ブラズール世界編シーン26
ドワーフ城で起こったバトル。
王の元へ届いた情報。
王が激しい力の元へ向かった…だが。
敵はバトルに参戦してくる者を拒む防壁を張っていた。
王は防壁の破壊を試みるもそれは叶わなかったのだ。
ようやく防壁が崩れ去った元へ辿り着く王達。
それは二人の少女達の生命がけの戦いにより終止符がうたれたんだ。
◇
「これは…………ん!?」
ドワーフ王ドルトフは兵を引き連れやっとの事で屋上へと飛び出す。
そこには……余程の戦いを繰り広げたのだろう…少女二人が互いに寄り添いあい…眠っていたのだ。
王は二人を見据え微笑むと。
「ありがとう。」
そう呟き…二人を介抱すべく動いたのだ。
◇
◇
◇
サキノ視点
私が目を開けると…そこはお城の天井だった。
そして我に返った私は視点があってくる。
すると。
「えっ!?」
「あっ!?気がついた?」
私を見ていたのはクロノだった。
「うん!」
「そっかあ良かった!あ!さっきテンテンちゃんは起きて何か作って来るって厨房に走っていったんだ。」
クロノはニコニコしながら私に説明してくれた。
でもその笑顔を見ていると私は何故か幸せな気持ちが溢れてくる。
私は思わず笑顔になっていた。
すると。
「あ!サキノ?」
「えっ!?」
クロノは私の顔をマジマジと見てくる。
いつの間にかクロノは真剣な目で私を見つめている。
私の胸がドキドキと激しく高鳴る。
そして顔が熱く火照っていた私。
するとそこへ私の鼻にいい香りが届いたの。
コンコンっ。
部屋の戸をノックする音。
ガチャリと開いたドアから入ってきたのはテンテンちゃんだった。
「おまたせーーーーーーーーーーー!ん!?」
私達は目を彼女に向けていた。
するとぷるぷる震えるテンテンちゃん。
「サーキーノー!?抜けがけ……かなあ?」
「ひいっ!?テンテンちゃん!?これは違う!違うの!?落ち着いて!?」
「わああああっ!?二人とも!?」
その時。
「どうしたのだ!?」
そう言いテンテンちゃんの後ろから入ってきたのは…なんとドワーフ王だった。
「「ドワーフ王!??」」
私達の部屋に足を運んできたドワーフ王だった。
すると部屋のテーブルの椅子にゆったり腰を下ろす。
そしてその王冠をとる。
「この国の危機に手を貸してくれたんだな?二人とも。」
そう言うと頭をスーッと下げていく王様。
「「王様!?」」
私達はそう言い王様の行動に焦っていたの。
「ありがとう。」
そう声にするドワーフ王。
「えっ!?」
「サキノ!?」
私とテンテンちゃんは顔を見合わせる。
すると口を開くドワーフ王。
「実はあの時敵は城門からは攻撃をしてきたのだが俺はそちらの防衛に戦力を当ててたのだが上にもそれなりに兵はあてていたハズなのだ……だが…主戦力は上空だった…のだ。」
私達はその状況に驚いていた。
「そうだったんですね。」
私がそう返すと王は続ける。
「俺も力は持っている…そして城門にいた敵の猛攻を止める事ができた兵達と俺だったが上空の奴の力を感じ上に向かったのだが……敵の恐るべき防壁が俺の行く手をはばんでいたのだ……あれは魔族の力……想像するにあの力は……この地を統治している……ブラズール王の力なのかもしれん。」
「魔族の力…………。」
「ブラズール王…………。」
頷くドワーフ王。
「ああ…あの魔王の敗北以降このブラズールには一時の平和が訪れ…そして精霊王の御加護を受け…我々精霊種族はこの地に根ずいたのだ……そしてこの地の空には青空が広がりきらやかな水が流れ大地には緑が広がったのだ…そしていつしか他の種族…獣人…ヒューマンまでもこの地に住み着き本当の意味で幸せな国が形成されたのだ……そんな平和は魔王の復活と共に崩れ去ったのだ…。」
私達は真実を知る。
世界ではこんな事がおこっていたのだ。
「だが…魔王は自分の生まれ落ちたこの地にまた舞い戻るのかに思えた……のだが……奴はこの地の色を一瞬で変えたのだ…空の青空は暗雲に遮られ黒い空に代わり…水は濁り淀んだ…それにより動植物は生命を絶たれ枯れ落ち…そして大地は荒廃したのだ。」
すると……私達……そしてクロノに目を向けるドワーフ王。
クロノはキョトンと目を丸くしていた。
そして意を決した目をする。
「これから…この大地を拠点に魔王は世界を断つ為の力を放ってくるであろう……魔王の力は巨大だ…だがその前にまずはヒューマン…そして精霊族を根絶やしにしようとしてくるだろう…先の敵魔王軍をエルフ…そしてこのドワーフ王国に放ってきたのが開戦の合図と俺は確信した…この地ブラズールに棲みつく精霊そしてヒューマンを狙ってきている…だが防戦だけしていてもこの地を統治する魔王軍の幹部であるブラズール王の大いなる力の餌食になる…我々は。」
ドルトフは立ち上がる。
「先手を打って戦うぞ!!」
◇
◇
◇
ここに来て世界の今を知った。
果たして!?
お読み下さりありがとうございました。