ブラズール世界編シーン18
イシメール君の攻撃によって爆発を起こしバラバラに破壊された機械兵器。
僕達は奴を睨み立ち尽くす。
すると「テットビー」は小刻みに身体を振るわす。
「お前のゴーレムは何度現れても倒してやる!!観念するんだ!!」
イシメール君の叫ぶ声。
するとテットビーは笑い出す。
「ククク………何を言ってるんだ貴様ら……何を倒したって!?」
テットビーの言葉に僕達の背後から音が聞こえる。
バキバキっと背後の地面から聞こえた音に僕達は振り返るとそこには。
ギギギという機械音を立てながら立ち上がる先程倒したはずの機械兵器の姿があったんだ。
「「なにっ!?」」
「おやおやあ?……僕の人形が起き上がった……のだが??」
◇
僕達の前に復活した機械兵器達。
「機械兵器……そしてボディには自己修復機能がついているのか。」
「ほお……貴様は自己修復機能を知っているのか。」
「科学者はあなただけじゃないんですよ。」
僕はデットビーにそう返す。
するとデットビーが更にこたえる。
「ほお…貴様も科学者だとでもいうのか?」
「そうだけど…なにか文句でも?」
「ククク……貴様がどれほどの知識と技術を持つとしても……この僕に勝てるはずないんだ。」
「………………………。」
僕はこの男に嫌悪感しか感じなかった。
「なんだその目は……まあいい……これを見ろ。」
デットビーは倒れている一体のゴーレムのボディーをギギギと開く。
するとゴーレムの中には。
苦しげな表情の人間がいたんだ。
「あれは!?」
「人間なのか!?」
僕達の声に笑いながらこたえるデットビー。
「ああ……そうだ…我が機械兵器の中身は、こいつらは我々魔族の奴隷共を核に利用しているのだ…こうする事によってゴーレムはより柔軟でより高度、より高性能の動くをするのだ。」
そう言ったデットビーはニヤニヤ笑って続ける。
僕達は慌てながらも倒れている機械兵器の中を確認に入る。
「大丈夫ですか!?」
僕の言葉に中に囚われの男は口を開く。
「……あ………ありがとう………。」
「話さなくて大丈夫です!まずは……お身体を。」
僕の声に男は震えながら言葉にする。
「ううっ……ううぅぅぅぅっ。」
「ど、どうしたんですか!?」
この兵器の中で泣き出す男。
僕はこの事態に驚きを隠せなかった。
すると男は話し始める。
「僕達ヒューマン族は……この地ブラズールにおいては…奴隷……なんです…男はブラズールの為の労働力……そして女は精奴隷…そして子を身篭るとその子供はまたヒューマンの奴隷となる……それがこの国ブラズールにとってのヒューマンの生きる道……そして今僕達は戦う機械兵器に閉じ込められしたくもない戦いを強いられる。」
男の目から涙が溢れ出す。
「ううっ……くっ………僕達が……僕達が……一体何をしたって言うんだ?…あの、あの魔王が復活してくるまでは……そう……皆……平和に……暮らしてたんだぞおおーーーっ!!!」
痛いほどひしひしと伝わってくる叫び声。
するとデットビーはニヤリと微笑む。
「ククク………あーっはっはっはーーー!!面白い……いやあ……奴隷の分際でよくいうたなあ……貴様らヒューマン達はこのブラズールにおいてはただの物でしかない……貴様らは我が王ゼルドリス様が忌々しい封印に晒されてからこの地で精霊族と共に更に繁栄しようとしていたよなあ……気持ち悪いほど幸せそうな顔をして精霊共と平和に暮らしていたな……そんな時……我々の悲願でもあったゼルドリス様が復活されたのだ……貴様らは……元の奴隷としての立場がまた復活しただけ……だろう?」
デットビーはそう言い放つ。
「くっ!?貴様あああーーっ!?うぐっ!?」
男はそう言うと機械兵器はガタッと動き出す。
それにより声を遮られる男。
「ククク……さあ……お前は僕の人形……なんだ…そうして話せた……いいねえ。」
「なっ!?なにを………する。」
男はそう話す……が。
男の搭載しているゴーレムはググッと立ち上がる。
見ると中の男はデットビーの能力により操られている。
「うああっ!?や……めろ……………。」
「なんだってえ!?聞こえねえなあ。」
デットビーの醜い顔と言葉に僕達も身構える。
「あーーーっはっは!!次は貴様らが……」
魔神具に魔力を込めていくデットビー。
「死ねーーーーーーーーーーーー!!???」
その時……男の乗るゴーレムが僕達に襲いかかってきたんだ。
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