ブラズール世界編シーン43
ラウラに攻撃を仕掛ける男リベロ。
その時。
ラウラは目を閉じる。
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ガキイイイーーーーーーーーーーーン!!っという音と共に間に入ったのはテンテンちゃんだった。
そして私の魔神カラーウルフがメデューサを押さえ込む。
何も起きなかった私が目を開けていくと。
そこには自分の盾になっていたテンテンちゃんがいた。
「えっ!?あなたは………………?」
「私はテンテン!あの男は女の敵よ!!」
そしてカラーウルフは口を開いていく。
「いくよカラーウルフ!?」
私の声がけにカラーウルフの口に炎の球が発生する。
『ファイアーバレット!!!』
ダダダと放たれる炎の弾丸の嵐。
たまらず飛び跳ね回避していく魔神メデューサ。
私とテンテンちゃんは彼女を守るように立ち構える。
そして私達は目の前の『女の敵』と対峙する。
「なんだあお前達は!?」
「あなた達は……そっか……あの『スペシメンゲルド』を倒したのは貴女達なのね。」
私はその声に返答する。
「何があったのかは知らないけど…こんな事は許される事じゃないと思うの……だからここは邪魔させてもらうね!」
「あなた………の名前は!?」
「私はサキノ……一人の男の子に恋する普通の女の子だよ。」
私は笑顔でこたえたの。
すると彼女は微笑む。
「そっか……そうよね。」
その時。
「ククク……なんだなんだあ?そこの人間共と仲良く話してる魔族ってどういう事だよ?ラウラ………あーん!?」
そう言い放ってくるその男。
「貴方はそうやって力を無くした人を無下にして偉そうに支配しようとするなんて……」
私はそう言った瞬間。
クロノの事を思い出していた。
そうだ……この人もクロノのように、形は違えど魔神具を奪われそして力を失ったんだ。
そう考えた私。
私はクロノとこのラウラさんを重ねてしまう。
私の身体は怒りで震えてくる。
「私は……私は貴方を……許せない!!!??」
私の声にニヤリと笑みを浮かべるその男。
「ククク……いいかお前達?確かに、この僕はそこの女…ラウラの部下としてずっと働いてきた…だが…僕は生粋の魔族であるのにその女は獣人なんだぜ?ラファエル様に少しばかり気にかけてもらって今の地位にいただけで…ずっと偉そうにしやがって……いつか…いつかその全てを汚してやろうと考えていたんだ……だがもうその僕の思いは果たされようとしている。」
すると魔神具を構えるリベロ。
「女の魔神であった『メデューサ』は既にもう僕のものさ……」
ゴゴゴと地鳴りを起こす大地。
確かにこのラウラさんの魔神具を奪ったリベロの魔神は魔神具の主を変えてしまったのだろう、リベロをマジェストとして選んだのかもしれない。
次の瞬間。
ドドドーーーーーーーーーーーッと奴の背後から数多のヘビが飛び出してくる。
『ククク……僕の魔神メデューサは蛇使い……この魔神は凶悪……そして獰猛だ!!』
私達に襲いかかってくるヘビ達。
私達は走りヘビ達の猛攻を躱していく。
躱す事によりドカドカドカッと私達の足元を突っ込み破壊していくヘビ達。
「ククク……いいねえいいねえ…どんどん奴らを追い込んでいくんだ……魔神……メデューサ。」
私達が躱しても躱してもヘビ達の勢いは止まらない。
私とテンテンちゃん…そしてなんとかヘビの攻撃を避けるラウラさん。
「やめて!!魔神メデューサ!?私よ!ラウラよ!?」
そう叫ぶラウラさん。
するとリベロが笑いながら言葉にする。
「あーーーーーっはっはっは!!いいぞいいぞ!!逃げ惑えーーーーーーーーーーっ!?」
そして言葉を続けるリベロ。
「ククク……いやあ……いいねいいねえ……どうだラウラ?自分の魔神に襲われる恐怖は!?」
「くっ!なにを!!???」
「そうだそうだ……その目だ……お前のその恐怖に怯える目……見ているだけで…ゾクゾクするなあ。」
リベロのその言葉は恐怖でしかなかった。
その言葉に動けなくなっていたラウラさん。
魔神であるメデューサはもう既に彼女の魔神ではなくなりあの男の魔神として猛攻をしかけてくる。
「ククク……さあ……そろそろお前達も逃げ惑うのも疲れただろう。」
すると魔神具『蛇鞭ウルミ』を構えるリベロ。
「さあ……そろそろ終いにしようか。」
ヘビ達がするするっと現れ更に数を増やしていく。
「これはそろそろ………」
「そうだねサキノちゃん!?反撃だねっ!?」
私もテンテンちゃんも魔神具を手に構える。
するとリベロは魔神具を構える。
「さあ……そろそろお前達に絶望というものを見せてやる……」
するとヘビ達は徐々にその姿の性質が変わっていく。
『ゴット……スネーク』
そして数多の覚醒したヘビ達は私達に一斉に襲いかかってきたの。
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