チェンウォン世界編シーン28
『勝者!!『邪教団、悪翔』
リオとイシメールの戦いは終わった。
二人の勝利で終わる。
すると…敵チームの残った二人が現れる。
「やっぱり…私達がでないとダメみたいね。」
「本当だな…僕達はこの大会で自由になるんだから。」
そう話す、メニーテス孤児院の残る二人。
そして対するはカルマとエンポリオのコンビだ。
だけど俺達は先程のリオ達の行動に違和感を覚えていた。
すると二人の兄妹は弟達であろう気絶した子達の元へ歩み寄る。
そして二人は無傷の二人を見て驚き警戒する。
「何!?なんなのこれは!?」
何事もなく無事だった二人を見て安心するもそれはカルマ達を警戒するには十分の結果だった。
そして少年は声を上げる。
「お、お前らなんなんだよ!?」
するとその様子を見ていたリオが少年たちに声をかける。
「貴方たち……もうこんな無意味な戦いは止めてさっさと負けを認めればいいわ。」
「くっ!?でも、僕たちはすっごく貧乏なんだ
…今日明日生きるのもやっとで…ここで僕たちは勝って自由になったら働いて、皆で幸せに暮らすんだ!!???」
するとオーナーと呼ばれた男が口を開く。
「そうだぞ…よくぞ言った、お前たちが優勝したあかつきには自由というものを与えようではないか…さあ…お前たちの弟達は負けてしまったからな…お前達の奴らを根絶やしにしてしまえ…僕の与えた、その………魔神具でな!!???」
オーナーがパチンっと指を鳴らす。
すると何かの合図だったのだろうか。
突然その女の子は首を抑え苦しみ出したんだ。
「うぐっ!!???ううう!!???」
「レイレイ!?」
少年は妹の名を呼び焦り出す。
「くくく…やはり…素直にどこまでも僕の話を聞き続づけないことくらい分かっていたぞ。」
「えっ!?」
「まあいい教えてやろう……僕がお前たちに渡した魔神具…四鬼のナイフ…それには一本一本それぞれに小鬼が宿ってるんだ。」
「なんだと。」
俺はつい声を上げてしまう。
すると少年たちの背中に見えだしたのは。
なんとナイフから出でし醜悪な姿をした小鬼。
小鬼達はいつでも彼らを襲える状態になっていたんだ。
「くくく…だからお前たちは大人しく僕の言うことを聞いて戦っていればいいんだ。」
すると…先程戦っていた二人が目を覚ましたのだ。
「お……にいちゃん……お姉ちゃん……僕たちは大丈夫……だから…危ないから……もう、戦うの止めて……帰ろうよお。」
「!!???」
少年も少女もその目に涙を溜めてうったえる。
「おいおい…ガキい、何を言い出すんだ!?」
「オーナー、確かにこのお姉ちゃんお兄ちゃん達は強いです…僕たちは運だけでここまで来たけど…これ以上は………。」
少年も震えながらそう訴える。
するとオーナーが大声を上げる。
「ふざけるなーーーーーー!!??」
「でも…私達はもう。」
少女も既に戦意は喪失しているようだ。
そこへアナウンサーが軽快に試合の終わりを告げようとする。
『おおっとここで対戦相手の戦意喪失によりチーム邪教団、悪翔の勝利が確定しました!!』
アナウンサーの大声が会場内に響き渡る。
「「おおおおおーーーーーーーーーっ!?」」
会場内のその言葉はそれを認めたという事なのかもしれない。
すると。
「貴様ら………ふざけるなよ。」
カルマ達に対しそう怒鳴り始めたオーナー。
「ガキども…貴様らは覚えてろ…これが…本物の力というものだ…」
オーナーは彼らの落としていた魔神具を拾い上げる。
「魔神よ……この僕に力を。」
オーナーが四本のナイフを頭上に掲げると。
もくもくと煙をあげるナイフ。
そして。
いつしかナイフからは宙に浮き上がる一体の小鬼が現れる。
「くははははははっ!!そこの娘たち…お前達もそんな宗教と教祖などにハマるより…どうだ!?これを機に僕の金の力にひれ伏すが良い…どうだ?」
オーナーはそう言い放つ。
だがその力は本物なのかもしれない。
ゴゴゴとオーナーから力が溢れだしてくる。
「ぐあーーーーーーーーーーーーっ!!??」
オーナーが叫び声を放つと同時に辺りの皆が吹き飛ばされそうな程の力。
すると。
そこに立つのはカルマ達。
「鉄星さま…この者は私達の神を冒涜する者…制裁の許可を。」
「カルマさんのフォローは僕が。」
エンポリオもカルマに合わせ言葉を続けた。
「僕も神への冒涜は許せません。」
「私も神を愚弄するこの男…私の神であります鉄星様への愚弄に聞こえ、決して許す事ができません。」
「おお……お前達…もう試合は既に終わっておる……ここは奴を一掃し、我らが力を見せるが良い。」
「「はい。」」
四人はそう返事を返す。
次の瞬間。
「「私達の神への誓いを!!」」
四人の魔神達は…圧倒的な力で。
怪物と化したオーナーを仕留めたんだ。
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