ドワーフ王はその生命をかけて俺達にこの魔神具を作ってくれたんだ……ここまで俺もお前も強くなったが足りない力も今揃った……もう誰にも負けねえ！！行くぞ！？雷武！？』
俺達の前に最大の力を発し黒闇を発する。
それは俺達を包み込む。
そして。
ごーーーーーーーーーーーーっと激しい暴風が俺の周囲を巻き込んでいき黒い煙を散らしていく。
『なにっ！？貴様ーーーーーーーーーーっ！？』
ラムドの叫び。
「うるせえよ……お前はやりすぎた…」
『ええいっーーー！？お前らも女共をやっちまえ！？……な！？なにっ！？』
やつが見た光景は全ての配下の兵士達が倒され骸となってる姿。
『貴様……いつの間に配下どもを……』
悔し気な表情で唇を噛むラムド。
「ああ……俺達は油断さえしてなければ以前もお前に負ける事はなかったからな……当然の結果だ。」
『うるせえーーーーーーー！？またお前の魔神具をぶっ壊してやるーーーーーーー！？』
全てをかけ俺に襲いかかってくるラムドと魔神クラーケン。
俺は、すーーーーーーーーーーっと刀を構えていく。
「「クロノさん！？」」
「クロノ！？」
皆の声……そしてサキノの声が聞こえる。
「俺はもう……皆の涙はみたくねえよ。」
『うるせえーーーーーーーーーーーーー！？』
『閉鎖』
『魔神雷武…………極………』
俺の刃はクラーケン……そしてラムドの身体にすーーーーーーーーーっと添えられる。
それは真剣の斬れ味を示すかのように。
そして…次の瞬間……溢れ出す魔神雷武のパワーが爆発する。
『武神流……『極……竜刃』』
「なにいいいーーーーーっ！？ぐっ……がはっ！！ラ……ファエル……様ーーーーーーーーーーーーーーっ！？ぎゃあああーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！」
ズザザザザッと奴の身体は斬り刻まれ。
一つの細胞レベルまで破壊され……全てが消え去ったんだ。
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お読み下さりありがとうございました。
