ブラズール世界編シーン39
僕の身体は金色に光る。
ぺドロは力を解放させる。
『ぐおおおおーーーーーーーーーーーっ!?』
これが僕VSペドロのラストバトルになるハズだ。
すると僕の身体に集まっていく金色の光は僕の内部から力を溢れさせてくる。
「これは……よぉし!!はああああああーーーーーーーーーーーっ!?」
ガキンッ!!ズガンっと激しい音を立て火花を散らす僕とペドロの魔神具。
僕達の力は。
激しくぶつかり合いその力は僅かでも小さくなった方が吹き飛ばされる。
そんな激しい勢いだった。
その時。
『クククッ……馬鹿め……我が力はこの魔界の瘴気が溢れる魔族の地において…俺の方が有利に決まっているだろう。』
「そんな事…やってみなきゃ分からないだろう。」
『クククッ……威勢だけはいいようだがお前にそんな力があるとは思えんがな……。』
すると聞こえてきたのはゴルンガの声。
『金色の力を手にした獣人…イシメール。』
『ゴルンガ!?』
『お前と俺はここから新たな力の覚醒が行われる。』
『それは一体………』
すると一時の間を感じるイシメール。
『ゴルンガ?』
『そろそろ…良いか……我は幼きお前を拾うたゴルデンゴリラ…我が正体は森の守り神……誰よりも優しき能力を持つお主に『真の力』を。』
次の瞬間……ドンッと僕の身体の中から溢れてくる力は更に跳ね上がる。
『うわっ!?ゴルンガ!?これは!?』
制御不能の僕の身体。
身体の内部から溢れる力が僕の身体を勝手に突き動かす。
『クククッ……力は解放した…後は……てめぇ次第だイシメール!!!!!』
「うわっ!!これは!?」
突然走ったり急停止したり…跳ね回り転がるなど僕の意志を完全に無視した自分自身の身体。
激しい力に翻弄された僕はまともに戦える状態ではなかった。
「イシメール君!?」
「どうしたのイシメールさんっ!?」
シャルロットさんとフェリシモちゃんの驚きの声。
するとペドロが笑い出す。
「なんだそれは!?この俺を舐めているのか!?」
『ちが……うわっ!??』
「力が爆上がりしたかと思って構えていたら……ふぅ……やれやれ…とんだ期待外れじゃねえか…貴様がその力を扱えるまで待てば少しは楽しめそうだが…そんな時間はない……さあ…残念だがここでお前を消し去る事にしよう。」
ペドロが両拳を目の前でガシッと合わせる。 次の瞬間。
禍々しい力が溢れ出してくる。
その力はみるみるうちに巨大化していく。
「うおおおおおーーーーーーーーーーっ!?」
周囲の様々なものが力により浮き上がっていく。
奴の力がそれほど恐るべき力なのであろう。
僕の身体にもその力を感じ全身の毛という毛が逆立っていたんだ。
その時声をかけてくるフェリシモちゃん。
「イシメールさん…私達も手伝います。」
「フェリシモちゃん……」
すると魔神具を構えるシャルロットさん。
「フェリシモ!イシメールさんの魔神具に力を。」
「はい!!じゃあいきますよイシメールさん。」
「うん………。」
僕は改めて槍を握りしめる。
すると二人の力が流れ込んでくるのが分かる。
『なんだそれは……。』
僕はペドロの声に返す。
「ぺドロ……アンタは本当に強い……だけど……僕達だって負ける訳にはいかないんだ。」
『なにっ!?』
『僕一人の力ではアンタの力を食い止める事は出来なかったかもしれない……だけど僕には仲間がいるんだ………仲間の為なら……僕は負けないっ!!???』
『フン……ならば勝負だ!!全力の一撃をくれてやる!!いくぞ!!!』
そう言い放ったペドロは巨大な力を溜め込み……放った!!!!!
『凶羅爆殺砲ーーーーーーーー!!!!!』
ぺドロの両手から放たれたエネルギー砲が僕達に向けられ放たれた!!!!!
このままでは僕達は粉々になってしまうだろう。
僕は構える。
そして。
『獣人力……………』
僕達の力が凝縮され槍に吸収されていく。
ブンっと浮き上がっていく僕の槍。
僕は槍に手を添える。
『これで終わりだよ……ペドロ。』
槍には今の僕達の全ての力が集中している。
奴のエネルギー砲に。
勝つために。
『………クワヘェリ……アブイ……。』
僕の槍が手から離れ飛んでいく。
それはスピードに乗りぐんぐんペドロに向かっていく。
『こんな………ものっ!?』
弾こうとするぺドロ。
しかし僕の槍はまるで生命を持ったかの様にペドロの腕をスルリと躱し…そして。
ズガガッーーーーーーーーーーーッ!!!ズシャアアアーーーーーーーッ!!と奴の身体を貫いていく。
『ウギャーーーーーーーーーーーーーッ!!』
そして奴は断末魔の叫びと共に消えていったんだ。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました。