ブラズール世界編シーン44
『ゴットスネーク………』
『蛇神巡罰!!!』
リベロの魔神メデューサの必殺の攻撃が私達に襲いかかる。
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『スタックビートルカタパルトーーー!!』
すると。
テンテンちゃんの魔神ヘラクレススタッグビートルが姿を現す。
「いっけえええーーーーーー!!スタッグビートル!!???」
「フン……そんな虫ケラが魔神だと……そんなもの払い落としてやる!!???」
リベロが『蛇鞭ウルミ』を振り翳す!!!
すると魔神メデューサが反応しその頭部の髪はヘビの姿に次々と変化していく。
「くらえくらえくらえーーーーーっ!!??」
襲いかかるヘビの猛攻に超スピードで躱していくスタッグビートル。
そしてスタッグビートルはグングン上昇していく。
次の瞬間。
テンテンちゃんが叫ぶ。
「スタッグビートル……ロックオン。」
テンテンちゃんは手にした方天画戟を握り構え飛びかかっていく。
方天画戟とスタッグビートルの挟み撃ち。
リベロを上空と真ん前からとらえていく。
「はあああーーーーーーーーーーっ。」
『スタックカッター!!!!!』
ガギガギーーーーーーっと激しい衝撃音を立てスタッグビートルの攻撃はリベロの身体をとらえていく。
「んんっ!?なんの……その程度の重みの攻撃などではこの僕に届きはしないっ!!」
叫ぶ、リベロ。
その時。
『それだけで終わりなんてあまいんだから!!』
私のカラーウルフが宙に舞い現れる。
『カラーウルフ!!ファイアーウォール!!』
ぼうっと現れた炎はリベロとラウラさんの間に炎の壁を作り出す。
『今です!!』
スタっと着地した私は彼女の身体を起こす。
『あり……がとう。』
『ううん!さ、つかまって。』
私は彼女に肩を貸し歩き出す。
クロノのように魔神を奪われた彼女のその身体は力を失い弱々しく震えていた。
すると叫びだすリベロ。
「ぐあああああーーーーーっ!?ふざけるなよお…女ども………。」
大声で叫びそして怪しく微笑み出すリベロ。
そしてその背後でマジェストであるリベロの感情に呼応するメデューサ。
これほどの短期間で魔神メデューサの感情とここまで呼応するとは……この男は只者ではないと感じる。
するとラウラさんが口を開く。
「これは……ここまでになるまでに奴はきっと私の魔神を洗脳してきたのかもしれない。」
「えっ!?それってどういう事ですか?」
私の問いに彼女は応える。
「ええ……彼はずっと私の優秀な部下として働いてきたの…私はこんな事になるなんて考えた事もなかったわ……でもそれが今回の件の答えだったのね…私はよく彼に魔神具を預けたりしてきたわ……私の魔神メデューサの裏切り等は聞いた事もないし有り得ないと思っていた……だけど…だけどこんな……。」
悔しそうに唇を噛み締めるラウラさん。
するとリベロが口を開く。
『ああ……そうだぜえ……僕は元々魔族ではあったが…非力な魔物だった……だから例え兵士になったとしてもたかが知れてる…そこで考えついたのは兵士達の指揮なら僕にでも上になれる可能性がある……と。』
「そんな。」
「そこまで考えられる魔物がいるなんて……」
私達の言葉に続けるリベロ。
「そんな僕は人間狩りに参戦することにした…その時僕はなんと知識の宝庫と呼べる人間を見つける……それはこの王国の学園長という存在。僕はそいつを奴隷にしどんどんその知識を得ていった…そしてラファエル様に近づく作戦を考え実行した……僕は……僕はこれで!!!」
リベロがニヤリと微笑む。
「魔神を手にし……そしてマジェストとして強くなったんだ!!!………ククク……ラウラのメデューサを僕が使うようになって初めは苦労したのだがな…今はもうこの僕の従順な魔神だよ……こうしてな……。」
次の瞬間……魔神メデューサは地面を突き破りその姿の全貌を現していく。
「そんな……これは。」
「ラウラさん!?どうしたんですか?」
すると震えながら言葉にするラウラさん。
「私にもここまでのパワーアップはなかったの……あのメデューサの能力をここまで引き出すなんて。」
「ククク……そうだなあ……ヒントを与えるとすれば……この現象は……お前が魔族ではなく……獣人だった………それとこの僕は時間をかけてメデューサに愛を与え……そして力をこの僕だけに分けるよう……調教を重ねたんだ……」
この男の魔神に対しての行為はおかしいとすら常人は思うだろう。
だが……こいつは元々は魔族……その中でもゴブリンという欲望だけに生きる魔物だった。
自分の欲望に忠実に生きる「ゴブリン」そんな彼に従う魔神メデューサ。
この狂気の魔物のコンビの力が今。
サキノ…そしてテンテン…ラウラに襲いかかろうと迫るのだった。
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