ブラズール世界編シーン48
私のカラーウルフはその姿に、これまで以上の変化を見せる。
それは身体の毛色をカラフルに彩り一回り大きくなり四足で立っていたの。
するとテンテンちゃんが声をかけてくる。
「サキノちゃん……サキノちゃんの魔神って改めて見ると……本当に凄いね。」
「えっ!?」
私は今までテンテンちゃんのような同じくらいの子は友達にいなくて…いつも私の周りには大人達がいた。
だから私の事にこんな反応してもらえた事が本当に嬉しかったの。
「ありがとうテンテンちゃん……一緒に頑張ろう!!」
「サキノちゃん……うん!!!」
私達は微笑み合う。
そして私は絵筆を握り構える。
すると私達のペンダントがきらりと光る。
「くっ!?ガキい…この僕の目までくらませやがって…その身体…ひん剥いて絶望を与えてくれる!!!???」
カラーウルフの発した光はリベロを怯ませる。
『はああああーーーーっ!!??』
リベロは手にした大斧を振り回していく。
そのスピードはどんどん大きく加速していく。
すると私は頬にぴりっとした痛みを覚える。
「これは………」
頬に手を添えると赤く手に付着していた私の血液。
「くっ!?サキノちゃん!!気をつけて!!」
テンテンちゃんも奴の真空の風に防戦しているみたいだ。
「ククク………僕の能力は魔神を得たとはいえ石化だけではない……こうして武器の扱いにも長けているんだ…つまり……僕自身の能力も、そして手に入れた魔神の能力をも手にした最強のゴブリンロード……それが僕のことである。はああああーーーーっ!!???」
さらに奴の武器から激しい風が暴れだしてくる。
「きゃっ!?」
「ううっ!?」
私達は奴の放つ激しい風に飛ばされかける。
すると……みるみるうちに私達の衣服も風に切り刻まれていく。
「いやあっ!?なにこれ!?」
「あいつの…風!?なんなの!?いやらしい!!」
このままでは私達はあいつに服をボロボロにされちゃう!!
そんなの絶対にいや!!
私がそう考えてるとテンテンちゃんもこちらを見ている。
きっと私と同じ事を考えてるんだ。
するといやらしい顔で口を開くリベロ。
「ククク……どうだどうだ!?そのまま切り刻まれて三人とも僕の奴隷にでもしてやろう……。」
「くっ!?リベロめ……近づけん程の風を。」
ラウラさんはそう口にするが確かに納得のできるほどの激しい風が巻き起こっていた。
そしてそれは私達をも、きりきざんでしまいそうな程。
するとテンテンちゃんの声が聞こえてくる。
「サキノ…ちゃん!?」
「テン…テン……ちゃん!?」
激しい風に向かい私に近づいてくるテンテンちゃん。
一歩……また一歩近づいてくる。
だがあの風に切り刻まれていくテンテンちゃんの衣服。
「テンテンちゃん!?このままじゃ裸になっちゃうよ!?」
「くっ!?なんのお!!私はクロノさんの彼女になりたいの……こんな風になんて……絶対負けない!!」
「テンテンちゃん!?」
そう……テンテンちゃんのその言葉に私も勇気づけられたきがした。
「私……だってえええーーーーーーーーっ!?クロノが大好きーーーーーーーーーーっ!?」
その時。
私達距離はあと僅か。
そして私達のペンダントが光り出す。
「えっ!?」
「これは!?」
ぱーーーーーーーーーーっと光り輝く私達のペンダント。
そしてそこに見えたのは妖精さんだった。
「あなたは!?」
「誰なの!?」
すると妖精さんから言葉が聞こえる。
『私は恋の妖精ラバーツ……貴女達の強い思いから力を貰い妖精神としてこの世に誕生したの。』
「妖精?」
「ラバーツ!?」
『そう……貴女達のそのペンダントから生まれた……貴女達の魔神の様な存在よ。』
「魔神みたいな存在。」
「そうなんだ。」
『そう……だから願いなさい……貴女達が大切な人の為に強くなる力を私が貸してあげるから。』
その時私達に力が漲る。
「さあ……さっきから何をしてるんだ……さあそろそろ全裸になってしまうがいいーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
リベロのその叫び声。
すると私達の背後に現れる妖精……妖精神なのかな。
『さあ構えなさい。』
「うん!!」
「いくよ!!!???」
ダッと飛びだすテンテンちゃん。
隣りには私が一緒に走り出す。
「なんだそいつは!??」
驚き叫び声をあげるリベロ。
「はああああーーーーっ!?クロノさんが大好き!!!」
「私だって!!クロノが大好きーーーーー!!」
『な!!??なんだそれはああああーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
『ラバーツ………ショット!!!!』
テンテンちゃんの魔神具……そして私の魔神具から飛びだす光りはキューピットの弓矢に変化しそして放たれた。
その矢はリベロの心臓を貫く。
「うぎゃーーーーーーーーーーーーーっ!?」
私達の攻撃によってリベロは断末魔の叫びと共に消えていったの。
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