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ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第六章ブラズール世界編

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ブラズール世界編シーン57

僕達の戦いが始まる。

対する颯。

その存在はカルマさんがこの世界にくる以前からの知り合いだったようだ。

でも…そんな関係で彼女を連れ去っていったけどここへ来て彼の様子は変貌し、遂には彼女を恐怖に晒していた。

信じて着いていこうとしていたカルマさんの気持ちを考えたら……僕は絶対奴を許せなかった。


「エンポリオ君……?…」

「あ、ああごめん……カルマさん……。」

「ううん……気をつけて…颯さんはきっとその実力も凄いと思う。」

「うん…わかってる……あの禍々しい姿と感じる魔力をビリビリ感じてるよ。」


すると…。

突然自分の足に違和感を感じる。

次の瞬間僕の足を勢いよくなにかの力で引き寄せられてしまう。


「うわっ??なんだこれーーーーーっ!?」


僕の身体は吊るされていく。


「エンポリオ君っ!?」


カルマさんが僕の元へ駆けようとする。

だけど感じるなにかの違和感。


「カルマさん止まるんだ!!!!」

「えっ!?」


カルマさんが立ち止まったその時。

カルマさんの背後から迫る奴の腕のひとつ。


『にゃーーーーーーーーーーっ!?』


奴の腕の攻撃を、ずしゃーーーーーーーーっと 斬り裂いていったのは彼女の魔神フェリスだった。


「フェリス!!ありがとう!!」

『ああ…カルマ!ぼーっとするにゃ!』


私を守ってくれるフェリス。

するとエンポリオ君がバトルメイスを構える。


「カルマさん……僕も一緒だ……いこう!!」

「エンポリオ君……うんっ!!」


聞こえてきたのは颯さんの低い恐ろしい声。


「貴様……カルマは僕だけの女だーーーー!!」


その瞬間僕達の足元から煙が吹き出してくる。

僕達は宙に飛び上がる。

ところが煙はどんどん大きくなって僕達に向かってくる。


「エンポリオ君!?」

「カルマさん…僕から離れるな!!?」

「うん。」


僕がカルマさんを抱き寄せる。

するとどんどん僕達を取り囲んでいく煙。


『くくく……逃げれない所に飛んでくれたな』


奴の声が聞こえた瞬間。

背後からドガッと激しい衝撃を受ける。


「がああっ!?」

「エンポリオ君っ!?」


ドガーーーーーーーーーーーーーーンっと激しい音を立て僕は地面に叩きつけられる。


すると。


「きゃあああーーーーーーーーーーっ!?」


天井から聞こえたカルマさんの叫ぶ声。

見上げた先にはカルマさんが魔物によって縛り上げられ吊るされていた。


「カルマさん!?」


僕が叫ぶと目の前から一人の男が歩き近づいてくる。

カツカツと歩き立ち止まる…僕の目の前に現れたのはあの男。


「颯…………さん………ぐうっ」

「カルマさん!?」

『くくく……まてよ……カルマは今僕の魔神によってああなっている…これから僕と戦って貴様が勝つ事ができたなら助けられるかもなあ…』

「貴様……僕と戦いたいならカルマさんは関係ないだろ!?今すぐ解放しろよ!!」

「お前は何を馬鹿な事を言ってるんだ?カルマは元々僕の物だよ…だから僕はお前に邪魔をした罪を償ってもらうんだよ…。」

「そんな事……させるかっ!?……あがっ!?」


ザンッと音が聞こえると同時に両足に痛みを覚える。

視線を自分の足元に目を向けると血にまみれた自分の両足。

僕の両足を突き刺した怪物の鋭い爪が見える。

僕は動けなくなっていた。


「エンポリオ君!?」

「あがあああっ!?」


すると颯は僕に声をかけてくる。


「くくく……よし、ここでお前と僕……どっちがカルマに相応しいのか……試そうじゃないか?」


颯は僕の周囲を周りながら地面になにかの印をつけていく。

円を書き終えた颯。


「これはデスサークル………この僕とこの中で殴り合うんだ……そして勝った方がカルマを自由にできる。」

「なにっ!?」


僕は怒りが治まらなかった。

カルマさんをこの男は。


「やめてよ!!」


カルマさん叫ぶ声この空間に鳴り響く。


「さあどうする!?生命をかけるか!?」


僕は動かない足に力を込める。

そして僕は。


「いくぞおおおーーーーーーーーーっ!?」


どごおおおおーーーーーーっと勢いに乗り僕は颯に殴り掛かる。


「くっ!?足が!!???」

「くくく。」


どごっと僕の頬を奴の拳が捉える。

そして、また次の拳が逆から飛んでくる。


「はああああっ!?」


奴の拳を受けながらも拳を放つ僕。

だけど僕の両足は固定され力が乗らないままだった。

奴にヒットする僕の拳。

だが…それは奴に余裕を与える。


「くく……よええなああ……そんな拳…きかねえ……なあああーーーーっ!?」


バキっ!!どごっ!!??っと僕の身体は奴の手より殴打され続ける。


「ぐふっ!?おあっ。」


僕の胃からは傷ついた内臓からの血液が込み上げ吐き出してしまう。

そして聞こえるカルマさんの声。


「エンポリオ君!!エンポリオ君!?嫌だよ!嫌だよ!!」


彼女は目から大粒の涙を流す。

僕は……カルマさんを……この生命をかけて。

お読み下さりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
颯さんの男らしさに感動しました。男なら殴り合いで正々堂々と決めようという心意気が素晴らしかったです。カルマちゃんも子供じゃないんだから、信じてついて行くなんて迂闊でしたね。エンポリオ君がキレるところで…
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