表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライブ配信!異世界転移!?  作者: 黒羽冥
第六章ブラズール世界編
360/500

ブラズール世界編シーン10

再び…俺の頭上でジリジリと二人の魔神具が衝突している。


「ぐぬぬ……貴様……邪魔をするな!!?」

「そうは……いかねえなあ…俺は力無き者を守るという使命があるのでなあ。」


ピクリと反応する俺の身体。

力無き者……確かに俺は今、力を失っている。

魔神具が壊れ、そんな俺はマジェストとして無力である。

この世界に来て俺は力を得てなんとかここまで辿り着いたんだ。

こんな事は未だかつてなかった。

ぐおおおおーーーーーーーーっと咆哮をあげるクラーケン。


「ははっ……小僧……貴様の魔神は確かに強かったな…あのドラゴンは強すぎた……だが…マジェストと魔神を繋ぐ魔神具自体がもたなかったのだろうなあ…この俺様のこの魔神具のように…神同等の力を得れる物でなければ結果……そうなるのだ……わかったら………んん!?」


その時、大男はラムドの魔神具を押さえ込みながら口を開く。


「小僧……いいか!?真のマジェストなら…魔神はお前と繋がっている……ここは………。」


すると大男は更に魔神具を振り上げていく。

「なにっ!?」

「はああああああああああーーーっ!?」


ドガーーーーーーーーーーンッとラムドの魔神具を弾く大男の魔神。

大地の精霊ノーム。

ノームの腕に握られてる大ハンマー。

それは奴の魔神具を弾く。


「いいか!?ここからお前の体感するのは…敗北だ……」

「くっ!?」


すると、ラムドのクラーケンはするすると触手を伸ばし始める。


「いやあああーーーーーーーー!?」

「なにこれーーーーーーーーー!?」


サキノとテンテンは触手の気味の悪さに叫んでしまう。


『ククク…男…貴様がどれだけ強かろうが…今の俺様には切り札がある事を忘れるな…。』

「…………………………。」


するとラムドは笑いながら話す。


『なんだあ!?突然黙りこくったか?そうだろそうだろ……お前もやっと自分の立場ってもんをわかったか!?』

『………………………。』

「なんだあ!?この俺様の脅威に震える程恐ろしくなったのかあ!?」


この男はただのゲスだ。

こんな…俺の気に入らねえこんな男が俺の大切な仲間たちを傷つけようとしてる。

これでいいのか!?

俺は自分で何も出来ないって思ってここで立ち上がらなくて本当にいいのか!?

気がつけば俺は立ち上がっていた。


「クロノ!?」

「クロノさん!?」

「小僧………お前。」


するとラムドが口を開く。


『ククク……魔神具を失い……そして魔神ももういないお前に……ここで何ができるって言うんだ……?』


俺はその声に耳を貸さず奴の元を目指す。

足には以前とは違いしっかりと力が入らない。

フラつく身体をなんとか奮い立たせ……俺は奴を目指す。


「クロノ!?だめ!今は動いちゃだめーーーーーーーーーーーっ!?」

「クロノさん!?本当に……私が今なんとかするから!!???」


サキノ……そしてテンテンは俺にそう言ってくれる。

すると……。

触手に囚われていたヘキサが触手に絡まれながら……ふわふわと浮いていた。

そしてその身体になにかの力が溢れていた。


「ヘキ………サ?」


ヘキサの身体からは次第に光が溢れだしてくる。


『僕は……世界の聖獣……『ヘキサ』……世界の安定の為にその力を与える者…。…』


すると…ラムドは口を開く。


『世界の……聖獣か……そしてここには……精霊を従えしマジェスト………ここは…………………。』


その瞬間。


『くあああーーーーーーーーーーーーっ!?』


光り輝くヘキサ。

その目からも光を溢れさせている。


「ヘキサ!?」


ぱーーーーーーーーーーーーーっと光をその身から放出するヘキサ。

すると……ボトボトっと触手は枯れていき落ちていく。

そして。

俺は立ち尽くしていた。

そして俺を温かい光りが包んでくれていた。

この光は………………。

俺に感じたのは誰かが俺を抱きしめてくれていた感覚。


『お兄さん………』

『ヘキサ?』

『お疲れ様……今は……眠ろ……。』

『ヘキサ……でも………俺。』

『いいの……大丈夫だから……今は………。』

『雷武も……いねえ………』

『うん……そうだね。』

『魔神具も……ねえ。』

『うん……そうだね。』

『俺……何も………。』

『うん……でもね。』


俺はいつしか…目は閉ざされたまま…涙が零れる感覚…。

そして…ふわふわと。

きっと……俺は……宙を漂っていたんだ。

お読み下さりありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
今までにない戦闘描写でしたね。 ヘキサちゃんがどんな能力を発動しているのかまだわかりませんし、任侠の徒のような雰囲気の謎の男の正体も気になります。 この戦いのあとには、最終決戦に向けたクロノの魔神具の…
ラムドさんはノリノリで悪者をしていて、クラーケンの特性もしっかりわきまえていて偉いですね。噛ませ犬感が半端ではありまけんね。今回もとても面白かったです。
[良い点] 突然の光でまさかの展開となりましたが、果たしてどうなるのか気になります!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ