チェンウォン世界編シーン27
こうして二回戦目が始まったんだ。
チーム『邪教団、悪翔』はカルマ、リオ、エンポリオにイシメールの四人のチームだ。
それに対し次なる敵は。
『はいはーい!!では勝ち進んだ四チームで準決勝決定戦を開始しまーーーーーーーす!』
アナウンスの声で始まった準決勝決定戦。
カルマ達と戦う相手のチーム名は『メニーテス孤児院』なる者達。
女子二名?と男子二名?のチームである。
四人がカルマ達に近づいていく。
男二人はカルマ達の前に、女子二人はイシメール、エンポリオの前に立つ。
すると二人の女子が口を開く。
「あなた達が二回戦に上がってきたというマジェストですね!?」
「私達は何とかさっきの戦いに勝てました、あ…痛いの嫌いだからお手柔らかにお願いします。」
ニコニコしながら二人の手を握りそう言ってくる敵チームの女子二人。
こんな感じで本当に二回戦に上がってきたのか!?
そう思わせてくるその様子に戸惑う男二人。
するとカルマ達の前にも男達が。
「僕達も頑張りますのでよろしくお願いします。」
そう声をかけてきた男二人。
さっき声をかけてきた女子二人もそうだけどこの二人…見ると貧困層の人間なのだろうか。
その衣服はどこかほつれたりしてる様子だ。
四人に何らかの違和感を誰もが違和感を感じていた。
そしてまずはリオとイシメールが登壇している。
そこへ登ってきたのは一人の男と一人の女子。
「さあ、いきますね…私は孤児院『メニーテス』の次女、メル……私達の魔神具……『四鬼のナイフ』一本目…『魔神イースト』」
「じゃあ僕も…次男…テリオス…そして二本目…『魔神ウエスト』」
二人の兄妹であろうか…彼らは幼いながらも何か訳もあるのだろう…こんな戦いに参加している。
「あれは!?」
「もしかして……この街の孤児院の子達がカルマ達の対戦相手なのか!?」
「なんて事だ……あんな幼くして……。」
「お兄ちゃん!?なんとかならないの!?」
テンテンもジオウにそう問いかけるも…このマジェストの大会に参加してる以上……そしてもう既に一回戦の相手に勝利したからこそここにいるという現実はどうにもならない事でもあるのだ。
「私くらいの年齢の子だよね。」
サキノもそう悲しげに呟く。
俺はたまらず今では敵のカルマ達に声をかける。
「おい!?カルマ!!リオ!?」
俺の大声なら聞こえてるであろう二人。
だけど反応はしてくれない。
「なあ!?イシメール!?」
イシメールも敵に槍を手に見ているだけだ。
「カルマ!?お前達をママって呼んでくれてる…この子達も同じ様な境遇の子供達だろうがよ!?」
そう大声をあげるも反応はしてくれなかった。
すると。
「おいおい……君は何かね…我々に負けろ…そう言っているのかね?」
俺の声に反応したのは何と、カルマ達の教祖である鉄星とかいう教祖だったんだ。
「これは…この大会に対する暴言では無いのか!?」
「くっ!?だけどよ!?」
「いいかね!?クロノ君…そんな自分勝手な君だからこそ…君に嫌気がさして仲間であったカルマやリオだってワシの元にきたんじゃないのかね?」
「くっ!?」
この状況に俺は鉄星に言い返す事も出来なかった。
確かに鉄星の言い分は間違いはないんだ。
すると敵チームのオーナーが現れる。
「フンフン…なんだい随分騒がしいねえ。」
「くっ!?お前がこの子達を。」
「やだねえ…僕はこの子達を金で買い取ったオーナーさ…そして面白いこんな大会に是非とも僕も参加してみたい…でもね…僕はちゃんとこの大会で優勝する事ができたらこの子達の身も補償してやる約束もしてやってるんだ!感謝されてる事はあっても恨まれる事はないんだよ。」
オーナーって奴はハッキリとそういった。
するとメニーテス孤児院の一人は口を開く。
「お兄ちゃん……そういう事だから、邪魔しないでくれるかな。」
オーナーの大笑いする中。
どうにもならない俺は。
この試合…彼らの無事を、カルマ達の心の中を。
今はただ、信じて見守る事しか出来なかったんだ。
◇
◇
◇
『さあ!!では試合再開です!両者とも……。』
『初めーーーーーーーーーーー!!??!』
こうしてリオ、イシメールは戦いを再開する。
「「たあーーーーーーーーー!!???」」
幼い二人のナイフ攻撃!!
ナイフは思った以上に鋭く飛びリオ…そしてイシメールに向かう!!
よく見ると二人のナイフに小さく乗り込む昆虫型の魔神が乗り込んでいる。
スゥーーーーーーっと息を吸い込むリオとイシメール。
「スクエル………」
「コング……………」
コングがナイフを撃ち落とす。
カランカランっと音を立て転がる二人の二本のナイフ。
「あ………………」
「お兄ちゃん……」
二人の兄妹は驚き声を漏らす。
そして…スクエルは。
光を放ち、光は魔神と共に少年たちを包み込む。
すると、二人は眠るように気絶していたんだ。
◇
◇
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