ブラズール世界編シーン50
私達は村をたった。
そして……次なる地を目指していたの。
「リオ……大丈夫か?」
歩く私達。
すると鉄星様は立ち止まり声をかけてくれる。
「はい……大丈夫ですよお!」
「そうか……あの村に立ちよれたのでな…これから向かう場所は遺跡巡りのようになるのだ。」
「遺跡巡り……ですか?」
「ああ……全世界に蔓延った太古の魔王ゼルドリス……その力は世界に恐ろしい力を見せたのだ…そして魔王の力により復活してしまったこの地チェンウォンの悪神達……なんとか力を借り倒す事はできたが……その力が開放された事でこの地に影響があったらしいのだ……ワシはヤシュアの思いを果たしたいのだ…その為の遺跡巡りだ。」
「そういう事だったんですね?」
「ああ……そして一つ目の遺跡が……この先に。」
鉄星様が言葉を止めると目の前に開けた先にポッカリと口を開いた洞穴が見える。
そこが遺跡なのだろう。
私達はその洞窟の前に立っていたの。
「よし……いくか。」
「はい!!」
私達は遺跡の中に立ち入っていく。
中は薄暗く、そしてひんやりとした空気が漂っていた。
カツン…カツンっと洞窟内にこだまするのは私達の足音。
中へ進む度私の鼓動も早くなってくる。
でも隣には鉄星様がいてくれるから。
私は自分にそう言い聞かせながら彼の後ろを進む。
するとガタンっと奥の方から何かの音が聞こえる。
「なんだ!?中のあの音?」
「奥から聞こえましたね。」
「ああ……リオ……離れるな。」
「はい。」
私は鉄星様に置いていかれないように早足になる。
そして私達目の前に広がると部屋というより一つの大きなホールの中に着いたの。
「ここは。」
「ああ……あそこに祭壇が見えるな……何かの神を祀っていたのだろうな。」
「何の……神……なんでしょうか。」
私がそういったその時。
ドゴンっと足元の大地が揺れ動く。
「えっ!?」
「下か………リオっ……!?」
「えっ!?」
鉄星様が私の身体を抱き寄せる。
「てっ………せい……さま……」
思わず顔が熱くなる。
そして私を抱きしめながら飛びあがる鉄星様。
次の瞬間足元の床が盛り上がってくる。
そこから現れたのは巨大な腕が二本現れる。
「あれは………」
「油断するな……あれは……鬼か!?」
「鉄星様!?来ます!?」
私の目に映ったのは先程の腕が私達目掛け飛んできた巨大な二本の豪腕だった。
ゴーーーーーーーーーッと飛んできた巨大な腕。
「くっ!?リオ…離れるな!?」
「鉄星様…………………」
私の心に浮かんでくる思い。
それは私が鉄星様に守られてる……その思い。
でも心の奥底にひっかかったのは…私の存在の意味だった。
私はこうして鉄星様に着いていって力になるって決めたのに……こんな、守ってもらうだけなんて……。
鉄星様は本当に私に優しすぎるくらい優しかった。
でも私はその為だけにいる訳じゃないの。
私だって鉄星様の助けになりたい。
私だってマジェストになってここまで成長してきたはず。
だから。
だから。
私は鉄星様の為に……強くなるの。
すると……私の頭に現れたスクエル。
スクエルの声が脳裏に聞こえてくる。
『リオ……僕の声聞こえる?』
『えっ!?聞こえるよ……スクエル。』
『そっかあ……よくここまで成長してきたねえ』
『スクエル……スクエルの声聞けて嬉しいよ。』
『待ってリオ……今はこの状況をなんとかしないとだね?』
『あっ!?そうだね……でも私にできるかなあ。』
『きっと大丈夫……僕らには鉄星とそして『』もいるんだ…きっと勝てる!鉄星を守るんでしょ?』
『うん!!スクエル……いつもありがとう…また力を貸して。』
『もちろん……リオ……僕達のシンクロ率は今。』
すると私の身体中に漲ってくる爆発的な力。
「リオ……それは。」
「鉄星様……私達ならきっと勝てます!!」
ぱーーーーーっと輝く光。
そして私達は。
『スクエル……いこう。』
『もちろんだよ!リオ。』
『「はああああーーーーーっ!!???」』
「ぎ……がああああーーーーーーーーーっ!?」
こうしてこの遺跡に蔓延った魔物を倒した私達。
そして。
◇
◇
◇
「ふぅ……これが魔王の力の欠片か……これに今の鬼が棲みついていたんだな」
「それってどういう事ですか?」
「魔王ゼルドリスは自分の力をこうして各地にばら撒きそして成長するとこうして恐ろしい魔物へと進化したのだ……これが魔王ゼルドリスがこの世界に根を張る為の作戦なのだろう…クロノ達が魔王ゼルドリスへと直接向かっているが、ワシはこの魔王の欠片を潰して行く事にするが……リオ…お前は……」
私は鉄星様を見つめる。
「リオ………………」
「鉄星様………ずっと……着いていきます。」
「ありがとう。」
◇
◇
◇
私達は魔王ゼルドリスを目指し前進するのでした。