ブラズール世界編シーン4
エルフとヘキサの力は…同時に発せられた。
すると…俺の目の前は真っ暗になる。
「な!?なんだーーーーーーーーーーー!?」
◇
◇
◇
俺はいつしか気を失っていた。
ヘキサの転地によるものだろうか。
そして俺は目を開けていく。
すると。
そこは木のいい香りがしている空気……だが俺は誰かに抱かれているような感覚。
(ん!?これは…柔らかくて…なんか…心地いいな………?)
すると…目の前には美しい誰かがそこに存在していた。
「あらあら……どなたですか?」
ニコリと微笑む美しい女性。
俺は呆然と彼女を見つめていると。
「クンクン…クンクン……はっ!?クロノーーーーーっ!?何してるのーーーーー!?」
「ん!?サキ…………ノ!?」
四足でワンコと化しているサキノは俺の元に駆け寄ってくる。
そして、ガバッと俺に抱きついてくるサキノ。
「おっと…………。」
「クロノのばかあーーー!」
俺はサキノの頭を撫でると彼女は徐々に人化してくる。
そこへ……ポンっと出てきたのはヘキサ…そしてテンテン。
「うわっ!?ここは!?」
「なんとか安全そうな所にきた気がしたけど……ん!?エンポリオ君とイシメール君は!?」
すると…そこにエルフの兵士が入ってくる。
「ほら!二人ともさっさと歩くのよ!?」
「お……分かったから!僕は暴れないぞ?」
「いてて……その槍で脅さないでくれよ?」
そんな言葉と共に入ってきたのは…。
「エンポリオ……と…イシメール!?」
エルフの兵士に捕まり連れられてきた二人の姿だったんだ。
◇
◇
◇
「あらあ!?あなた達はあの飛行船っていう大きな鳥に乗ってここにきたのねえ?」
ニコニコと笑顔でそう話したのは。
「女王エルフィーナ様!!この者たちの処分はどういたしますか!?」
「んーーー?まあまあ……シャルロット……そう事を簡単に荒らげるのではありません。」
「ですが女王様!?あの魔王のなにかではないのでしょうか!?見るからに怪しい者達じゃありませんか!?」
「酷い言われようだな……」
「なに!?この中では貴方が一番怪しいのですからね!?古の竜族の匂いをプンプンさせて…一体何者なの!?」
すると…笑いだしたのは雷武だった。
「あーーーっはっはっは!!クロノ!お前は匂いの隠し方がなってないからな!怪しまれて当然だな。」
「雷武!?なんだと!?そんな事お前も教えなかっただろうが!?」
「はあ!?なんでこの俺様がそんな事を貴様に教えなきゃならねえんだ…甘えるな??」
「うるせえ!?お前の方がそのままドラゴンじゃねえか!?」
「なんだと!?クソガキが!?」
「なんだよ!?」
「なんだ!?」
「「やめなさーーーーーーーーーーい!?」」
そういい俺達の喧嘩の仲裁をしたのはヘキサだった。
ヘキサはするすると宙から降りてくる。
すると女王様にペコリと頭を下げる。
「エルフィーナ様…僕は世界の聖獣…ヘキサ…この度は僕の転地という能力でこの『エルフの大樹』に辿りついてしまったのです。」
ヘキサは…これまでの経緯と共にエルフの女王に説明をしたのだ。
◇
◇
◇
「なるほど…大切な友人を探しにこの地に辿り着いたという事なのですねえ。」
俺達は女王の間に案内され話を聴いてもらったんだ。
「そうなんです…あ!そしてこの彼は僕の彼氏のクロノです!」
ヘキサの言葉に反応したのはサキノとテンテンだった。
「私は獣人サキノです!クロノは私のですエルフィーナ様!?よろしくお願いします!」
「私はジオウ王国の王女テンテンです!エルフィーナ!この彼は将来の私の夫です!!よろしくお願いします!!」
三人三様のエルフィーナへの自己紹介。
エルフィーナ様はニコニコと笑顔を浮かべている。
「あらあら…」
するとエンポリオとイシメールも挨拶をする。
「僕はヨーロディアの科学者でエンポリオといいます!そしてあの鳥は僕が作ったのです!どうぞよろしくお願いします!」
「そして僕はケニージアの医師でイシメールと言います!女王アキニー様の命をうけここにきました!よろしくお願いします。」
「お二人とも凄いんですねえ!」
エルフィーナ様は更に感動を覚えている。
このエルフの女王は皆に笑顔で癒してくれる女王なのだろう。
俺もいつしか癒しをもらっていた。
エルフィーナは口を開く。
「そして貴方が………」
そういうと…俺に目を向け言葉を続けるエルフィーナ。
「勇者クロノ…実は…私……エルフィーナは……この世界の希望として貴方を迎えいれたのです。」
「え!?それって……俺を知ってる…のか?」
「ええ…知っています…そう…前勇者……ラブラ…そして……ヤシュア……彼女達はこの世界に復活してしまった魔王ゼルドリス…魔王を倒す希望を迎えいれる転移魔法を使用した……それにより貴方はこの世界にやってきたのです。」
◇
◇
◇
突然のエルフィーナの告白。
果たして!?
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