ブラズール世界編シーン62
クロノが覚醒した…その頃。
ここエルフの神樹では。
「エルフィーナ様!?エルフィーナ様!?」
エルフの女王エルフィーナはとある異変を察知していた。
「なんです?何があったのです!?」
エルフィーナ様の所にきたのは僕イシメール、フェリシモちゃん、そしてシャルロットさんの三名だ。
エルフィーナ様は先の魔族の侵略に力を発揮した。
エルフィーナの魔神は森の精霊ドライアード。
そしてドライアードの能力によりエルフィーナ様はなんとこの神樹と同化するという恐るべき能力でこの神樹ごとエルフの国を守ったのである。
するとエルフィーナ様の前にひざまづいたシャルロットさんが口を開く。
「エルフィーナ様……実は……ドワーフ国から凄まじい力を感じたのですがあれが何かをエルフィーナ様は確認できたのだろうか?と聞きにまいったのです。」
「フム…その事だったのですね…ええ…確かに一度だけですが凄まじい力を感じましたね……でもあれは……ん!?」
「どうしました!?エルフィーナ様!?」
エルフィーナ様が何かを感じたのだろうか……言葉を止める。
「この気配は……皆の者……今すぐにこの神樹…そしてエルフ国を守る為…全防衛にあたって欲しいのです。」
「エルフィーナ様……それは。」
「ええ……森の声によると…どうやらこのエルフの神樹に魔族が近づいていると報告がありました。」
すると悔しげにエルフィーナ様は続ける。
「なんと……性懲りも無く…再びこのエルフの国に攻め入ってこようとは……だがちょっと待つのです…。」
そう言ったエルフィーナ様は神妙な表情を浮かべている。
どうやら森の声を聞いているようだ。
しかしその表情はどんどん暗く影を落としていく。
すると彼女は一言呟く。
『時代の流れには…やはり逆らう事などできませんでしたか……ドワーフ王……『ドワフロス』殿…永き戦いは精霊族代表として私…エルフィーナが見守っていきましょう。』
「エルフィーナ様!?」
シャルロットさんは問いかける。
「ええ……いいですか皆さん……これから私が告げる話を心して聞いてください……。」
エルフィーナは神妙な表情のままゆっくりこの神樹内全てに語りかけるように話し始めた。
「皆さん……これから私が話すのはドワーフ王『ドワフロス』様からの言葉です…」
エルフィーナ様はそう言うと神樹に向かい手を向ける。
そこにはとある映像が映し出される。
その映像にはなんとドワーフ王が映し出される。
すると所々から聞こえてくる声があった。
「ドワーフ王………」
ドワーフ王だ!ドワーフ王ドワフロス様だ。
そんな歓声に包まれるこの神樹内。
するとドワーフ王は映像の中で口を開く。
『皆の者……これは我がドワーフ国…そして神樹に発信している映像である。』
するとドワーフ王は昔話をする。
自分と前ドワーフ王だった兄の話。
そしてそれはこのドワーフ初め、精霊族を守る為に生命をかけ守った現実。
今まさに彼は次の世代にかける為にクロノの為のけ武器……魔神具を作る事を決めたという話だ。
◇
「ドワフロス……それは話通り……クロノ……つまり勇者の為に強力な魔神具を此度……その生命と引き換えに誕生させようとしてる……そういう事なのですね?」
エルフィーナ様はドワフロスにそう問いかける。
「ああ…だが、この現実は自分自身そして…先代の王…我が兄は前魔王討伐の際にその身を犠牲に前勇者の為の武具……魔神具を創り捧げた……そして此度……ワシは勇者『クロノ』の為に新たな……」
「っと!?王よ。」
そこへ声を上げたのは一人のドワーフだった。
「………ドワライド…………か。」
「はい………」
映像の中のドワーフはその場に膝まづく。
するとドワーフの男は口を開く。
「ドワフロス様……先におっしゃった事は本当の事だったのですね?」
「ああ……ここからのドワーフ王国の未来は若き指導者として、お主……ドワライドに任せたい……」
驚く皆々…口々にその現実に驚き声にする…。
ザワザワと辺りが騒然とする。
すると声を上げたのはエルフィーナ様だった。
「ドワーフ王……ドワフロス様……これまでの御尽力……お疲れ様でした…そして世界の為にありがとうございました……。」
エルフィーナ様はそう告げる。
エルフィーナの言葉に笑みを浮かべるドワーフ王。
『皆の者……ワシの生命はクロノと共に魔王ゼルドリス討伐の為に生きる……今後はこの身はこの魔神具と共に……ある……皆と共に魔王ゼルドリスの驚異から世界を救う為に……魂は皆と共にある。』
「「うおおおおおーーーーーーーーっ!?」」
歓声がドワーフ王国……そしてエルフの神樹にも響き渡る。
その時。
「皆の者!!!警戒態勢を!!???」
バキバキバキッ!!!???
神樹の木々を、なぎ倒す轟音。
そして。
神樹は暗雲に覆われたんだ。
◇
◇
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お読み下さりありがとうございました。




