ライブ配信シーン30
港町マリンフォレストに辿り着いたクロノ達!
どうなる!?
そして世界へ。
俺達はようやく港町マリンフォレストへと辿り着いたのである。
ここはグランドバズ王国の港町にもなっている街…故にグランドバズ王国の繁栄と共にある大きな街でもあるのだ。
「おお…ここの港町もデカイなぁ……。」
「そうね…私も初めてきたけど本当に大きな港町ね…あ!サキノちゃん?」
俺に答えたカルマはちょこちょこ先を行くサキノに声をかける。
「サキノ!?」
俺が声をかけるとサキノはこちらを振り向く、そして、その口元はヨダレを垂らしているではないか。
「う…サキノ?何かいい匂いでもしたか?」
「うん…お兄ちゃん……いい匂い……。」
サキノが指を指すと、そこには海の幸の串焼きが並んでいたんだ…。
「はっはっはっ…無理もない…ワシもこの匂いに酒を探そうとしていた所じゃ…」
そう話すヤシュアもどうやらこの海の幸の匂いに腹が減っているようだ。
「クロノ…私もお腹すいてきたし、ここはひとまずお腹を満たさない?」
「ああ…わーったよ。」
こうして俺達は港町マリンフォレストの海の幸を楽しむ事にしたのだった。
◇
◇
◇
俺達が散策していると海の幸の串焼き、そして生魚など色々並んでいる。
キョロキョロ見回しても俺が住んでいた世界ではあまり見ることの無い魚も沢山並んでいたんだ。
するとカルマが俺を呼んでいる。
「クロノ!こっちこっち!」
「どうしたカルマ?」
「ほら!見てよ!こっちはサンマっぽい魚に!こっちはタイね!」
「おお!ほんとだ!すっかり同じような魚だな!」
俺達がそんな話をしていると聞こえてくる笑い声!
「きゃははは!!」
「ん?」
「あの声はサキノちゃん?」
「そうみたいだな!行ってみようぜ!」
俺達が駆けつけるとそこには魚屋で遊んでいるサキノの姿があったんだ!
サキノが機嫌よく何かを手にし遊んでいる。
すると魚屋の主人が口を開く。
「おいおい!お嬢ちゃん!そんなにタコが気にいったのかい?」
「あはは!これおもしろーい!」
どうやらサキノは初めて見たタコに興奮しているようだ!
「サキノちゃん!タコで遊んじゃダメです!」
カルマがそういうとサキノは俺達に気がついたようだ。
「おおっ!カルマお姉ちゃんとクロノお兄ちゃん!」
「おいサキノ!そのタコ、ちゃんとそこの水槽に返せよ!」
俺のその言葉にサキノは頬を膨らます。
「これ、面白いんだよクロノお兄ちゃん!」
「いや!わかるけどな!ほら大人しく入れとけって!」
俺はサキノの持っているタコを取り上げようとした瞬間!!
ぶしゅーーーーーっ!!
「ぐわあああっ!!」
どうやら…ちゃんとオチは用意されていたらしい。
「クロノ…。」
「クロノ…お…おにぃ…ちゃん…。」
笑いを必死に堪えてる二人を前に頭からタコの墨をかぶり立ち尽くす俺がいたのだった。
すると聞こえてくる知った声。
「あーっはっはっはー!これは新鮮だわい!」
この声はヤシュアの声だ!
ヤシュアは海の幸と酒に大喜びで飲んで食べている。
「おお!ヤシュアーー私も食べる〜!!」
「私も食べたい!」
笑いを堪えながらヤシュアの元へ走る二人を俺は墨だらけになりやれやれと見守るのだった。
◇
◇
◇
俺も三人に合流!
四人で食事をしているとヤシュアが陽気な顔を消し口を開く。
「さて…三人ともよく聞いてくれ!」
俺達はヤシュアの話を聞く事にする。
「この街から船で行く先はアメリスアード大陸、この世界ではかなり大きく、そして軍事力、先進国としてもトップに近い国じゃ…その広大な大陸ゆえに我々と同じ様な力を持つマジェストも続々と現れてくる事じゃろう…ゆえに何が起こるか分からん、よいか?」
「うん!サキノは皆と一緒に行くもん!」
「私はもちろん選択肢は一つだから!」
「俺も…行くぞ!ゼルドリスも放っておけねぇしな!」
俺達四人は更に決意を固めるのであった。
◇
◇
◇
アメリスアードは巨大な国だ。
そして、これから魔神達との戦いは更に困難なものになるだろう…だけど俺達にはマジェストの使命がある…。
俺はカルマをキッカケにこの世界に異世界転移してきた。
そして、今こうして魔神の力を得て、戦う事が出来るようになった。
俺には仲間がいる。
そしてずっと支えてくれるリスナー達もいる。
ゼルドリスを倒す為。
カルマの両親を救う為!
この四人でまずは出発だ!!
決意をあらたに次の地へ向かうんだ!!
◇
◇
◇
第一章完
お読み下さりありがとうございました!
第二章を引き続きお楽しみいただけたら幸いです。