チェンウォン世界編シーン49
【龍麗】の身体を咥えながら登場したのはあの時滅ぼしたと思えた渾沌。
そいつがなんとあのロンレイ様を咥えながら現れたのだ。
ロンレイ様は瀕死の形相。
するとハオユーとリーファは激しい形相で渾沌を睨む。
「てめぇ…………………!!」
「あなたは……許さない!!」
次の瞬間…ハオユーとリーファの魔神が姿を見せる。
すると渾沌はニヤリと笑みを浮かべロンレイをその口に咥えながら言葉にする。
『ククク……おおっと……てめぇら……動いたらこの老いぼれはどうなるか分かるよなあ。』
「なにっ!?」
「くっ!?なんて卑怯な…………。」
『オイオイ……その武器はなんだあ!?まさかとは思うが……この俺に何かしようってつもりかあ!?』
渾沌は、そう汚い言葉を吐き出す。
二人はカランカランっと自分達の魔神具を投げ捨てる。
『ククク……そうだ…分かってるじゃないか。』
すると渾沌は他のマジェスト達にも目を向ける。
『ほぉら……貴様らもだ。』
残ったメンバー達も唇を噛み締め…各々が魔神具を放り投げる。
「ヤツめ…………。」
「兄さん……ここは大人しくしておかないと。」
するとヤツは噛み付き動く事のできないロンレイに声をかける。
『ククク……ロンレイよ………どうだ!?』
「ぐっ!ぐうぅぅぅぅ。」
「ロ…ロンレイ様!!??」
ハオユーが叫ぶもロンレイ様は苦痛に顔を歪める。
『うぐぐっ!?がはっ!?』
ロンレイ様の口から赤い液体が飛散する。
「ロンレイ様!?貴様ーーーーーっ!?」
「渾沌!!汚いわ!!」
『フン…………うるせぇ……このジジイはな………。』
渾沌はその鋭い目を光らせ語ったんだ。
◇
◇
◇
これはジジイがまだ若かれし頃の事。
『がーーーーーっはっはっは!!いいぞいいぞ…もっともっとその表情を苦痛に歪ませろ。』
俺様達はこの地で悪神として暴れまくっていた。
人間など……我々にとっては弱い食料でしかなかった。
だから、この地において我々、神にかなうものなどいなかった。
故に我々はやりたい放題できた。
それはそれはとても楽しく俺様も歓喜の日々だった。
そんな時……そう我々の元に一人の男が現れる。
「悪神ども……蛮行はそれまでだ。」
そう…そこには何と……ロンレイ様と瓜二つともいえる程の似た男が立ち尽くしていた。
『貴様は……誰だ!?』
我らが頭である饕餮がそう問いかける。
「俺はロンツー………我が仙神の名において貴様らを封じにきた。」
『なん……だと!?ククク…面白い人間だ……貴様一人で我々神である四柱に一体何が出来るというのだ!?』
「それは。」
「どうかな!?」
『なにっ!?まだ仲間がいたのか!?』
ロンツーと共にこの場に来た二人。
「俺の名は……バジュラ。」
「そして俺の名は…空鉄」
「我らは貴様ら悪神を封じる為……苦しい修行を経て今ここに立つ……貴様らの蛮行はもう終わりだ。」
すると三人は各々に武器をその手に握っていた。
一人は笛を…次の一人は『剣』を更に一人は『巨大な鋸』を握り構える。
次の瞬間。
「「はあああーーーーーーーーーーっ!?」」
三人は叫ぶ。
すると…三人の背後に現れたのは三体の魔神。
そして三人は一気に総攻撃を開始する。
突然の事ながら悪神達はこの三人に異常を感じ身構える。
だが、それは時すでに遅し……。
「「悪神達よ……貴様らの蛮行、もはや許すまじ……我々の力はこの地に暮らす人間達の正義の刃だと思うが良い!!!!!」」
魔神達はその光に焦り出す。
『ぐああああーーーーーーっ!?貴様らーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
すると。
饕餮にその光は一斉に集まり出す。
『な!?なにをする……つもりだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
饕餮の大声の聞こえた瞬間。
饕餮の身体は光に包まれそして。
『ぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!?』
そして饕餮は消え去り……その後は我々も封じられてしまったのだ。
◇
◇
◇
『許さん……思い出しただけで腹が立ってきた…………もういい…あの時のロンツーの子孫……ロンレイよ……………死ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
「「やめろーーーーーーーーー!!!!!」」
皆が叫ぶ。
渾沌の巨大な口の鋭い牙は。
ガシャンッと閉じられてしまったのだ。
ロンレイ様の目は大きく開かれ………。
次の瞬間。
ロンレイ様は……その生命を終えた。
「「ロンレイ様ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
◇
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お読み下さりありがとうございました。