アメリスアード世界編シーン10
サキノの戦い!
果たしてどうなる!?
サキノ視点
私は皆で依頼をこなす為に、ここまで来てるの。
そしてさっきはシェリルお姉ちゃんが戦ったから今度は私の番。
私は魔神具である夢の絵筆を手にしてる。すると…部屋の奥の暗闇から何者かの唸り声が聞こえてきている。
さっきまでクロノお兄ちゃんに手を握っててもらっていたけど今は一人。
だから代わりにお母さんから貰った大切な筆をギュッと握ってる。
するとシェリルお姉ちゃんの声が聞こえる。
「いい?サキノちゃん!カラーウルフはどこ?」
「あ!今出るぅ!」
ポンッ!!!
カラーウルフは私の隣に煙に包まれ飛び出してくる。
ガゥッ!!
カラーウルフは一吠えすると、私の隣に守るかの様に立ってるの。
そして後ろからシェリルお姉ちゃんの声が聞こえる。
「いい?サキノちゃん…カラーウルフの出し入れはもう自由自在みたいね、サキノちゃんはカラーウルフが大事なお友達よね?」
「そう!カラーウルフは私の嬉しい時も寂しい時も…何時も一緒にいてくれたの…だから私の大切なお友達なんだぁ。」
「そうね…じゃあそのお友達にもっとこうして?ってお願いできるようになったらもっとカラーウルフちゃんとも仲良くなれると思うわよ?」
「もっと…仲良く?」
「そうよ…カラーウルフちゃんは今はまだサキノちゃんとお話する時に中々声が伝わらなかったりしてると思うの。だからもっと仲良くなってサキノちゃんの声を伝える事ができたら、もぉーっと仲良くなれると思うのよね。」
「そっかぁ……うん!お姉ちゃんわかったぁ。」
お姉ちゃんとそんな話をしていたら心がポカポカあったくなってきた。
カラーウルフともっと仲良くなる事が嬉しくて私は楽しくなってきたの。
すると、前の方から聞こえてきていた唸り声はどんどん大きくなってきているの…それは声の主が私にどんどん近づいてきているという事。
その怖さに身体が反応して震えてくる。
(私…一人で戦うんだ。)
私は恐怖で自分の身体を自分で抱きしめてしまう。
すると私の頭の中にある声が聞こえてくる。
(サキノ…私よ…聞こえる?)
(えっ?あ!もしかしてカラーウルフ?)
(そうよ!私はカラーウルフ!)
(おおっ!カラーウルフぅ!サキノあれから頑張ってたよぉ!)
(確かにそうね…でもね!これからきっと沢山危ない事が起こるかもしれないわ!)
(それは…怖いけど……でも。)
(いい?私は元々はね!サキノ…貴女のお母さんの魔神だったのよ。)
(えっ!?それって?)
(そう…サキノのお母さんは元々私を従えたマジェストだったの。)
(ほへぇ……そうだったんだぁ。)
(でも…貴女のお母さんは私の力をあの村の為だけに使っていたわ。)
(お母さん…。)
(でもね…貴女のお母さんは貴女をお腹に宿して産んだ時から私の力を使える力はそう…サキノ!貴女に移り変わったのよ。)
(そうだったんだね!教えてくれてありがとカラーウルフ!)
(だから…これからは…私と……一緒に…サキノ。)
気づくと私の目から涙が流れていたの。
そして…私の身体には不思議と力が漲って来た様な気がしたの。
その時…私のイヤホンから声が聞こえる。
「サキノちゃん!気をつけて!」
「僕たちもついてるからさ!」
お兄ちゃんのリスナーさん達も今では私の味方だ。
「よし!サキノいくね…誰か分からないけど出てきなさいっ!」
私が唸り声の相手に叫ぶとどんどんこちらへ向かってきてるようだ。
ガサガサという足音を立てて出てきたのは二足歩行をし現れたのは数匹の小鬼だった。
「ゴブリン!?」
うひゃひゃとヨダレを垂らしながら登場したゴブリンはその数見たところ五匹。
私を見ながらニヤニヤし出てきたのだった。
すると私の前に立つのはカラーウルフ。
「カラーウルフ!いっくよ!」
私は筆を握りしめたんだ。
◇
◇
◇
「そう…このビルはどこかで魔神薬を飲みパワーアップしたゴブリンが陣取ってしまい駆除して欲しいとの依頼がきたの…」
シェリルはそう言うとゴブリン達を睨む。
「サキノちゃん!ゴブリンだからって油断は禁物よ!普通のゴブリンだったら私達マジェストに依頼が来る事はあまりないからね!」
「う…うん!」
シャシャっ!!
ぐしゃぁっ!!
ゴブリン達の声は徐々に騒がしくなってくる。
「いい?サキノちゃん!今までならカラーウルフに頼むだけで色々してくれたわよね?」
そこでシェリルは話始める。
「うん。」
「でもね…それだけだとカラーウルフにばっかり負担がかかっちゃうし可哀想でしょ?」
「それは…そうかも」
「なら!私が教えてあげるからカラーウルフの目になってサキノちゃんが教えてあげるのよ?」
「わかった!やってみる!」
「じゃあまずはあのゴブリンを攻撃してみて!やり方はまずはサキノちゃんがあのゴブリンを見てどんな攻撃をしたいかをイメージするのよ!」
「えっと…じゃぁ…まずはイメージ…」
私は目を閉じるとカラーウルフの目になった様な気がした。
「これって…あ!ゴブリンがこっちに飛びかかってきた!えいっ!カラーウルフ!赤っ!!」
するとカラーウルフは口を開き口から炎を吐き出しゴブリンの身体を焼いてしまったの!
「そうよ!今のイメージで!次が来るわ!」
「えっ!?危ない!こっちにっ!!」
私がイメージした通りにカラーウルフは飛び退いてゴブリンの攻撃をかわす。
「じゃぁ…こっちから!カラーウルフ!青っ!」
お次にカラーウルフの口から出したのは激しい水鉄砲の様な攻撃。
ゴブリンの身体には水鉄砲で空いた穴が!
そのままゴブリンは崩れ落ちる。
「いいわね、サキノちゃん!さすがカラーウルフと相性もシンクロ率も高いわね!」
「えへへー!」
『さすがサキノちゃん!可愛いし強いし最高!』
『ホントホント!サキノちゃん推しはやめられない!』
リスナー達のコメント。
サキノが嬉しがって照れてると後ろからすかさず最後のゴブリンが飛びかかっていく。
「サキノ!!」
「サキノちゃん危ない!!」
俺もカルマもつい声が上がる!
「えっ!?」
サキノは振り返ると飛びかかっているゴブリン!!
「いやぁぁぁーーーーーっ!!!」
ガウウウッ!!!
そこは流石カラーウルフ。
カラーウルフは身体を翻すとゴブリンに噛み付く。
咥えられたゴブリンは次第に力無くガクッと崩れ落ちる。
「うわあああい!カラーウルフぅ!」
ぎゅっ!!
サキノはカラーウルフに抱きつき撫でまくる。
「やっぱりサキノのだぁい好きなカラーウルフだぁ!」
「うわんっ!!」
カラーウルフも応えるようにしっぽを振りまくるのだった。
「ふぅ!でもこれでサキノちゃんのシンクロ率は…うんっ!70パーセント…まずまずね!」
サキノとカラーウルフの戦いは第一歩クリアのようだ。
◇
◇
◇
サキノとカラーウルフは見事敵を撃破!
次の戦いは一体どうなる?
お読み下さりありがとうございました!