チェンウォン世界編シーン57
「朝明さん!!!???」
テンテンは絶望の表情で立ち尽くしたいた。
その表情は青ざめ…絶望を現していた。
「朝明さーーーーーーーーーーーん!!??」
テンテンの叫び声が辺りにこだまする。
身体の半身を失い倒れゆく朝明さん。
テンテンは朝明さんの半身を抱える。
「テ……テン…テ…ン……役にもたてずに本当に…すまない…」
「何を言うの朝明さん!?私とまた戦って、くれるんでしょう!?」
涙が溢れ出した止まらないテンテン。
上手く話せないこの状況に。
「ぜ…前……回のマジェ……スト…武…闘会…優……勝者が…こ…のザマ……だ。」
「そんな……あの化け物が強力すぎただけです。」
すると朝明さんは今ある片手を上げていき、そしてテンテンの頬に手を添える。
「テンテン……お前と接したこの時を…俺は娘のようにお前を見ていた…楽しい時間を……ありがとう。」
「ちょ……朝……明……さん。」
ぶわっと溢れ出してくる涙をテンテンは止める事が出来なかった。
そして……すーーっと朝明さんの手はガクりと落ちてしまう。
「いやあああーーーーーーーーーーーっ!?」
◇
◇
◇
朝明さんをゆっくり寝かせるテンテン。
そして彼女は立ち上がり饕餮を見やる。
すると隣に立ったのはジオウの姿。
そして、ハオユーとリーファも魔神具を手に構える。
そこへ。
「私達もいるわ。」
私とサキノちゃん…エンポリオ君とイシメール君もいる。
「ここは、ワシの出番じゃの。」
「ヤシュア様。」
そこには魔神と同化し立ち尽くすヤシュアの姿があった。
ヤシュア様が空より降り立つ。
『んん??貴様は……』
「おお……ワシの姿に何か感じたか…饕餮よ。」
すると饕餮はその表情を変える。
『ククク……忘れるものか……貴様は俺様の同胞……そしてこの俺を封じた者の子孫……だからなあ。』
次の瞬間……饕餮はこれまで以上の濃い闇を吐き出していく。
それはヤシュア様をここから生かして返さないと言わんばかりに。
するとヤシュア様は笛を口に咥える。
ピロロローーーーーっと綺麗な笛の音が辺りに響き渡る。
ヤシュアの頭上高くから何かの力を感じる。
『ククク……貴様が何をしようとするのかは分からぬが俺様は……『闇』だ……貴様が何をしようと………………。』
闇のどこかよりそう言葉にし止まった饕餮の声。
「馬鹿め……ワシの名はヤシュア……貴様らが手にかけたロンレイ様の一番弟子……貴様らにロンレイ様の苦しみを兆倍にして返してくれようぞ。」
ヤシュア様のセリフだけがこの地に響き渡る。
次の瞬間。
ゴーーーーーーーーーーッと激しく大気が風を巻き起こしていく。
その風はあたりのものものを巻き込み吹き飛ばしていく。
「うわっ!?」
「きゃっ!?ヤシュア様の風……怒りの心を巻き込んで恐ろしい程の風を産んでるみたい。」
ゴゴゴと更にその力を身体に内包していくヤシュア様。
「んぐぐ…これが……ワシがロンレイ様より授かった力…その名も……『魔神力奪』」
「「あれは!!???」」
「あれは……魔神の力と同化して自身事魔神化させる技。」
皆の言葉にハオユーはこたえる。
「そう…あれは…自身の魔神を持たないロンレイ様が最も得意とした技……もちろん術者の力にもよるが魔神の力を強制的に奪い自身の力とする技。」
「ヤシュア様もそれが出来たという事よね?」
私はそう問いかける。
「ええ……だが……並大抵のマジェストでは使い切れない技…その理由は魔神が個が強すぎる為……その状態であの技を使えば…術者自信が魔神に全てを支配されてしまうという諸刃の技でもあります。」
ヤシュア様に目を向ける。
だがヤシュア様の身体は打ち震えている。
魔神化してここへ飛んできたヤシュア様。
そう……既に彼はそのレベルという事。
「あれは限界突破とは違うものなの!?」
「いえ、あれも限界突破した彼らの技となります…ですが……誰にでも…そしてできる魔神と技が効かない魔神もいる事でしょうね。」
「なるほど。」
「ですが…ヤシュアは……大丈夫だろうか。」
そう彼が告げると、私達は不安の表情でヤシュア様の戦いを見守る。
『ククク……その技は見た事があるぞ…我らを封じた時にあのロンレイの祖先が使った技……だなあ。』
「フン……知ってる可能性があるとは思っていたがな。」
ヤシュア様は構える。
「知ってて止めれるものなら止めてみるが良い!!!!!」
シュンッと飛び出すヤシュア様。
ただの暗闇に飛びかかっていくヤシュア様。
『ククク………しかも見えなけれ……ば……!!???』
饕餮の言葉は停止する。
「はあああああーーーーーーーーーーっ!?」
魔神であるヤシュア様の超攻撃が暗闇に突っ込んでいく。
次の瞬間。
ドゴーーーーーーーーーーーーーーーンっと辺りに響き渡る轟音。
『ぐううううっ!!???』
「捕らえたぞ饕餮!!???」
すると、饕餮はその身体の存在を現していったんだ。
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