ブラズール世界編シーン17
「なにっ!?」
僕達の前に起き上がってくる先程、倒したはずのゴーレム。
これは一体どういった事なのか。
僕達は敵の怪しげな魔神具に驚きを隠せなかった。
するとテッドビーは口を開く。
「貴様らは勇者に加担する我らが魔王軍の敵だな。」
「それがどうした!?」
「フフン……残念ながらこれから魔王軍ロー部隊がまずは精霊達を皆殺しにする為進軍を開始した……初めにエルフの大樹…そうエルフ達は特攻部隊の我がゴーレム部隊に殲滅されるのだ。」
「なん。」
「だって!?」
するとテッドビーは笑う。
「ククク………あーーーっはっはっは!!!」
「何がおかしいんだ!?」
「そうだ!!僕達がきたんだ…これ以上……暴れさせる訳にはいかないんだ!?」
「ひーーーーーっヒッヒッヒ……その名の通りさ……少し……遅かっただろうさ。」
「なんだって!!???」
すると背後からザザザと現れたのは数十体の機械兵器ゴーレム。
「ゴーレム……だって?……しかもこの数。」
「さっきのゴーレムがこんなにいたのか!?」
「フン……あの精霊の作ったゴーレム等と一緒にするんじゃない……これは我が魔王軍のこの僕……『ゴーレムマスター…テッドビー』様が科学と魔導を融合させ創りし神をも超える力を搭載させし完成させ……そして兵器部隊を結集させた……ゴーレム部隊だ。」
テッドビーの語った衝撃の言葉に僕達は驚いてしまう。
「一体でもかなりの武力があったのにそれがこんな部隊を形成するなんて。」
そう言ったのはシャルロットさんだった。
そして震えながら口を開くフェリシモちゃん。
「私を襲ってきたのは……あの兵隊達……です。」
「なんだって!?」
僕は彼女の言葉に打ち震える。
するとテッドビーは口を開く。
「ククク……そうか……エルフの女……なるほど、読めたぞ……あの時、我ら部隊のその目を盗み逃げ出していったのは貴様だったのか。」
「くっ!?私を逃がしてくださったエルフィーナ様を救いにきたの!!私がこの生命に変えてもお前達なんか……」
僕は彼女の前に立つ。
「イシメールさん!?」
そして隣にはエンポリオ君もいる。
「イシメール君……コイツは僕の大切なマシーンの科学技術を冒涜してる……コイツは僕が許さない。」
すると更に笑い出すテッドビー。
「なんだあ……てめえは?この僕の科学の力の前には………死んで償えーーーーーーっ!?」
僕達はガシャガシャと音を立て現れた機械兵器ゴーレムに包囲されていたんだ。
「これは……」
「ククク……僕の兵器ゴーレム…一体一体が強力なんだ……そしてこの数……貴様らはこの僕に決して勝てない……」
テッドビーはニヤリと笑うとあの人形に魔力を込めている。
「そして僕のオリジナル魔神具『藁人形』はこの兵器を自在に操る……そして。」
数体のゴーレムは拳を振り上げる。
『魔導兵器輪舞曲』
その声で一斉に襲いかかってくるゴーレム達。
「イシメール君!!」
「うん!!やるしかない!?」
僕達は魔神具を手に構える。
「二人とも!!気をつけて!!キャッ!!」
「ああっ!?シャルロット様っ!?いやっ!?」
僕は彼女達に声をかけ走る。
「まてっ!?」
「イシメール君こっちは任せて!!」
「うん!!」
槍を振り回し飛び上がる僕。
「はあああーーーーーーっ………。」
ドカッと彼女達に迫るゴーレムを吹き飛ばす僕の攻撃。
「んん!?獣人なのか……貴様。」
「はあーーーーーーーっ!?それだけじゃないぞおーーーーーーーーっ!?」
更にエンポリオ君の魔神具が光る。
「フェローーーーーーーム!!!!!」
『イエッサーーーーーエンポリオーーっ!!』
「奴らを丸ごとーーーーーーーーーーっ!?」
『軟化ーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
その瞬間。
ぐにゃりとボディがスライム状になる機械兵器達。
「何っ!?」
テッドビーの驚きの声。
そして襲われかけていた二人は軟体化した機械兵器の手から逃れられた。
「ありがとう!!エンポリオ君!!???」
「くっ!!???これだけでは終わらん!!!出てよゴーレム!!???」
ドコドコっと更に這い出てくるゴーレム達。
「また!?」
「しつこいよーーーーっ!?」
「そうは……いかない。」
僕の槍から光りが溢れてくる。
その時僕の脳裏にあいつの声が。
『イシメール……大分俺の力を使えるようになったな……。』
「ああ……僕は……やってみせる……ゴルンガ……まだまだ僕は!!???」
槍からはこれまで感じた事のない力が溢れる。
その時。
ぱーーーーっと槍先から何かが機械兵器目掛け飛んでいく。
「なんだあ!?」
「いっけえええーーーーーーーーーっ!?」
ドガーーーーーーーーーーーンッと爆発を起こす機械兵器達。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました。