アメリスアード世界編シーン8
マジェスト本部アメリスアードで初の仕事のクロノ達!
一体何が待っているのか!?
新装備をもらったクロノ達三人。
準備を整えた三人はシェリルに連れられ早速仕事へと向かう事に。
◇
◇
◇
「あら?来たかしら?」
俺達が準備を終えるとシェリルも準備を終えていたようだ。
だが、その姿は変わらず白衣を着た研究員だ。どうやらあの白衣はこだわりなのか…研究者として、そして女性としても…彼女は美しい事に間違いは無い。
そしてそんなシェリルにリスナー達は興奮しまくりだ。
『おおおおおーーーっ!!』
『シェリルお姉様!!!』
『こっちの世界にきませんか!?』
シェリルへのアピールコメントがうるさい中…彼女は続ける。
「さぁ…三人とも…いいわね?今日の依頼はとあるビルを占拠してしまった魔物の討伐よ。でもその前に…三人に渡した装備はね…このアメリスアードは世界の中心なの…だから、ここのマジェスト本部は世界のマジェスト達の本部って事になるの…ここであなた達がこれから動くって事は世界中のマジェスト達にもあなた達の情報も認知されていくって事にもなるの…あくまでこれは…マジェスト協会内にって事だけどね?そして私達の仲間としてどこへ行ってもマジェスト協会という名前で動けるわ。そして…今回渡した装備はマジェスト協会からあなた達に贈らせてもらった物で、あなた達の為に作られた特別なものだから遠慮なく使ってね。特別というのはこれから使えば分かるからね!そしてクロノ君…貴方には特に説明する事があるわ。」
シェリルはそういうと俺の腕を掴み腕輪を現す。
「ん?腕輪がどうかしたのか?」
「いいクロノ君…まずは聞いて。」
俺は頷くとシェリルは更に俺の鞘も指さす。
「いい?普通私達マジェストって言うのはこの魔神具に宿る魔神を従う事ができるわよね?」
「ああ…そう聞いてる。」
「普通はマジェストが扱える魔神具は一つ…もちろん魔神も一体なの…でもね…貴方は例外だった…これは推測だけど特別な力を隠し持ってると思われる貴方だからこそ、魔神具二つを使いこなせているの…まあ、その為にはエネルギーも莫大なものが必要になるのだけれど…君はそれを可能にしてるの。それが腕輪とその鞘ね。」
俺を見て真剣に話すシェリルの言葉を俺はしっかりと聞く。
「おお。」
「そして、これは推測だけれど…腕輪に勇者様は自身の力の全てを使い、あの伝説の魔神雷武を封じたと思うのよ…そして君のあの戦いから見てもその腕輪には勇者様の力と魔神雷武の二つの力が共存しているのだと思うわ。」
すると、シェリルは俺の腕輪を指さし、それを鞘に向けていく。
「そして、その力は鞘の方で使える様になってるハズよ。」
「なるほど…そういう事なら納得はいくぜ!」
「でもね!だからこそ貴方には、その二つの魔神具を使いこなし…魔神雷武の力を自分のモノにして世界を…あの魔王ゼルドリスから救って欲しいの…ただ…今の貴方はまだそれだけのシンクロレベルには達していないわ…だからここで暫く力をつけて欲しい…そしてこの世界を…私も救ってほしい…。」
そう、最後の言葉が気になった俺だったが…シェリルの目には何故か一粒の涙を見た気がしたんだ。
するとバーンと部屋の扉が開く。
「さぁ!シェリル!お子様達の教育は頼んだぜ!俺達は仕事が入った!」
荒々しく入ってきたジェイク。
ジェイクの大声に目覚めると起き上がりカルマを発見するレイド。
「ん?……うるさいジェイクの声が聞こえたのだが……んん?……おお!これは美しいカルマちゃん!僕の目覚めを見に来てくれたのかい?」
「なんだよ!いねぇと思ったらこんな所にいたのかよレイド!」
「あん?…何だよ…ジェイク…僕はカルマちゃんと話してるんだ…邪魔するなよ!」
「お前な……。」
すると二人の間に入るシェリル。
「ほら!二人はいつもの仕事…お願いよ!さっ!行った行った!」
そんな二人を怒りながら追い払うシェリル。
彼女の涙の理由は今は置いておこう。
◇
◇
◇
こうして俺達三人はシェリルに案内され依頼へと向かうのだった。
◇
◇
◇
俺達はシェリルの後を追って歩いていく。
この街はこの世界でも大都会と言っていいほどの大都市。
辺りには様々な種族の者が歩いていたり巨大な店が立ち並ぶ。
ハッキリ言ってここに来てみるとグランドバズは中規模の街にしか感じ無くなっていた。
「すげぇな…この国は…」
「クロノ君もこの国初めてよね?本当に凄いでしょ?この国アメリスアードはこの世界でも有数の大国よ…言ったらこの国を中心とした世界になってるといってもいいくらいよ。」
「そうなんだな?俺達の世界で言ったらアメリカみたいなものか?」
「ほんとよねクロノ?私も行った事はないけど写真とか映像で見たニューヨークの街並みみたいだよね?」
俺達がそんな話をしながら歩いているといつも元気なアイツが気になる。
「サキノ?歩き疲れたか?」
俺が声をかけると、後ろをトコトコしょんぼりしながら歩いていたサキノは急に目を輝かやかせる。
「うん!サキノ歩き疲れたぁ!」
そういうや否や俺の背中に飛び乗ってくるサキノ。
「うぐっ!!サキノ!お前重いんだけど?」
「お兄ちゃんの…ばかぁぁっ!!」
ゴツン!!
頬を赤らめ…ぷくっと頬を膨らませたサキノの痛恨の一撃は俺の脳を揺らすのだった。
「いってぇぇぇ…ぜ。」
「もぉ…何やってんだか……。」
呆れ顔のカルマ。
それから数分歩いていくとシェリルは突然立ち止まる。
「今日の仕事はこの廃ビルよ…。」
俺達の目の前には五階建ての今はもう使われてないであろう形跡の廃ビルが立っていたんだ。
◇
◇
◇
クロノ達の初仕事はどうやらこの廃ビルのようだ。
果たして何が待っているのか!?