チェンウォン世界編シーン24
遂にクロノ達は。
一度俺たちと離れたカルマ達はいつの間にか敵チームとして俺たちの前に姿を現した。
果たしてどうなる!?
「さあ一回戦最初の試合は『邪教、悪翔』チームの見事勝利で終わりました!!そして第二回戦目の戦いは……。」
◇
こうして俺たちの戦い前に行われた六チームの一回戦が終了し、三チームが勝ち上がった。
そしていよいよ。
俺たちの一回戦目が巡ってきたんだ。
『さあ一回戦の残り試合は勇者クロノチームVS『暴露』の試合となりました!!』
ワーーーーーーッと会場内に歓声が鳴り響く。
すると武闘台上には試合前に俺たちに絡んできた先程の奴らがニタニタしながら立っていた。
そして先程の男が、こちらに声をかけてくる。
「さあ!!お嬢ちゃん!これから痛い思いをしたくなかったら今のうちに俺たちの傍に来ておくといい!?どうだい?」
サキノにそう声をかけてくる男。
ニタニタとヨダレを垂らす勢いで声をかけてきていた。
サキノはずっと俺の手を握り離れなかった。
「サキノ……大丈夫!もう俺がずっと傍にいるからな?」
目を潤ませ俺の顔を驚きの表情で見ているサキノ。
サキノはすうーーーーっと深く息を吸っていく。
そして俺ににっこり笑顔を向けてくれる。
「お兄ちゃん…ありがと、私、目が覚めてからずっと不安だったの…あの戦いで私は眠ったままになっちゃって…また寝続けちゃって今度こそ起きれなくなったらって思うと不安で。」
サキノは俺の手を一段と強く握る。
「サキノ……。」
『さあ!!ではそろそろクロノチームの選手の皆さんも武闘台上へおあがりください!!』
「サキノ……俺はもう……サキノを離さない…俺がお前をずっと守る。」
「うん!!!」
サキノは目にいっぱいの泪を溜めて。
そしてアナウンサーの声に俺たち四人は武台上に上がっていく。
俺たち四人VSチーム『暴露』は
戦いが今始まろうとしている。
「さあ!!初めは誰が来るんだ!?それともそこの男達二人を先にボコボコにしてやるからまとめてくるがいいぜ!?」
俺とジオウにそう言い放つ男。
そして俺は三人に声をかける。
「なあ…ジオウ、テンテン…そしてサキノ…この試合、俺一人に任せてくれないか!?」
俺がそういうと会場内にざわめきが巻き起こる。
「なんだあのガキ…ナメてんのか!?」
「生意気そうなガキだとは思ったが試合を一人で戦うだと!?」
「おう!チーム『暴露』!!そんな生意気なガキはさっさと殺してしまえ!!???」
俺の一言で会場内は大いに盛り上がる。
「アナウンサー!?どうなんだ!?対戦相手がちょっと生理的に無理な仲間もいてさ…。」
「クロノ選手!?そうなんですか?えーーーっと…それは…どうか…少々お待ちください!!聞いてきます!!」
「わりい。」
そして数分後。
「おまたせしました!!えーっとですね!クロノ選手が一人で戦うのは認めます!!ですが一つ条件があります。」
「おおそうか!?で、条件ってなんだ!?」
「クロノ選手一人で戦うという事ですが万が一負けてしまった場合…そのままクロノチームは負けが確定しますがそれでも良ければオーケーという事でした!!」
なんとこんな提案をした俺に予想外の判断がかえってきたんだ。
「ちょっと!?それってあんまりじゃない?クロノさんはきっと私達の事を考えて……」
「いいぜ!!それでいいんだな!?」
俺は、会場内全員に聞こえるかのように問いかける。
『では、それで成立です。』
「なっ!?ちょっと!?」
俺はテンテンに頭を下げる。
「本当に俺の我がまま……すまん!?」
「えっ!?でも……そっか……クロノさんはどうしてもさっきの相手が気に入らなかった…そういう事ね…ふぅ…まあでも一回戦敗退なんて私は認めないからね!!絶対…勝ってよね。」
「ああ…サンキュな!?」
するとサキノが俺の手をとる。
「お兄ちゃん……サキノの為なんでしょ…サキノがさっきの人達怖がってたから。」
俺は雷武に合図を送る。
そしてサキノの頭を撫でる。
「お兄ちゃん。」
「サキノ、戦いなんてしたくないならしなくていいんだ…」
「えっ!?お兄ちゃん?」
「こうしてまだ色んな事を経験して大人になっていかなきゃいけない時に自分が望まない戦いなんてサキノはしなくていいんだ…」
「えっでも。」
「ああ…今までは沢山色んな事に巻き込んで辛い思いもさせてきた…これからは自分の道は自分で決めればいい。」
「お兄ちゃん。」
「でも…私も戦わないと……」
「大丈夫だよサキノ。」
俺はサキノを抱きしめると。
踵を返し敵チーム四人の元に歩き出す。
『さあーーー!この試合は一人で戦うと宣言してしまったクロノ選手!!まさかの無謀な戦いは一体どうなってしまうのか!?』
『『はじめーーーーーーーーー!!!!!』』
◇
◇
◇
まさかの戦いのゴングが鳴り響く。
結末やいかに!!???