チェンウォン世界編シーン38
俺とサキノの力……それは窮奇の全てを消し去ってしまった。
それは化け物である窮奇が消え去りここに安全というものが確保されたのを確定されたのだった。
すると。
「「うおおおーーーーーーーーっ!!??」」
会場内全ての人間達の歓喜の声が飛び交う。
やっとの事で安堵の声を上げる人々。
窮奇に襲われ息絶えた者。
恐るべき窮奇に恐れおののき逃げ出した者。
そしてその悪鬼と戦った者。
会場では様々なドラマが繰り広げられた。
◇
そして会場内にカンナのアナウンスが流れる。
『皆さん……恐るべき悪鬼であります渾沌と窮奇の突然の乱入によって今大会に緊急事態が発生いたしました…だがしかーーーし。』
カンナは一息つくと俺達選手達を指さす。
『この大会は力ある選ばれしマジェスト達の大会でもあります、もちろん悪鬼達はとてつもなく恐るべき敵でした…ですが、ここに集いしマジェスト達はその身を駆使しそんな悪鬼達を払い除けてくださいました!!』
おおおーーーーーーーーっと歓声が会場内に響き渡る。
『しかしこの大会の試合の件なのですが……残された試合は『邪教、悪翔』VSクロノチーム…だったのですが……既に『邪教、悪翔』チームの人々が会場内のどこにも姿が消えてしまいました……よって今大会の優勝は………………。』
カンナの声はそこで停止する。
すると。
『クロノチームの優勝ですっ!!!???』
『うおおおーーーーーーーーーーーっ!!!』
会場内に響き渡る俺達の優勝という声。
「おおおおお!!???」
「やったなあんちゃん達!?」
「すごーーーーーーーい!?」
「あの化け物を倒したんだ!?そりゃあ優勝だろ!?」
「本当に!!結果的に俺達は生命を守られたんだからな!?」
「ええそうね!?あの子達がいなかったら今頃私達の生命もなかったかも知れないわ。」
一同に皆俺達を称賛してくれる。
俺は安堵しサキノに目をやる。
サキノはいつしか普段通りの彼女の姿になっていた。
「クロノ……お疲れ様。」
「サキノ……お前も……ありがとうな!?」
「うん。」
俺達は微笑みあう。
すると。
「クロノ、いや、人類の希望よ…この会場内を守った功績、感謝する。」
「ジオウ……」
「お兄ちゃん!?私だって頑張ったんだからね!?」
そう言ってきたのはテンテンだった。
「はは、確かに…俺一人じゃ勝ててねーよ!?」
「いえ…でもクロノ君の力はこの地の希望となる事でしょう。」
俺の言葉にそう言ってきたのはリーファだった。
「リーファ!?」
するとリーファと共にいたのはハオユーだった。
「クロノ君……僕はリーファと共にこの地で戦ってきた……だけど今回のこの事件、今ロンレイ様は危険な状態だ…だけど……やはり敵はあと二人の悪神達が残っている…昔の文献によれば先程…僕達が戦った渾沌と窮奇は四柱の悪鬼の中でも兵隊の部類と聞きます。」
「奴らが兵隊だって!?」
「はい…ロンレイ様が封じていた渾沌は急激な何かの力を得てしまい…そのロンレイ様と僕は奇しくも逃してしまったのです…そこに現れたヤシュアにより僕達は生命だけは取り留め、ロンレイ様は現在治療を…ロンレイ様に救われた僕はなんとか動く事ができあの渾沌を追いここまで来ました…だけどそんな渾沌ですら兵隊だと僕は教わりました。」
「そうだったのか……」
すると。
突然周囲から何かやばい空気を感じてしまう。
「なんだ!?」
俺が辺りを見回す。
立っていたのは人化した雷武。
「よお?クロノ!?」
「雷武!?」
赤い長髪…キリッとした切れ長の目。
その容姿そして身体から溢れる闘気。
これが俺の魔神である雷武なのである。
「お前がその姿で出てきたって事は……。」
「ああ…お前も感じたハズだ。」
「ああ……あいつ……か。」
俺が空に目を見やるとそこには。
黒いオーラが空中に漂う。
そしてそこには。
もくもくという黒煙に変わっていく黒いオーラ。
バチバチという力が黒煙内から感じてくる。
『ククク……クククク。』
「お前は!?」
『あーーーっはっはっは!!???わしは檮杌……これよりこの地はわしの力の及ぶ地だ……さあ………。』
檮杌はそういうと姿を現す。
巨大な猪の化け物といったこの悪鬼。
恐るべきこの悪鬼。
ここまでの力だとは。
ビリビリという奴の力は、これまでの敵とはケタ違いだという事を感じる。
するとやつは口を開く。
『ぐふふ……おお……さあ……戦いを楽しもうじゃねえか。』
檮杌はそういうと。
俺達を見ていた。
『おお……これは面白くなりそうだ…だがわしは今空腹だ……だから。』
どうぅぅぅーーーーーーーーーーっとオーラを放つ檮杌。
その瞬間宙に舞い上がる。
『満腹になったら戦おう!?さらばだ!!?』
瞬時に飛び去った檮杌。
「なっ!?」
「早い!!???」
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