チェンウォン世界編シーン48
サキノ視点
「クロノーーーーーーーーーーーーっ!?」
「お兄さんーーーーーーーーーっ!?」
お兄ちゃんは私達を助ける為に激しい戦いを繰り広げた。
そしてお兄ちゃんはあの檮杌を倒してくれたの。
私はクロノの元まで走りよる。
クロノは立ち尽くしている。
「クロノ!?クロノ!?」
私は立ち尽くすクロノにしがみつく。
私が触れたクロノの背中に生暖かい何かを感じる。
これは……血!?
「クロノ!?クロノ!?」
私の目から涙が溢れだしてくる。
「がはっ!?ケホッケホッ!」
「クロノ!?」
「はあ……はあ……ちっ!いてえけど……なんとか……大丈夫だ。」
「クロノ!?まってて!!私がカラーウルフで助けるから!?」
私は筆を取り出だす。
だけど、クロノは私の手を止める。
「サキノ……お前……今これ以上の力使ったら…やばいだろ……」
「クロノ!?大丈夫だよ!私はどうなってもクロノを助けられるなら!!」
「サキノ……ありがとう…でも俺…どんなサキノでも好きだ…でも無理するな。」
「クロノ。」
私は嬉しくて涙が零れる。
すると。
いつしか傍に立っていたヘキサちゃんがいた。
「お兄さん……大丈夫だよ……僕がいるじゃばい。」
ヘキサちゃんがクロノの傍で彼をスーッと寝かせていく。
するとヘキサちゃんの身体は発光していく。
その光はクロノの身体に移っていく。
次第にクロノの表情は安らいだかもしれない。
そしてスーッと眠っていくクロノ。
「ふぅ……これでなんとかなったと思う。」
「そうなのヘキサちゃん!?」
「うん…本当はとても危なかったんだよ?」
「ええっ!?」
私は驚き声を荒らげてしまう。
「お兄さん……無理しすぎなんだよ……確かにあの時……あのままではここにいた全ての人達が殺されちゃってたかもしれなかった。」
「それはどういう事!?」
ヘキサちゃんの言葉にテンテンちゃん初め皆が集まってきていたの。
するとヘキサちゃんは口を開く。
◇
いい?……あの檮杌って敵は皆が感じたように恐ろしい力を持っていた…お兄さんは深手をおってしまったけど檮杌に力を奪われていってしまっていたの……唯一アイツを倒すには莫大な力が必要だと思ったお兄さんは自分の生命エネルギーに頼るしかなくて……そのエネルギーを使用して奴を倒したの。
◇
「そうだったんだ……」
「クロノ……….。」
テンテンちゃん、そして私も眠っているクロノを見つめる。
するとヘキサちゃんは続ける。
「さっきの檮杌って敵も恐ろしかったけどなんとかお兄さんが倒してくれた……でもね。」
皆はその言葉に釘付けになる。
「奴らのこれまでの話からしても…あと一体…最後の奴らのBOSSのような敵がいるみたい。」
「なにっ!?」
「なんだって!?」
皆が驚きヘキサちゃんに注目する。
するとヘキサちゃんは続ける。
「僕が感じるその一体はお兄さんが倒した奴以上の力を持っているかも知れない。」
するとリーファちゃんも深刻そうな表情をしていた。
そして隣にいたハオユー君が口を開く。
「そう……最後の敵になるはずの敵の名は『饕餮』遥か昔にこの地を恐怖に陥れた悪神なんです。」
「ハオユー君……その名は僕も聞いた事がある……この地における最悪の根源……貧困の地にて人々のその苦しみから生まれた悪神。」
ジオウさんも饕餮という悪神の事は分かっているみたい。
するとテンテンちゃんも口を開く。
「その饕餮って敵と戦う為にはあれほどの力が必要なのね…こんな事を言うのもなんですが…クロノさんは……目は覚めますか!?」
するとヘキサちゃんは不穏な表情を浮かべる。
そして私は。
「クロ……ノ……クロノを!!これ以上!!戦わせないで………。」
私はまさかという言葉を叫んでいた。
目からは涙が溢れだし訴えるようにそう大声を上げていた。
「サキノ……ちゃん。」
「君……。」
リーファちゃんそしてハオユー君が口を開く。
「そうだね……僕達の力を結集してでも饕餮からこの地を守らなければ…クロノ君ばかりの力に頼ってられないね。」
「ああ!!僕達も負けていられないなテンテン!!」
「ええ!!お兄様!!やりましょう!!」
「俺もいるぜテンテン!!」
私達はクロノがちょっと休憩しててもなんとかしてみせる。
だから寝ててねクロノ。
私はクロノの顔を見ながらそう語りかけていた。
その時。
ゴゴゴと地面が揺れ始めそしてグラグラと大地が激しく揺れていた。
次の瞬間!!
地面を突き破り姿を現したのは。
大会に現れそして倒されたかに見えた悪神の一人『渾沌』が姿を現した。
すると……ハオユー君が叫ぶ。
それは渾沌の口に咥えられた一人の老人の姿が。
「【龍麗』様ーーーーーーーーーーーーーっ!?」
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました。