チェンウォン世界編シーン47
怪物檮杌のサイクロン。
それはこの周辺に存在した者達を飲み込み。
そしてここには檮杌の姿しか見えなかったのだ。
人は悪神であってもまかりなりにも……神の力を持つこの怪物にはその力が及ばないのかも知れない。
『如意棒………。』
するすると自身の武器を取り出だす檮杌。
『ククク……あーーーーっはっはっはーーー!どうだ我が力は……我々は神とまで呼ばれる存在…人間風情が夢見て、もしかしたら倒せるのでは!?なんて夢は本当の夢よ……これが本来の神と人間の力の差だ……恐れおののけ…この神である俺様にひざまづけ……命乞いせよ…恐怖に……絶望しろーーーーーーーーーーー!!???』
「やば……い………」
「なんて………力なの。」
俺は檮杌と仲間たちの絶望の声が耳にそして脳内に聞こえてくる。
「やめ…………ろよ。」
するとボロボロで立ち上がろうとする俺に目を向けてくる檮杌。
「ああ!?貴様……死に損ないが……何言ってんだ!?」
「クロノ!?」
「お兄さん!?」
サキノとヘキサの声が聞こえる。
俺の背後には…傷つき倒れるリーファ、ハオユー、ジオウにテンテンもいる。
俺が……俺がここでやらなきゃ……皆。
「皆やられちまうだろーーーーーが!???」
その時。
ドクンっと跳ねた俺の身体。
やがて俺は光に包まれる。
◇
◇
◇
『なんだ………これは。』
檮杌の目の前にはいつしか光に包まれた俺がいた。
『貴様………それはなんだ!?』
俺の髪は爆風でなびき身体中から何かの光が溢れ出す。
「あれは!?なに!?」
「サキノちゃん……あれはお兄さんが生命を燃やしている力……化け物に力を抜き取られたお兄さんはとても戦える状態ではなかった……でも…恐ろしすぎる悪神『檮杌』相手にきっとここにいる誰もが適わなかった……もちろんお兄さんも……そこでお兄さんの身体はその中で何かのスイッチが入って……今……生命を燃やし戦う事を決めたみたい。」
俺の身体の内から激しい力が溢れだしてくる。
『バカな………貴様ーーーーーーーーー!?』
奴は魔神具である如意棒を構え飛びかかってくる。
その恐るべき力は俺の頭上から激しく振りかざされる。
「…………………フン。」
奴の一振りをガキーーーーーーーーーんっと激しい爆音を立て俺は奴の魔神具を受け止める。
俺の身体に降り注いてくる奴の衝撃。
『はああああああああああーーーーーっ!?』
次の瞬間。
ジリジリと奴の如意棒が俺の刀を押してくる。
その圧倒的なパワー。
それは奴を神と至らしめる事実。
『ぐあああああああああああーーーーっ!?』
奴が咆哮を上げた瞬間。
俺の刀は弾かれる。
「お兄さん!?」
「クロノ!!???」
『ぐへへへへ……もらったーーーーー!!!?』
その時。
俺の身体に爆炎が纏う。
『なにっ!????』
「はああああーーーーーっ!!???」
俺の身体は回転し奴の頭上から刀を振るっていく。
「馬鹿め!?人間ごときの武器など………!?」
その時…ガゴーーーーーーーンッと奴の頭にヒットする俺の刀身。
『ぐげええええええええっ!!???』
奴の頭に俺の凄まじい一振りが炸裂し奴の顔は苦痛に歪む。
そして俺の身体はすたりと着地する。
「クロノさん!!???」
「なんて……攻撃なんだ……これが人間だと!?」
「貴様……貴様貴様貴様貴様貴様ーーーーーーっ!?」
奴は怒り狂い俺に襲いかかる。
俺の身体は流れるようにスーッと奴の攻撃を躱していく。
『な!?なんだその動きは………。』
奴の視線の中に映る俺の動きはまるで揺らめく炎。
掴みどころのない動き。
そして例えば触れてしまえば火傷をおってしまうと動物的感覚が檮杌の心を支配していく。
『ぐぬぬ………俺は……俺は神だ……貴様ら人間風情にやられるわけにはいかんのだ!!??』
奴の如意棒が俺に飛びかってくる。
『はああああーーーーーーーーーっ!?『爆風龍!!???』』
巨大な竜巻プラス奴の総攻撃が俺に迫る。
俺の身体は流れるように奴のテリトリーに入っていく。
『ククク………人間の分際で……死ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
俺の身体は流れるように炎の揺らめきに同化していく。
『炎だと!?なに!?しかもそいつは…。』
俺は炎のドラゴンと一体化する。
俺の刀身はドラゴンを集約していく。
そして俺は構える。
やつ目掛け飛び出す俺の身体。
炎VS風。
俺の身体は奴の風に消えること無くパワーを蓄えていく。
『俺は檮杌!!???貴様ら人間などにーーーーーーーーーーーーーー!?』
「武神流……………『羅不亜炎竜』」
刀身は檮杌の身体にくい込み…そして……斬り裂いていく。
『あがっ!?あががっがががーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
俺は檮杌を仕留め立っていた。
(やったか……………………)
「クロノーーーーーーーーーっ!?」
「お兄さん!?」
二人が俺に向かい走ってくる。
後ろにはジオウ…テンテンも……そしてリーファとハオユーもなんとか無事みたいだ。
俺は檮杌を仕留めた。
だけど。
「ああ………なんか…………………眠い。」
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